「人生時間」を考える その4
8. 他覚的に自分を見つめる時間
私自身、64歳になっても自分自身の性格や特性、そして潜在能力を「自覚」しているつもりで、実のところ客観的ないし「他覚的」な自分を認識出来ていないのではないか!と時々思うことがあります。
「私の性格や気質は〇〇だ!」とか「私は△△の能力がある」と思っている自分と、社会や周囲から見られ、評価されている『他覚的評価』にはギャップがあるものです。
私は、自分自身を客観的に知る事、つまり、自分を他覚的に俯瞰する事が出来れば、組織社会における複雑でストレスフルな人間関係を、円滑にセルフマネジメントしてゆくことができるのではないか!と思っています。
そこで、今日は自分自身を客観的に知る「エマジェネティックス」といった自己診断ツールをご紹介したいと思います。
エマジェネティックス?
なんやら聞いたも事無い言葉ですよね!
「エマジェネティックス」は、脳科学や、遺伝学、そして心理学の知見を組み合わせて、自己分析ないし性格診断が出きる!とされている自己診断ツールです。
「エマジェネティックス」では、人の特性や気質、そして各種能力は、 生まれもった遺伝的要素と成長していく過程での人生経験により形成されている と考え、これを脳科学の理論と40万人以上の被験体で統計分析して、その傾向を示すものです。
「エマジェネティックス」は4つの思考特性と3つの行動特性を表すエマジェネティックスプロファイルを通じて人を理解していきます。
このプロファイルを活用することで、個人や組織のコミュニケーション能力を飛躍的に向上し、自己理解、組織理解へと深めていきます。
-Quote-
エマジェネティクスは、脳科学にもとづいた思考と行動の分析技術(プロファイリング)のひとつであり、emerge(発生する)とgenetics(遺伝子)を組み合わせた造語です。
アメリカの教育学者ゲイルブラウニング博士によって開発されたこのプログラムは、マイクロソフト、ヒルトンホテル、アメリカン航空、モルソンビールなど様々なグローバル企業が人材マネジメントやチームビルディングなどに採用している他、子どもや教職員を対象とした教育現場でも取り入れられています。
皆さんは、「右脳型人間」とか「左脳型人間」という言葉を聞かれた事がありますよね。この言葉は、1970年代の後半から脳科学の分野で研究されてきた「分割脳」という考え方から生まれたものです。
「右脳」は直感的で「左脳」は論理的といわれています。エマジェネティクスではさらに踏み込んで、脳を「抽象脳」と「具象脳」に分割して考えて、人間の思考・行動タイプを「分析型」「コンセプト型」「社交型」そして「構造型」の4つのパターンに分類し、自分自身がどのタイプなのかを知るツールです。
現在では、「エマジェネティックス・インターナショナル・ジャパン」が診断サービスを提供しています。
-Unquote-
個々人が診断を受けるのも良いかもしれませんが、組織側が「社員教育」と「社員脳力のポートフォリオ把握」する目的に、社費で斯かる診断サービスを受ける機会を作ることも面白いかもしれません。
個々の社員が、「人」はなぜ違うのかを理解することができれば、コミュニケーションはより円滑になり、円滑なコミュニケーションの風土がある組織は、全体の生産性を向上させることができます。
また、
・自分自身の強みと可能性を知る
・自分自身と他者の特長とその違いを理解する
・効果的なコミュニケーションの方法を知る
・働くスタイル、得意分野を理解し、それを最大限組織で生かす方法を知る
・同僚、上司や部下など、仕事場での関係性をうまく構築する方法を知る
・生産性の高いチームビルディングの方法を知る
事ができるキッカケになれば、社員力は向上してゆくことが期待できます。
マインドフルネス法や只管打坐で『自分を振り返る時間』も大切にしながら、科学に頼る「他覚的自己認知」!も必要かもしれません。
9. ワクワク『面白時間』と空間の「場」つくり!
ワークスタイルが多様化し、在宅テレワーク、ノマドワーク、サテライトワーク等、オフィスを始めとする「職場」に出社しなくても仕事をするスタイルが広がりつつあります。
然し乍ら、こうしたワークスタイル導入にあたり、必ず議論になるのは「労務管理」や「人事管理」の問題です。
「仕事しているのかサボっているのか管理出来ない!」「残業時間の考え方はどうするのか!」とか「上長とのコミュニケーションが出来ない!」...etc
社員一人ひとりの能力や潜在力を最大化させて、それぞれの企業が担う社会的ミッションを果たしてゆく事が、全ての企業に共通した課題です。
「管理」する事が目的ではありません。
性悪説にたって社員を信用しないマネジメントスタイルと、性善説に依拠し、社員を信用し信頼するマネジメントスタイル!どちらがクリエイティブでしょうか?
私は、社員力の原動力は、仕事をワクワク感を感じられる「喜働」や「幸楽働(ハッピーワーキング)に「面白時間」変換できるがどうかにあると思います。
「働き甲斐」や「働く喜び」を感じながら楽しく面白さを感じて働く事です。
組織社会において「仕事」は厳格であり、誰しもが時として辛く苦しい経験をしていると思います。
しかし、「働く」という事は、本来、社員一人ひとりが"遣り甲斐"を感じ、"楽しい気持ち"、"喜び"や"満足感"、要は面白くなければ、仕事は「苦役」となってしまいます。
苦役からは創造的な発想はでてきませんし不幸です。
社員にとって、「働く事」が苦役ではなくワクワク感を感じ、楽しく喜びを感じられる「面白時間」となれば、働く場所に関係なく、一人ひとりの潜在能力たる「個力」が高まり組織のイノベーション力が劇的に向上します。
仕事が面白ければ「サボル」事など考えなくなるでしょう。
私は、組織に於いて社員力を高める秘訣には二つのポイントがあると思います。
まず第一に、社員一人ひとりの潜在力を顕現化させる「場」のパワーを再認識する事です。
社員が自発的に、且つ喜んで働ける「場」、働く喜びが自分自身の感動を呼び起こす「場」、その感動が幸福感をもたらす「場」の力が社員の潜在を引き出します。
二つ目のポイントは、同じ組織で働く全ての人達が、相互信頼と尊敬の念を忘れず「同志」意識を感じられる「風土」を創りだす事です。
私達は、人生の多くの時間を「仕事」に費やし生活しています。
暮らし場として過ごす仕事場においても、社員一人ひとりが喜びや幸福感を感じられ、豊かで面白い時間・空間を楽しめる「場」を創りだす事が、多様なワークスタイルを意味のあるものにして、組織の価値創造活動を支えてゆくと思います。
『面白時間』は人生時間にとって大切な時間です。
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