「エイジレス・ライフデザイン」の心得ノート その92 ブラブラワークで「知の探索」を
台風の季節となりました。
茅ヶ崎は強風の朝です。
今朝は、経営学視点での一考察を紹介します。
「コンピテンシートラップ」とされる課題です。
要は、成功している企業にとって肝に銘じておくべきは、「知の探索」を怠るなかれ!
ということです。
「知の深化」によりイノベーションが生まれ、そのイノベーションが企業に発展をもたらされます。
然しながら、金鉱を掘り当ててしまうと、経営は別の金鉱を探す意欲が減衰してしまう傾向があります。
結果、ある時点で、繁栄をもたらしてくれたイノベーション寿命は尽きてしまい、元の黙阿弥と帰する企業は少なくありません。
経営側も、解ってはいるけど、ついつい目先の利益追求に意識が向いてしまうのは仕方ない面もありますが、ここで、海のものとも山のものとも分からないけれども「知の探索」にも投資を継続できる経営者こそが「両利き経営」Ambidexterity Management を実践出来る経営者でもあります。
コンピテンシートラップとは、「知の深化」のみに嵌まってしまい、「知の探索」が疎かになるマネジメントのトラップ(落とし穴)を意味します。
一時的な成功に浮かれてしまって、継続的な「知の探索」つまり新たなヒットを生み出す研究開発投資を疎かにしてしまう「コンピテンシートラップ」に陥いらないように経営に進言するのは、組織内の誰なのでしょうか。
私はChief Knowledge OfficerやChief Community Officer など、「場」のプロデュースに関わる経営職が担うべき職務と思っています。
企業によってはCFOや経営企画担当役員がそのミッションを担うのでしょうが、敢えて提言させて貰えば、そのミッションは「場」創りをプロデュースしている総務人事のエグゼクティブが担うべきと思っています。
「場」創りとは経営そのものです。
内に向きがちな「内知」への固執から、「外知」を探索してゆくナレッジネットワーキング活動を、有効に組織の中に実装させてゆく仕掛けを作る役割は、「場」創りプロの英知と経験値が価値貢献します。
自立しているタレント社員は、放っておいても自主的に外知収集活動とネットワーキング行動を行なっています。
しかし、上司からの業務命令を忠実かつ真面目に取り組んでいる社員は、外での活動は終業後に行うもの!と考える傾向があり、なかなか忙しさもあり外部との接点が広がらないまま、一所懸命に内知を深めようとします。
これでは新しい閃きは、なかなか生まれません!
ちょっとだけ、背中を押してあげれば良いのですが、監視・管理型の上司の下では外の活動に出かけたい!と申し出ても、「仕事を片付けてから行け」の一言で、気持ちが萎えてしまいます。
そこで「場」創りプロの出番です。
緩い制度をつくり、社員が「外知」に触れられる機会を後押ししてあげることで、組織知のレベルが格段に上がってきます。
『まさか! そんな事で、どれほどのイノベーションが起きるのかを証明しろ!』
とツッコミをする上司は、残念な方です。
『やってみなはれ』と言える度量のあるマネジャーが、組織的な知の創造を支えてゆくものです。
エイジレス・ライフデザインの心得の一つです。
特に、組織で勤務し部下を持たれている「管理職階層」や「経営職階層」の方々にとって、意識してみては、いかがでしょうか。
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