音楽活動について考える
去年暮れの僕はというと、「景色と情景」が終わった瞬間からパラレルワールドの
自分と交差して入れ替わってしまったのではないか、と本気で考えていました。
周りの人にもそんなあほみたいな話をずっとしていたんですが、決してふざけているわけではなく、日に日に自分とはどういう人物だったのかもわからなくなっていました。
日々をどう過ごしていたかというと、とにかく仕事に明け暮れ、1日に3日分の仕事をしたり、帰ってくれば今度は音源制作をはじめたり。
年末が近づくと、友人とキャッチボールやサッカーをしたり、唐突に一泊二日で山中湖に行ったり。帰ったらまた音源制作、仕事….
無自覚ではありましたが、とにかく思考をしないように、常に動きっぱなしの日々でした。
思考したくない理由が明確にありました。
身体も心も限界がきていたようで、年末には高熱で寝込みました。
そんな中、ある一本のメールが届きます。
景色と情景最終章の会場である吉祥寺STAR PINE'S CAFEさんからの熱烈な出演オファーでした。
しかし、僕はお世話になってきたライブハウスの人にも、自分の本当にやりたい音楽の方向性が見えないので、しばらくブッキングライブの出演はしませんと断言してきました。
もちろん、STAR PINE'S CAFEさんにも同様にお伝えしていました。
僕の中で、毎月当たり前のようにライブハウスで歌うことを繰り返していく、と言う行為が、とても罪深く感じていました。
出演されている方々云々ということでは全くなく、自身の気持ちの問題です。
ですが、その熱烈なオファーに少し気持ちが揺らいでしまい、7日間の検討の猶予をいただきました。
お誘いいただいた時点では、まだ僕はライブがしたいと思えるほどの精神状態でなく、本当に迷いました。
僕はまだ歌いたくない。今歌っても、自分にとってもお客さんにとっても良くない日になってしまう。
それでも自分の直感というか、、自分自身が一番信頼している心の奥底の自分は強く訴えかけてきました。
「ライブに出るべき」
なぜ出るべきなのか、根拠は全くありませんでした。
でも、それが真実だということは感じていました。
しかし、とにかくこれまで歩んできたことの繰り返しみたいになってしまうことや、信念がない状態でライブをすることは絶対にダメだと思っていたので、これはゆっくり自分と向き合って話してみるしかないと思いました。
その後熱はなくてもなんとなくの身体の不調が続き、普段田舎に帰りたいと思わない自分でしたが一週間強の帰省をして、ゆっくりと日々を過ごすことにしました。
矛盾しますが、実家に帰るや否や体調が万全ではないのに自然と吸い寄せられるように実家のグランドピアノの部屋に行きました。
一ヶ月弱触っていなかった鍵盤はとにかく重かったのですが、少しづつ感覚が戻っていき、やっとピアノからこちらに音が返ってくるようになった時にふと、思考が巡りました。
「この帰省の一週間の間に、聴いてもらいたいと思えるような本気の曲が作れたら、ライブに出よう。」
しかし全身ボロボロだった僕は、そもそも咳がでてほとんど歌えない。そうでなくとも心が昂ってきたと思えば今度はどん底まで落ちたり、収拾がつかない状態が続いていました。
一ヶ月間ノンストップで動き続けてきたので、とても苦しく最も苦手な選択でしたが、敢えて何もしない、ということに努めました。
それでも、どうしても我慢ならず楽器を触る。
いてもたってもいられずカメラをもって外にでかける。これの繰り返しです。
数年前までは、地元を歩けば同級生にばったり、ということもありましたが、この歳になると周りはみんな結婚していてそれぞれの家族で過ごしています。
街で出会うのは、子連れの家族。もしくは、記憶の中の同級生と同じくらいの歳の学生達。
孤独。
苦しくて苦しくてたまりませんでした。
しかしその苦しみの感情を抱くということが、「僕自身のことを知る」という意味での非常に有意義な機会でもありました。
東京に帰る前日。
自身最高傑作の曲が生まれました。
今回のライブに出演したい動機は十分でした。
それでもこれまでと同じではいけないと感じていた僕は、ライブ当日までの毎日に、とある決め事を作りました。
やりたくないことはやらない。やりたいことだけをやる。
毎度集客が頭をよぎり、
”集客に繋げるようなことをしなければいけない”
”SNSで発信しなければいけない”
思いきってこれをやめました。
想像以上のストレスを感じていたようで、これをやめた途端にどんどん曲は深まっていき、音楽への探究心で溢れていきました。
そして追加で2曲、新曲が完成しました。
ライブに出演する以上、お店や他の出演者にも迷惑がかかるし、必死で、全力で、宣伝しなければいけません。
これは出演する上での義務だと感じています。
しかし、今僕はその義務がとにかく重荷で、それだけが理由で歌いたくなくなるほどだったりしています。(理由は自分の中で明確です)
僕がやりたいことは音楽を作ること、深めること、演奏することです。
そこが少しでも濁ってしまうようなことは、もうできません。
極めてわがままですが、変え難い本心です。
なので、無責任な気持ちでブッキングライブに出演できないと考えました。
しかし、音楽を作ること、演奏することは、好きで、とにかく好きで、それすら超えて僕の生活の一部です。
人間の基本的な営みの中で段階を作るとしたら、最も上位なクラスに音楽があります。
ライブのために、日々を過ごしています。
ライブに来てくれた人を絶対に裏切らない、本気の演奏をしています。
時代に逆行していますが、僕はとにかく音楽だけ突き詰めるつもりです。
魅せ方や、音楽を知ってもらう工夫、そしてそのためにコミュニケーションは、音楽には邪魔です。
そのかわり、絶対に嘘のない、純度100%の音楽をやる覚悟があります
。
聴いてくれる人、応援してくれる人に対して人間性や優しさではお返しできないかもしれません。期待もしないで欲しいです。
ただ、絶対に音楽で全てお返しします。
それでも応援したいとおもってくれる人に向けて、そして、誰よりも自分の音楽を愛している自分に向けて、嘘のない全力の音楽をやっていきます。
次回のライブは2025年2月4日(火)。それ以降のライブは現状未定です。
ぜひ遊びに来てください。
2月4日(火)吉祥寺STAR PINE'S CAFE
[新しい世界]
飛遥 / Nakayama Daishi / ナルセユウキ
開場18:45 / 開演 19:15(来店順入場・全自由)
前売¥3000+1drink / 当日¥3300+1drink
ご予約→https://t.co/VYRLHoho7i もしくは各SNSのDMにて