進化系「コミュニティ・オフィス」を考えてみるシリーズ その3人間の本質は「遊戯人」⁉︎ との仮説
オランダの歴史学者ヨハン・ホイジンガは、人間を「ホモ・ルーデンス」(遊ぶ人、遊戯人)と呼びました。
現代人はホモ・サピエンス(英知人)であると同時に、ホモ・ルーデンス(遊戯人)であり、また、ホモ・ファーベル(工作人)でもあり、そしてホモ・シンボリクス(象徴人)と言われます。
ホイジンガは、人間にとって「遊び」(ルードゥス)こそが、他の動物と人間とを分かつものであり、政治、法律、宗教、学問、スポーツなど、人間の文化はすべて「遊びの精神」から生まれた、あるいは、あらゆる人間文化は「遊び」のなかにおいて、「遊び」として発生し、展開してきたものであると主張しています。
『「遊び」は「文化」よりも古い。「ホモ・ファーベル」(作る人)よりも「ホモ・ルーデンス」(遊ぶ人)が先にある。』
というのがホイジンガ哲学の大前提であり、
「文化」ついても、そこに遊びの要素を発見できさえすれば、「文化とは何か」ということを解きほぐすことができます。
私は、「仕事」も「文化」的なものと解釈しており、「仕事=働く」に於ける「遊びの要素」を見つめてみると「仕事とは何か」、また「働く意味とは」といった仕事の本質が見えてくるように思います。
ホイジンガ曰く、『人間は、すべからく「遊者」である。』と。
人間は誰もが、子どもの頃からその原型的な経験を持っておりし、エンタテインメントが生活の潤いとなっている現実を見るに、人間には「遊び」が必要なのです!
仕事を「遊び」ととらえることは不謹慎と言われるかもしれません。でも、時間を忘れるほど没頭しても、「疲れ」ではなく「心地良さ」や「満足感」を感じるかもしれません。
現代社会において「仕事」は厳格で神聖なもので、「遊び」とは正反対の概念ですが、ホイジンガーの哲学が示唆するごとく、働く人々の意識に「遊び」心を宿らせる「場」を「オフィス」と再定義すれば、オフィスは働く人一人ひとりの「やる気」や「集中力」が高め、幸福意識(わくわく)を誘発させてゆく「場」になるのでは!
と言う視点もあって良いのではないでしょうか。
-続く-
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