体系的「場」つくり理論シリーズ その49ホスピタリティ&ワクワク組織プロデュース〈2〉『ホスピタリティ』と『サービス』の「追求要素」の違いを知ろう!
皆さんは、この違いをご存知ですか?
一般的なイメージは、ホスピタリティは「おもてなし」、サービスは「役務提供」的なものではないでしょうか。
『ホスピタリティ・マネジメント学原論(服部勝人教授)』からの引用させていただきます。
-Quote -
【サービスの追求要素】
・サービスはすみやか行う『迅速性』
・サービスという仕事の出来高と労力の比率を求める『効率性』
・無駄を省き能率的に目標が達成されるようにする『合理性』
・サービスそのもの自体の仕事としての働きを求める『機能性』
・確かに間違いなくサービスを行う『確実性』
・サービスの内容と料金が明らかで確実である『明確性』
・サービスがあくまで客の個人特有なものに向けられている『個人性』
・客にとって便利で都合の良い『利便性』
・状況に応じて素早く行動できる『機動性』
・サービスの機能的価値を判断し、それに見合った等しい価値(等価価値)として金額に表す『価格性』
そして、
【ホスピタリティの追求要素】は
・互いに影響し合う『相互性』
・実際の目的に役立ち効力のあるようにする『有効性』
・精神上の事を重んじ類『精神性』
・期待されることが実現される条件が、それを妨げる条件よりも優性であると確認されているような『可能性』
・ホスピタリティの場で、絶えず予知できないような意外な新しいものを生み飛躍してゆく『創造性』
・私的な形態でなく、社会的・共同的な形態を重んずる『社会性』
・文化の向上や発展をさせ文化価値の実現を図る『文化性』
・人間の心を楽しませ、慰め楽しむ『娯楽性』
・ホスピタリティ共創の場で、一定の材料・条件・技巧・様式などの美的創作・表現す『芸術性』
・動物的・機械的に対して、人の行為・感情の人間らしい思いやりのある『人間性』
-Unquote-
この学びを私なりに解釈すると、
「サービス」はビジネスドリブン!
つまり「仕事思考」の中での、金銭対価期待を前提とした「役務提供」。
そして
「ホスピタリティ」はヒューマン・ウェルビーングドリブン!
つまり、「人間思考」や「社会思考」の中での、金銭対価期待を前提としない、利他精神を前提とした「幸福価値の相互提供」。
「ホスピタリティ」と「サービス」は異なる並列的なものではなく、「ホスピタリティ」の概念に「サービス」が内包されています。
組織開発や社会「場」つくりに携わる方々にとっては、『ホスピタリティ』の本義とその価値を認識しておく事が大切です。
-続く-
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?