見出し画像

2023年に向けて②

・カメラを持って熱海へ、そしてカメラを売る


Kさんのプレゼンを聞いてカメラを購入した僕は、その日の夜からカメラを握って街や自然に繰り出しました。

ケータイのカメラとは全く勝手が違うので、毎度撮るたび頭の中ははてなでいっぱいになりました。

古本屋さんでカメラの使い方を勉強したり、youtubeを見漁ったり、しばらくの間、頭の中はずっとカメラや写真のことでいっぱいでした。




「遊ぶ」



という単語について考えることが年に何度もあります。

学生時代365日部活漬けだった僕にとって、いまいち遊ぶということがどう言うことかわかりませんでした。

唯一大学時代は友達としましたがご飯を食べにいったり、カラオケに行ったりすることはありましたが、どれも「遊ぶ」という行為とは少し違う気がしていました。




上京してからもいろんな人に


「休日は何をしているの?」



と度々聞かれましたが、基本的に僕はそもそも休日を作ることがありません。


仕事が早く終わることはたくさんありますが、そうするとギターを弾いたり、曲を作ったり。

外に出かけても、それは全て曲の種を探す旅という”目的”になりました。
つまり、どこまでいっても自分の中でそれは「遊び」というカテゴリにはならないのです。


しかし、曲作りやライブ活動が仕事になっていたかというと全くそうではなかったです。

仕事でも、遊びでもない時間です。


しばらくの間は、自分を求める人がいないライブハウスで新曲を披露する日々でした。

楽器を弾いている時間、曲を作っている時間は、仕事か遊びかどちらかと言う話になると、第三者目線ではそれは遊びなのかもしれません。


しかし、ぼくはそういった行為を遊びと思っていなかったし、かといって仕事とも思っていたことがないです。

強いて言うならば、ご飯を食べる。寝る。歯を磨く。

そんなのとおんなじでした。


いや、。


音楽活動には集客というものが絡んでくるので、それらよりはもう少し身体から遠い部分にあったかもしれません。





昔、絵を習っていました。

漫画家になりたいなとぼんやり思いながら毎日ノートや机に絵を描いていましたが、それは楽しい時間でもありながら、漫画家になりたいかもしれない自分に対して、遠回しに準備をさせていたような感覚でした。

漫画本を買うのも、遊び、というより自分が書く参考に、という名目が大半を占めていました。

確定申告のソフトで家賃をどのくらい経費にするか、という割合を書く項目がありますが、まさにいろんなことに対して経費計上的なことを考えていたように思います。(そんな大層なことではありませんが笑)


つまり人生において、100%の遊び、というものをいつから実感できなくなっていました。


それは、ミュージシャンを名乗る人間としては一つ大きく欠落している部分に感じました。




ある日、そんなことを考えていたわけでもなく、むしろどこか後ろめたさを感じながら、突然休日を作り、カメラを持って一人で熱海で一泊二日の一人旅行をすることに決めました。(上の写真、当時のぼくが撮ったものです。いや、本当に酷い…)






帰宅の電車。
夕陽をみては撮った写真を見返すことを繰り返しました。




それは、間違いなく遊びの時間でした。



・本格的なカメラ、買っちゃう



僕の曲で

”別に本格的なカメラ持ってるわけじゃない”

という歌詞から始まる曲があります。
まさか数ヶ月後にそれが嘘になるとは…


カメラにのめり込んだ僕は、これはもっとちゃんとやりたい!!ということで、買ったばかりのカメラをメルカリで売って、本格的なカメラを中古で買いました。
これを仕事にしたい、という気持ちが芽生えたからです。

本格的なカメラを買ってからも、仕事が終わる度にカメラを持って東京中を回りました。

ただの遊びの時間から少しづつ”仕事をするため”という目的が尾びれにくっついてくるようになりました。

音楽活動とは全く直結しない(と思っていた)時間とわかりつつ、衝動が抑えられず、とにかくのめり込みました。


カメラを持ち始めて1、2ヶ月過ぎた頃だったでしょうか。


僕は音楽教室で講師として働いてるのですが、生徒さんの発表会の日が僕のカメラマンデビュー戦でした。

校長に「今日僕を雇ってくれませんか!?笑』と直談判したのですが、

今思えば本当に恐ろしい、、、、、



それからは知り合いのミュージシャンにご協力頂いて撮影の練習をさせて頂いたり、映像カメラマンの知り合いができて映像カメラマンとしても時々働かせてもらったりしました。


そしてホームページも作成し、少しずつ仕事の依頼がくるようになりました。







そのうち、僕の中で大きな葛藤が生まれはじめました。







音楽との両立、共存についてです。





次回に続く

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?