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ロックを"見る"ならヒプノシスのジャケット・デザイン

ロックに関しては、かなり雑食だ。

ロックに目覚めた中学生時代に、ロックの師匠筋からブルース系ロックのカッコ良さを徹底的に叩き込まれたので、未だにその手のロックが好きだ。だがウエスト・コースト系も聴くし、プログレ系に対しても特に差別的な扱いはしていない。

但し、時間軸的に考えると、聴くのは60年代後半から70年代前半のロックが圧倒的に多いのは確か。

その時期でロックの役割は殆ど終わっていると思うからだ。パンクの出現はその終焉の確認作業みたいなものだ。数少ないバンドはその後も良質なロックを提供してくれたが、多くはかつてのスタイルだけを受け継いだ “音楽ゾンビ的” なもの。

新鮮なポップ感覚と弛んだ日常生活にインパクトを与える衝撃性を両有していたロックはいつの日か、再び蘇生するのだろうか?

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以上の堅苦しい文章は2002年頃に書いたもので、以前は他のサイトへ掲載していたもの。

現在もその嗜好に変わりはないが、上記の原稿には一つ大切なポイントが欠落している。それはロックのレコード(今はCD)の価値は中身の音楽だけではなく、その音楽を包み込むジャケットのデザインの出来・不出来にも左右されるということ。

いくら中身の音楽が抜群でもジャケットのデザインが最低ではあまり聴く気になれない。

アナログレコードのジャケットのサイズ感は抜群。大き過ぎず、小さ過ぎず、手に取って眺めるには丁度いいサイズだ。CDはコンパクト・ディスクというぐらいだから、コンパクトなサイズ感は認めるとしても、デザインワークを楽しむには小さすぎる。

昨今のアナログレコードの人気もこの辺りにあるのではないだろうか?と思っている。「アナログレコードの音質は暖かくて素晴らしい…」 みたいな戯言うんぬんをほざく、カッコつけた連中も多いが、多分そんな連中は中途半端なCDプレイヤー等でしょぼい音質で音楽を聴いているからだろう。

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やれやれ前置きが長くなったが、ロックのレコードのジャケット・デザインについてちょいとお話しするなら、イギリスのデザイン集団・ヒプノシスの手がけたジャケット・デザインを避けて通る訳にはいかないだろう。

(Hipgnosis、1968年 - 1983年)

正直、彼らのデザインが中身の音楽をちゃんと象徴しているとは言い難い。しかし良質のロックを聴くのが"耳の快楽"なら、ヒプノシスの手がけたジャケットを眺めるのは、それ自体で"目の快楽"だと思う。

注:ヒプノシスが手がけた全ての作品が素晴らしい出来だとは思わない。手抜き・やっつけ仕事もかなり見受けられる。

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Pink Floyd / Atom Heart Mother
Pink Floyd / Meddle
Pink Floyd / The Dark Side of the Moon
Pink Floyd / Wish You Were Here
Pink Floyd / Animals
Led Zeppelin / Houses of the Holy
Led Zeppelin / Presence
The Nice / Elegy
Quatermass / Quatermass
Edgar Broughton Band / Edgar Broughton Band
Wishbone Ash / Argus
Emerson, Lake & Palmer / Trilogy
T. Rex / Electric Warrior

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