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看護師の転職と地域の未来
1回目の投稿にて少し触れましたが、僕は医療系の人材紹介会社に勤務しています。その中で僕の役割は、営業として看護師と事業所のマッチング業務に携わっています。働く中で考えていることを今日はアウトプットします。
1 医療系人材紹介会社の役割
一般的なホワイトカラーの人材紹介事業と、医療系の人材紹介事業には大きな違いがあると僕は考えています。それは医療に関しては、目指さなければいけない人材配置がおおよそ決まっているという点です。
病院や施設、そして最近増えている訪問看護など、あらゆる医療関係の事業所は、地域における将来の人口予測がおおよそ見えている以上、必要絶対数が見えています。それゆえ、僕たち医療系の人材紹介事業に携わる者は、その目指さなければいけない未来に対してどのように導線を作るかが課題であり、それを作り必要な未来を実現することが役割であると僕は考えています。
2 地域医療構想とは?
では、僕らが目指さなけれはいけない未来とは果たしてどんなものなのか?それが具体的にまとめられているものが地域医療構想というものです。
以下、全日本医療協会の引用となります。
地域医療構想は、2025年の将来推計人口をもとに、地域における将来の医療需要を推計し、そのために必要となる病床数を予測した上で、関係者が共有し、将来の地域医療の姿を描く取組みです。
この地域医療構想は、都道府県ごとに定められていて、僕が担当しているエリアであれば、千葉県になるのですが、千葉の中でもエリアを細かく9か所に分類したうえで、人口予測から必要病床数を予測しています。
3 地域医療構想実現に向けて必要なこと
僕が担っている看護師の転職という側面から、この地域医療構想実現に向けて必要なことを考えてみます。
人口動態については、全国的に高齢者数の増加に加え、生産年齢人口の減少が顕著に表れています。つまり、医療福祉を必要とする人数は増える一方でその担い手となる医療従事者になりうる人数は減少しているという事です。
こと、看護師においては、厚労省のデータによると2025年には必要な看護師数が6~27万人不足するという発表もあります。また、下記の画像をご覧ください。
これは、僕が担当する千葉県の地域医療構想に示されている、在宅需要の増減に関するデータになります。
これを見ると在宅の需要はこれから右肩上がりで増していく事が分かります。その一方で看護師数の伸びが緩やかで、現在の訪問看護ステーションにおける求人倍率は3.78倍(看護師平均1.98倍)と極めて高い値を示しています。
つまり、看護師においては、
①総看護師数不足に対する取り組み
②看護師の偏在に対する取り組み
が、必要になると言えるかと思います。
4 看護師転職における僕たちの役割
先程、看護師については総看護師数の不足への対策と看護師の偏在解消が必要と書きました。この2つの課題に対して、紹介会社の役割はとても大きいと僕は考えています。
就労環境の改善のためのマッチングにより、看護師全体の労働環境改善と総看護師不足解消という文脈は勿論のこと、偏在解消に向け、需給バランスの乱れている施設形態に関しては、魅力を採用窓口の方と同等ないしそれ以上に語れるようになるため、学びを深めていければと思っています。
5 まとめ
今まさにコロナによって、病床数と重症患者数における医療崩壊に関する議論がなされています。僕の仕事はこのコロナによる医療崩壊リスクという、喫緊の課題を解決することができるものではありません。
しかしながら、この先5年10年で起こる医療の大きな課題の解決に貢献できる仕事だと考えています。あらゆる地域において、継続的に医療が提供される環境が実現できるよう、今日もお仕事頑張ろうと思います。