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Karte.158 「僕は朝帰りした」所感と考察②
まえがき
①で書いたように、今回②では登場キャラの感情と、今後起こり得る状況について書きます。今回もわりと短くまとめました。それでは早速。
各キャラの現状把握と今後の課題
市川
11巻から引き続き、自分でコントロール出来ない問題が発生しています。受験勉強。恋愛。性欲。そしてどれも上手くいってない自覚があります。ただ11巻の話と違って今回は自分でなんとかしなきゃいけない問題です。あのときの壁は大人社会、今回の壁は理性と感情のコントロールです(受験の合否を除けば)。
今までは禁欲的にひたすら我慢することで乗り越えようとしてましたが、ちょっとずつ無理が出てきました。まぁ初恋の人と付き合えてまだ半年も経ってない上に山田みたいに可愛い子が相手なので、当然というか自然というか普通の反応だと思います。良い意味での普通さです。
そことどう折り合いを付けていくかがポイントの1つなのかなと。
個人的に1番変わると思うのは、市川はこれからアクセルのコントロールを覚えるだろうってことです。今まではブレーキ一辺倒だったので……山田がアクセル踏むからっていうのも大きいですが。
現状を個別に見ていくと、受験勉強はおねえに頼ろうとしてました。また山田との会話で『これからは気を遣わず会いたいとかしたいこととか言うようにしよう』と言ってるので、今後は会う方法を積極的に模索すると思うんですよね。前回も書きましたが今の市川は山田と会えないことをあまり我慢できないだろうし、というか無理な我慢はしない気もします。その方が上手くいくのかなぁ、どうでしょう。
山田
山田は上手くピンチを切り抜けたとは言えない感じです。少なくとも市川が来て夜2人きりになったことはバレたので、両親の警戒は高まったんじゃないでしょうか。
でも山田は今回の体験から今まで以上に2人きりになりたがってると思うんです。というのも今までそこにブレーキをかけてたのが他ならぬ市川だったので、その市川から『気を遣わずに~』と言われてああいうことまで求められた以上、山田もアクセル踏むと思うんですよね。個人的には山田はブレーキを覚えなきゃいけないと感じるんですが、でもそれは山田らしくないかなという気もしつつ。
差し当たってはラストで一言だけ触れたおねえのバンドの学園祭ライブ。山田も市川と行きたいんだろうから、それこそ変装するのかなと。
今回出番が少ないのでこの位しか書くこともありませんが、まだこれから増えてくると思います。
おねえ
ももちゃんが指摘した通り『バンドと就活とバイトを並行でやる』つもりなのが分かりました。以前にXでこんなことを書いたんですが……(Karte.158を読む前)
おねえは上昇志向があるタイプでも夢を追うタイプでもなさそうだけど、チャレンジ精神はあるんですかね
— 宇内すけん (@daisuke07047235) November 28, 2024
好奇心は強そう
無茶はしなくても、現実的に手の届きそうな所へは挑んでいくし、しかも割と難易度高そうな所まで見積もっててヌルくない
もし本当にバンドの話なら、市川はなんて言うんだろう
今回も別に迷ったり悩んだりして無いんですよね。きっと自分のこと客観的に見て『やれる』と思ってるんでしょう?
おねえって自分がハイスペックなことに自覚無いタイプなんですかね……そういう意味ではこの姉弟って似てるのか。
市川は勉強見てくれって言いづらそうだけど、おねえなら全然こなしそうな気がします。まだキャパシティに余裕がありそう。弟に激甘なのも分かったし、あとは市川の心情だけですね。無断外泊した(受験より恋愛に夢中になった)引け目や、多忙なおねえに対する気遣いとか。その辺を考えると、山田から諸事情を話す方がスムーズかなと思ってるんですが。
というわけで、おねえは自分のことをこなしつつも、市川と山田をフォローする超人ぶりを発揮してくれるんじゃないかと想像してます。
ももちゃんとおねえとバンド
ももちゃんが解散するとか言ってますが、あれって現実的な意見だなぁと。実際メンバーが就職してフェードアウトするケースは割と聞きます。しかもあのバンド、PrimaryCOLORってどう見てもおねえが中心ですよね。演奏の技術的な面は置いておくとして、人格・資質的には絶対リーダーでしょう。
ちょっと真面目な話をすると、現実世界でもああいう実直でコツコツやるタイプの人がいる組織ってめちゃくちゃ強いんですよ。『こいつがやるならちゃんとやろう』って、皆がきちっとするんです。それが出来ない人はいなくなるから集団として強くなる。
あとももちゃんとの関係。ももちゃんがお泊り・無断外泊の件を知ってるので、おねえが相談したんでしょう。山田が芸能人ってことまで含めて家庭の事情を話すなら、結構信頼してるんじゃないかと思います。クソ真面目なおねえと仲が良いんだから、ももちゃんってああいう感じだけど『しっかりした芯』はあるのかもしれません。
2人のそういう関係を踏まえた上でもう1度今回の話を読むと、ももちゃんの反応はちょっと違って見えてきます。ももちゃんはバンドを3つ掛け持ちしてるそうですが(腕が良いんでしょう)、他の2つを辞めてPrimaryCOLORをメインにするつもりだったのかもしれません。
みたいなことを考えていると、今後がやはり楽しみになってきますね……。
ニコちゃん
なんで市川邸に居たのかすら分かってません。単行本9巻で、ニコちゃんがおねえを『お姉さま』と呼んで慕っている様子は1度だけ描かれました。なので仲良くなってても不思議じゃないんですが、普通に家飲みして朝まで寝てる気安さが全く持って解せない。ニコちゃん=豚野郎はSNSでの活動を見る限り猜疑心や警戒心が異常に高いはずなので、他人の家でこんなにリラックスできるっていうのがもう意味が分からない。
淫行罪に詳しいのって片岡健スキャンダルのとき調べたんだと思います絶対 に(単行本7巻Karte.96の映画撮影回)。相手が年上前提で年齢差の話とか、山田が喰われた想定で片岡健を攻撃する手段を考えたんだと思う。
更にここでKarte.99(単行本7巻)での、ニコちゃんと市川のやり取りを思い出してください。ラーメン食べた回です。あのときは市川にSNSアカバレしたことで相当動揺してます。それからファミレスと夏合宿で会いました。そして今回、市川少年に対してもう完全に上から行ってます。こいつはバラさないと判断したんでしょうか。格付けが済んだと考えたんでしょうか。精神性が……というか本当に何もかもおかしい。
だけど1つだけ間違いない事実があります。前回書いたように、市川にとっては絶対に交際バレちゃいけない相手ということです。こいつが危険すぎることだけが疑いようのない事実。つまり今後どう絡んでくるにせよ油断しちゃいけない。
そしてその点を踏まえるともう1つ、山田パパ×市川という誤解の意味。ただのギャグシーンではなく市川は押し通すしかない。そうすると交際バレのリスクは減る一方で、市川に対するニコちゃんの警戒心が緩みます。で、Xにこんなことを書きました。
『彼氏の家から知ってる女性が出てくるのを見て誤解する』ってベタな展開
— 宇内すけん (@daisuke07047235) December 16, 2024
山田が市川邸からニコちゃんが出くるのを見たとして、仮に誤解しても説明すればすぐ理解すると思うんですよ
思うけど、私も泊まるとか京太郎の家に毎日行くとか言い出して欲しくはある
ニコちゃんと市川の距離が
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まぁこんな感じになれば山田と市川にとってプラスというか、自分はイチャイチャして欲しいので丁度良いかなと、かなり前向きに考えるようにしています。不安がってても仕方ないので……!
山田パパ
これもXに書いたのですが自分としては、山田パパは『深夜、黙って家で2人きりになったことを怒ってる』けど『市川や娘に怒ったのかは分かりません』という立場です。
そう言えばKarte.158の所感にこんなことを書きましたが、山田パパは『行動』に怒ってるという意味です
— 宇内すけん (@daisuke07047235) December 16, 2024
深夜、黙って家で2人きりになったことを怒ってる
『市川や娘に怒ったのかは分かりません』
あの話し方だと注意する、叱る、窘めるの方が正確に思えます
感情をぶつけることはまた違うんです pic.twitter.com/mFeo0Fddzs
これまでの経緯から、市川のことを真面目で礼儀正しい少年と捉えていたとして、でも一般論を言えば中学生男子にそこまでの信頼を置いていないと思います。それは例えば『落ちてる財布を自分のポケットにいれる少年』と、『好きな女の子と深夜2人きりになったら我慢できない少年』の差です。
山田パパには、市川少年は前者ではないという信頼はあると思います。でも後者については微妙です。我慢できないのが普通だからです。我慢できる子だと考える方が市川を異常視しているかもしれません。
というわけでまず父親として、中学生同士の交際に対処するべきことがあるわけです。見守りつつ脱線しないようにするとか。だからひょっとしたら自分を責めている可能性もあります。父親として未熟だったと考えているかもしれない。父親として成長途中なのは山田パパ自身も認める通りです。そこで子供だけを責めるかなぁと。
そしてそれとは別に、市川への怒りがあるのかという話です。これはちょっと分かりません。怒ってて欲しいような欲しくないような……まぁ怖いですからね……。娘に対しては怒らない気がするんですが(怒るなら山田ママだろうと)、やっぱりまだ分からないです。どうなんでしょうね。
まとめ
ざっと整理しました。読んで下さった方には分かると思うのですがKarte.158は本当にさわりの部分だけ見せて貰えた感じですね。ただそれが過去の様々な出来事と繋がっているので、見た目以上に大量の情報をぶち込まれたわけです。この先を考えるとあちこちに想像が枝分かれして広がります。キリがありません(笑)。
これから少しずつ焦点が絞られていくと思うのですが、個人的にはおねえ&ももちゃん&ニコちゃんがどこでどんな風に動くのか、市川&山田とどう絡むのかが楽しみで仕方ないです。ロクなことにならない気もするんですけど(笑)。
あとサブタイトルはまた山田視点に移るのかも気になりますね。
それでは、ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございます。