真が写る
仕事を一つ辞めてから、休日ができた。
休日ができてすぐ、カメラが入院。
休日である今日は自身も体調不良気味なので家で過ごすことになったが、
これまで何もしない休日というものへの大変な嫌悪感を抱いていた。
今日一日に何か一つでも価値を見出さないと。
そんな葛藤の毎日だった。
いや、それは今でも同じかもしれない。
日が落ち始める頃、いつも不安に駆られる。
今日一日に何か一つでも価値を見出せただろうか。
そんなふうに考えるようになったのはおそらく5年前の上京の時である。
一刻も早く音楽で成功しなければならない。
シンガーソングライターは、ビジュアルや若さも大切だ。今はそれが武器になる。頑張りなさい。
ライブハウスオーナーや先輩たちの言葉。
愛がなかったわけではないのだろうが、今思えばそれは自分にとってはある種の呪いの言葉だったように思う。
焦る気持ちが自身の才能を疑い、音楽以外の仕事をしている時間の自分は無価値であると錯覚させた。
音楽が楽しくない。
いや、楽しいだけではダメだ。
本当の楽しさを知るためには、踏ん張る時も必要だ。
苦しい。
頑張れ。やりぬけ。
何のために?
大勢の人に聴いてもらうため?
売れて有名になるため?
いや、違う。
じゃあ、誰も聴いてくれなくても好きなことだけしていたらいいのか。
それも、違う。
そんなことを考えている時は、全ての景色が、自らの孤独感を演出していた。
そこに浸ることで、どこか救われることもあった。
希望を否定することで、自身の存在を守ろうとした。
しかし、そうなるたびに不思議と出会うのである。
出会う、
というのは、様々。
逃げに逃げ切った先であるBook offで立ち読みした本。
Youtube動画。
時には友人の些細な言葉。
きっと正解は、
頑張るでもない。踏ん張るでもない。
頭を使うことでもない。
たった今を楽しむことなんじゃないかと。
音楽や写真自体がそれを教えてくれるという経験は、まだ少ない。
それらに、何かしら業を見出そうとしているからだろう。
自身のためが、いつか人のためになればと切に願う。
そのための音楽と写真を続けていきたい。