恩師
久々に中学校時代の恩師とお話しした。
音楽の先生で、色々とお世話になった。
大変なことも多かったけど、自分なりに色々なことに挑戦して、そういったことを見ていただいていたのかな。
社会人になって、これといった結果が残せず、劣等感の塊みたいな人生を送ってきた。
そんな中で、自分の子どもの頃を知る人と話すことは、心の中に安全基地ができた気がしてほっとした。
恩師に言っていただいた言葉。
「あんたは幸せ者だったよね。人にはできない経験をしたんだから、それがきっと音楽作りにも活きてるよ」
東京にいると、化け物みたいな凄い人がゴロゴロいて、自分が生きていくことの価値がないような気がして劣等感を感じることが多かった。
特にピアノを続けていく上ではどうしても自分より上手い人はゴロゴロいるし、プロにはなれない敗北感みたいなものも感じる。
自分の中のドロドロした感情とも付き合っていかなくてはいけない。
しかしながら、大変だと思っていた子供時代は意外と幸せな時間だったのかもしれない、と考えると自分に少しだけ自信を持つことができた。
これからも俺は敗北感や劣等感にまみれて生きていくのかもしれないけど、ほんの少しだけだらしない自分を許して、幸せだった子供時代のことを思い出しながら寿命が尽きるまで生き切りたいと思った。