期待値コントロールを意識する
皆さんは仕事をされる中で“期待値コントロール”って意識されていますか?今回はわたしがコンサルタントに転身してからとても意識をするようになった“期待値コントロール”についてお話したいと思います。
すべての商品やサービスには購入者が連想する“期待値”があります。その期待値を上回れば購入者は満足しますが、下回れば不満を持ちます。
コンサルタントの場合は、お客さまと握った時間・成果物の品質に対して上回ればお客さまは満足してくれますが、下回れば当然ながら不満に変わります。
ここまでは当たり前の話ですが、期待値設定の仕方を間違えると大きな損失を招くリスクがあります。ありがちなのは、成果物をつくるための時間と品質のバランスを見誤り、工数超過による利益損失を出してしまうケースです(図の赤いゾーン)。
お客さまの期待値は、時間が経過すればするほど上がっていきます。本来であれば“1週間後に50点のものを出せばOK”だった話が、“1週間遅れるのであれば80点のものを提示してほしい”に期待値が上がります。
上がった期待値に答えるためには、時間と労力を当初計画以上に割く必要があるので、その分の利益損失につながります。また、その期待値を下回る場合はお客さまの失望につながり、中長期でみるとさらに利益損失が増えるリスクもあります。
こういった事にならぬ様、適切な期待値設定を行ってお客さまの期待値を上回れるような作業計画を立てることが重要になってきます。例えば1週間後に50点のドラフト案を提示するような作業計画を立てたとします。2日後に30点のラフ案を提示すると、お客さまの期待値を上回るので良好な関係を構築しつつ、早い軌道修正がかけられます。
これにより、①お客さまも満足する、②自分の労力も最適化される、③利益も生み出す、Win-Win-Winの効果をもたらします(図の青いゾーン)。この青いゾーンを意識して期待値コントロールを行い、仕事をしていくことが限られた時間を有益に使うためにとても重要なスキルだと年を重ねる毎に感じます。
例ではコンサルタントとお客さまを題材にしましたが、これは社内メンバーと仕事をする上でも全く同じだと思います。日本人は真面目な気質の方が多いので、“素早く30点のものを出す”よりも“じっくりと時間をかけて80点にしてから出す”タイプの方が多いと思います。システムエンジニア時代のわたしもそうでした。
ところがコンサルタントになってから考え方が変わりました。お客さまや上司は“早い段階での状況の見える化に価値を感じる”ことが分かったからです。それからは成果物の根幹となる部分をさっと作り、軌道修正をしながら進めて行くスタイルに変わりました。
わたしはこのような考え方を元に期待値コントロールを意識しながら仕事をしているのですが、これは1つの考え方であり、業種や業態によって色々な期待値コントロールのやり方があると思います。
皆さんの“期待値コントロール考”について是非教えてください!
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