PKO協力法と自衛隊カンボジア派遣1

PKO協力法と自衛隊カンボジア派遣

第1項  国際連合平和協力法案

 1990年10月16日、海部俊樹内閣総理大臣は国会に「国際連合平和協力法案」を提出した。

「国際連合平和協力法案」は国際連合平和協力隊を創設し、国連決議を受けて行われる国連平和維持活動(PKO)を中心に迅速な協力を実施するというものだった。

停戦監視、紛争後の現地政府への行政的援助、選挙監視・管理、輸送・通信、医療活動、難民救済活動、再建活動などを主な任務とし、国際連合平和協力隊は武力行使および武力行使の威嚇をしてはならず、隊員の武器は必要最小限度の武器、「小型武器」とされた。

「小型武器」は警察法による定義、概念から小銃および拳銃とされた。

輸送は武器弾薬の輸送は原則として実施されず、戦闘が行われている場所への食糧、水の輸送も行われないとした。

 1990年10月18日から衆議院本会議と国連特別委員会で論議されたが、社会党、公明党、共産党ら野党の抵抗は強く、与党・自由民主党からも疑義の声があがった。

こうした背景を受けて11月8日、衆議院議院運営委員会理事会で廃案の確認手続きが取られ、審査未了、廃案が確定した。


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