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「不動産×人材」で挑む!大倉グループのトータルソリューション戦略
株式会社大倉 の木村です。当社は倉庫をはじめとする不動産事業を展開しており、4つのグループ企業を有しています。物流倉庫・業務施設の仲介や管理を行う、株式会社センチュリーダイソー。人材紹介・派遣・業務請負を行う、株式会社アドバンスダイソー(以下、アドバンスダイソー)。倉庫内作業のアウトソーシングを行う、株式会社センチュリーネクスト。倉庫・工場の仲介や物流コンサルティングを行う、株式会社ロジファクター。近年は不動産だけに止まらず、グループ全体でクライアントの課題を解決することを目指しています。
そこで今回は、大倉とアドバンスダイソーの代表者による対談をお届けします。2022年から両社の協業が増えており、「不動産×人材」のソリューション提案が、当社の新たな強みになりつつあります。日々、現場でクライアントへの提案を行っている2人に、協業の意義や未来の展望について聞きました。
▶︎株式会社大倉 営業開発本部 マネージャー 吉田 雅哉(よしだ まさや)さん
不動産営業歴10年のベテランで、過去に居住用物件を扱う大手不動産会社などを3社経験。2021年より業務委託社員として営業を担当し、2023年に正社員として入社。主に事業用不動産を担当しているが、人材事業との連携にも注力している。
▶︎株式会社アドバンスダイソー 部長 西田 智佳(にしだ ちか)さん
2003年にアドバンスダイソーへ入社後、出産を機に一時退職。2015年に復職し、2021年に部長に就任。現在は人材事業を統括している。
外国人材の雇用促進で、人手不足の課題を解決
——改めて、アドバンスダイソーの事業内容について教えてください。
西田:
主に製造業向けの人材紹介・派遣・アウトソーシング事業を展開しています。特に外国人材の活用に強みを持っており、現在は70名を超える外国籍メンバーを雇用しています。現在のクライアントは約30社で、国内最大手のシール印刷会社やプラスチックレンズメーカー、産業機械メーカーなどと、10年〜20年の長期間にわたってお取引させていただいています。
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——具体的にどのようなサービスを提供しているのでしょうか?
西田:
製造業を中心とした業務請負と、理工系大学を卒業した電気・機械分野のベトナム人エンジニアの人材紹介や派遣を行っております。
吉田:
アドバンスダイソーで紹介しているのは、ほぼ外国人材ですよね。
西田:
今はそうですね。すでに国内の労働人口は減少が確定しているため、外国人採用へとシフトしています。また、あらゆる業務の自動化が進むなかでも、需要が見込まれる電気・機械分野のエンジニア紹介に注力しているところです。
——外国人材を紹介・派遣する際に、どのような提案を行っているのか教えてください。
西田:
まず、クライアントがどのような人材を必要としているのか、しっかりとヒアリングさせていただきます。長期的な採用なのか、繁忙期に合わせた一時的な増員なのか。また、企業の社風に合わせて、必要なスキルや求める人柄についても認識合わせをし、最適な人材をご紹介させていただくようにしています。
——紹介・派遣される外国籍の方には、どういったサポートをしていますか?
西田:
ベトナムでの新卒採用の場合は、現地での事前研修に力を入れています。2024年に開設した日本語学校と技術研修センターでは、語学力やスキルを向上するだけでなく、日本の文化やビジネスマナーも学んでいただいています。また、当社社員が毎日オンラインでコミュニケーションを取り、製造業で取り組まれている「5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)」や安全教育のほか、配属先で使用する工具の名称、業界特有の用語なども事前にレクチャーしています。
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採用すれば価値観が変わる、外国人材のポテンシャル
——とはいえ、外国人材の雇用に不安を感じるクライアントも多いのではないですか?
西田:
「日本人がいい」「外国人材を雇用した経験がない」「社内に外国人に対する抵抗感がある」といった声は、確かに寄せられます。しかし、国内の人手不足が深刻化するなかで、クライアントが求める人材の確保は、かなり厳しい状況にあります。
吉田:
私も倉庫を提案する過程で、必ずと言っていいほど「人が足りずに困っている」という話を耳にしますね。
西田:
そうですよね。そこでまず私たちは、国内の労働市場の状況を、しっかりとお伝えすることから始めます。加えて、将来は近隣諸国の少子化の影響で、外国人材の確保すらも難しくなると予想されています。そのため、早い段階で外国人採用にチャレンジするメリットも、合わせてお伝えするようにしているんです。
その上で、外国人雇用に対する不安要素を、一つひとつ解消していくよう心がけています。例えば、言葉の壁によるコミュニケーションや住居の確保など、クライアントが不安に感じやすい点については、私たちがフォローする体制を整えています。具体的には、外国人の方の住まいとして、自転車で通いやすい距離の物件を家電付きで用意させていただくなど、きめ細やかなサポートを行っています。
——実際にサービスを導入したクライアントからは、どのようなお声をいただいていますか?
西田:
当初は抵抗感があったとしても、「採用してみたら大きく価値観が変わった」というお声が多いです。実際に、ある企業様は外国人の採用に懸念を示されていたため、試しに2名のベトナム人エンジニアを採用していただきました。その方々が非常に真面目に仕事に取り組んでくれた結果、現在では20名を超えるベトナム人のスタッフが活躍しています。
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吉田:
2名から20名へ増員するとは、はじめの抵抗感はすっかりなくなったようですね。
西田:
そのクライアントからは、「あのとき外国人材を受け入れて本当によかった」と仰っていただきました。外国人材は若く、「学んだ技術を高めたい」と向上心を持った方が多いですからね。採用後は、「日本人よりベトナム人を雇用したい」と仰るクライアントもいらっしゃるくらいです(笑)
協業を促進した、グループ一体の社風
——両社の連携が深まったきっかけは何だったのでしょうか。
西田:
木村社長より、「グループ全体でクライアントの課題を解決していこう」というお話があり、社内全体で協業する意識が高まったように思います。大阪本社は同じオフィスで働いていることもあり、自然とグループ間のコミュニケーションが増えていきましたよね?
吉田:
そうですね。もともと合同で行っている朝礼でそれぞれのメンバーを表彰したり、現状を共有したりしていたので、互いにコミュニケーションを取りやすい環境が整っていたなと感じます。
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——コミュニケーションが活発になったことで、すぐに協業案件が増えたのでしょうか?
吉田:
いえ、そんなことはありません。不動産営業を専門とする大倉の社員は、人材に関する知識はゼロに等しく、当初は私もどのように提案を行えばいいのかわからなかったからです。そこで、アドバンスダイソーが主催するセミナーの運営を手伝ったり、クライアントの声を聞いたり、現場を見学したりするなかで、徐々に知見を広げていきました。事業内容の解像度が上がったことで、今では人材採用でお困りのクライアントがいれば、積極的に提案できるようになりました。
西田:
実際に、吉田さんから製造業のお客様をご紹介いただき、成約したケースがありましたよね。
吉田:
はい。初の成約案件だったので、とてもうれしかったのを覚えています。来週も西田部長と一緒に2社訪問させていただく予定がありますが、こちらは倉庫のご相談がきっかけで、ご依頼いただきました。倉庫と人材の双方の観点から、ご提案させていただこうと考えています。
グループならではの武器で、トータルソリューションを提案
——今後の展望について教えてください。
西田:
人材業界は今後も成長が見込まれる分野です。特に製造現場では、単純作業の人材不足も深刻な課題となっています。そこで、当社は2024年6月に外国人材の雇用をサポートする、特定技能の支援機関として登録を完了させました。そのため、ここからさらに幅広いニーズに対応していく予定です。
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また、外国人材の雇用促進は進んでいますが、正直なところ、語学力などの面でクライアントが不足感を覚えることもあります。今後は日本語のスキルや、より高度な専門技術の教育などを行い、クライアントのご要望に応えられるよう、サポート体制を強化していく予定です。
吉田:
アドバンスダイソーのサービスが広がると、営業マンとしての提案の幅が広がるのでありがたいです。というのも、訪問先で不動産営業の私が「人材事業にも取り組んでいます」と話すと、大半の方が驚かれるんです。でも、将来的に採用で困ったときに、「吉田さんに相談してみよう」と思っていただける可能性は高いのではないかと思っていて。
木村社長曰く、「不動産提案のみを行う人は、同業者と同じラインに立っているのと一緒」なのだそうです。今後はグループ全体の武器を使い、企業のお困りごとをトータルで解決できるようになっていきたい。そうなれば、クライアントにとって、代替の効かない存在になれるのではないかと思います。
西田:
倉庫をお借りいただくお客様には、必ず人材に関する課題が存在しますからね。当社もグループとしての相乗効果を発揮し、多角的にお役立ちできる企業を目指していきます。
大倉では東京・埼玉・福岡支店の営業職を募集しています。少しでも興味のある方は、以下よりお問合せください。
https://www.daiso-net.co.jp/contact/other/
対談に登場した、吉田さんのストーリーはこちら↓↓