新米PMがはじめにぶつかる3つの壁
営業やエンジニア、デザイナーなど様々なバックグラウンドから、初めてプロダクトマネージャー(以下PM)にチャレンジする方々が最近増えてきました。
一方、PMを始めてみたけど、
「続けられるか心配」
「ちゃんと成長、貢献しているか不安」
「思ってたのと違う」
といった声も聞きます。
今回、どんなバックグラウンドでも共通してPMを始めてぶつかる3つの壁について説明します。
どんな壁にぶつかるのか(もしくはぶつかっているのか)またその乗り越え方を知ることで、いま直面している目の前の悩みに対して少しでも気持ちが軽くなれたら幸いです。
だれに読んでほしいか?
初めてPMにチャレンジしている方
PMとして思うように成長できず悩んでいる方
新人PMの育成で悩んでいる方
新米PMがはじめにぶつかる3つの壁
結論、これまで自分自身また多くのPMの方々と仕事をしてきて、以下が3つのぶつかる壁だと考えています。
自らタスク管理する壁
他者の意見を聴く壁
自ら決断する壁
1.自らタスク管理する壁
意外と躓くのが「タスク管理」。
さらに言うと、他者のタスクではなく、「自分の」タスク管理です。
他者のタスクだと客観的に捉えられ指示出しできるから、自分のことは自分では意外とわからず、何をしたらいいのか、何から手をつけたらいいのか、混乱する人が多いです。
また、PMは企画業務もあるため、1日や1週間の短期の期日で完結するタスクだけでなく、1ヶ月や半年と長く検討を続けるタスクもあります。
最初のうちはタスクも少ないのでなんとかやっていけるのですが、どんどん長期のタスクが増え重なってかいくと、あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ、あぁどうしよう...と頭がパンクしてパフォーマンスが落ちることもあります。
つまり、
自分のことを自分でわかっていない
長期のタスクとの向き合い方がわからない
という壁にぶつかります。
2.他者の意見を聴く壁
PMとしてユーザーの声を聞いたり、営業やCS、エンジニアなど多くの他部署の意見を聞くことが多くなります。
たとえば、
こんな機能がほしい!
ユーザーは〇〇と言ってましたよ!
こういう設計にしました!
といった意見を聞くことになります。
ただ、本当にそうか?
よくよく「聴いて」みると、実は別の課題の方が大事でそんな機能はいらなかったとか、もっと最適な解決策があったということがよく起こります。
また、PMとしてこっちのプロダクトの方向に進めていきたいという主張も出てくると思います。
このとき、こっちに進めましょう!とただ示すだけでは、なぜそっちにいくの?と疑問を持つ方も中には出てきます。
なぜ疑問を持たれるのか?他者の考えや意見を「聴く」ことも、伝えるために必要になります。
PMの役割として伝えていく場面がかなりあります。というか、常に求められます。
伝え方の難しさ、そのために他者意見を「聴く」壁にぶつかる方が多いです。
(私自身、今でもどう伝えていくか?関わる人や状況も変わるため日々悩んでいます...)
3.自ら決断する壁
最後に、PMとして自ら「決断」する壁です。
いわゆる意思決定ですね。
言わずもがなPMとして諸々のプロダクトの方針を指し示す必要があるため意思決定が必要です。
特に躓くのが、不確実な未来のことを「決断」することに対して
本当にこの「決断」でいいのか?
自分なんかが決めてよいのか?
間違ったらどうしよう?
と悩み苦しむと思います。
「決断」するために、必要なファクトを集めたり市場環境を予測したり会社のミッションやプロダクトのコンセプトと照らし合わせどうか?など思った以上にインプットとアウトプットを繰り返し、決断していく必要があります。
これまでのタスクと比べ、すぐにアウトプットを出せずもどかしくなったり、アウトプットを繰り返すうちに結局どうしたいのか迷走することもあまります。
またPMとしてたとえ新米であっても良くも悪くも大きな意思決定権を得ることで、自分で決められてうれしい!と思う反面、思った以上に責任が大きくツラいことに気づく方もいるかと思います。
この責任の重さとどう向き合っていくか?は、最初に乗り越える壁であり、より経験を重ねるほど大きな責任と向き合い続けることになります。
壁の乗り越え方
私がPMになりたてだったときや普段メンバーにアドバイスする際に、3つの壁それぞれの乗り越え方・向き合い方について説明します。
私自身、最初からできたものではなく悩み苦労したもので、メンバーにもアドバイスするようになり、言語化したものです。
必ずしも万人向けではないかもしれません。
ただ今すぐ試せるものをいくつか用意しました。
まずは小さくやってみて、少しでも今の躓きが解消されたら幸いです!
1.自らタスク管理する方法
まずは粒度に関係なく、今自分がやってることを書き出しましょう。
できればExcelやスプレッドシートのような表計算ソフトで表形式が望ましいです。
書き出したら次に「期日」「重要度」「自分にとっての難易度」の3つでラベリングをしましょう。
「期日」は、上司や他者に求められるスケジュールがあると思うので明確な期日があれば「〇月〇日まで」と具体的にしましょう。
また自分で調整できる期日であれば、なんとなくではなく、「自分で」期日を定めましょう。
さらにそのタスクを完了したら誰かに伝えるための打ち合わせの日時を関係者も含めてスケジュール登録してしまいましょう。
ここまでにやらなきゃ!という緊張感をあえて持たせることで、タスクがいつまでも終わらない状態にストップをかけられ、かつ完璧を目指そうとしてダラダラ引き延ばすこともなくなるのでオススメです。
私も完璧主義な性分なので、今でも自ら意識してスケジュール登録して「完了させる」ことを心がけています。
「重要度」は、自ら定めるだけでなく、上司にもその重要度で認識あっているか?確認しましょう。
スタートアップのような不確実な環境下では日々目まぐるしく優先度、重要度が変わります。
つい今朝までは重要度が低かったのに、午後には重要度がめちゃくちゃ上がってるということはよく起こります。
その急激な変化を理解し自分の尺度に落とし込むためにも、まずは自分で「重要度」を定め、そのレベル感が合ってるか上司やチームメンバーに確認しましょう!
自分で定めても、まわりに確認することを怠り今やらなくてもいいことをやっていたor今やらないといけないことをやれてなかった問題に気づけず、ただ時が過ぎてしまうことはよくあるので注意です。
最後に「自分なりの難易度」も定めましょう。
これは完全に自分で決めることです。
明確な絶対的な尺度はないです。
本当に自分なりに決めてしまってよいです。
自分の中でなんとなくぼんやりと、これ苦手だなぁ、難しいなぁ、進みが悪いなぁといった状態から、書き出したタスク一覧でラベリングすることで、相対的に自分のタスクの難易度を見える化することでなんで進みが悪いのかを自分で認識することが大事です。
さらに上司やチームメンバーとタスクの優先度を相談する際にも、実は私はこれが苦手で進みが遅くなってるんですと伝えることで、まわりがあなたの状況を理解できると適切なサポートを受けやすくなります。
上司からしたらよく自分のことをわかってるな。成長してほしいからもっとサポートしよう!という気持ちにさせることができるのでオススメです。
2.他者の意見を聴く方法
あえて「聞く」ではなく「聴く」としたのは、意識して傾聴することを意識してほしいため「聴く」と表現してきました。
また、どのような状況下でも通用する方法は、5W2Hのマトリクスを埋めるまで聴くことです。
5W2Hとは、
Why (なぜ必要か、なぜやるのか)
Who (だれが、だれに)
What (何を、何と何を比べて)
When (いつまでに、過去・現在・未来いつの話か)
Where (どこ、どのシステム、どの機能)
How to (どうやって)
How much (いくら)
になります。
大抵、他者の意見を鵜呑みにして進めた後で手戻りするケースは、この5W2Hのいずれかの情報が欠けたまま進めてしまったことがほとんどです。
まずはこのフレームワークを埋められるようにヒアリングすること。
頭でマトリクスを思い浮かべるのが難しければ、手元のノートにマトリクスを実際に書き出しながらヒアリングするとよいです!
埋めた後、全体を見回してみると、あれ?なんかここは違いそうだぞ?とアンテナが立つようになります。
このヒアリングと冷静に見回すサイクルを小さくてもいいので始めること。
そして、このサイクルを繰り返していくことで、「聴く」チカラが磨かれていきます!
何度か繰り返していくと、「ん?みんな気づいてないけどここが本質的な課題で重要な論点なんじゃいない?」といったように自然と気づけるようになります。
3.自ら決断する方法
こちらは前回の記事に詳しくまとめているのでぜひ読んでみてください。
やはり「決断するチカラ」はPMの超重要なコアスキルだなと強く思います。
PMをやる上で「決断するチカラ」はなくてはならないもの。
多少しんどくとも、少しでも多くの打席に立ち、日々鍛錬し身につけていきましょう!
まとめ
今回は新米PMがぶつかる3つの壁を説明しました。
PMって大変そうだな、やりたくないなと思われてしまったかもしれません。
ただ、これらの壁を心地よいスリルと捉え乗り越えることで、プロダクトのチカラで自らの手触り感を持ってチームの仲間と共にリードしていけるとてもエキサイティングな役割がPMだと思っています!
他の役割でも味わえない貴重な体験なので、ぜひチャレンジしてもらえたら幸いです。
本記事を何かのきっかけにしてもらえたらうれしいです!
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