【報告】キノコ博士と歩く「寿庵きのこクラブ」(第12回)~初夏のキノコを探す~(5/28)
5月の終わりの新緑の大山は天気に恵まれ、新緑とたくさんの鳥のさえずりと心地よい風で気持ちの良い観察日和でした。最近雨が少なく、川床の阿弥陀川も渇水気味で森の地表も乾き気味、ということで湿気の多そうな大山寺参道から歩きました。
大きな切り株にはウラベニガサが苔の間から。この種類はシイタケの朽ちたほだ木の周りなどによく発生しますし、このような朽ちた木を好む性質があります。ウラベニガサの生態的特徴の一つです。
参道の石畳のそばには冷たい大山の水が流れています。小さなワサビが一つ生えていました。
寂静山への道にはブナの朽木がいくつか転がってるのですが、その表面には、変形菌のウツボホコリ。朱色が綺麗ですね。
傷をつけると赤い汁が滲み出る可愛らしいチシオタケの仲間も見つかりました。これもどちらかというと朽木から生えることが多いです。
別の倒木の裏側を見てみるとロクショウグサレキンによって材が青緑色に染まっています。
そのそばには傘の大きさが5ミリにも満たない小さな白いキノコの群生。種類はわかりませんがとても綺麗でした。
さて場所を木谷沢に移して、潤った沢の風を感じながらキノコを探してみました。
沢では、サワグルミ、トチ、フサザクラなどがよく育ちます。大きなトチの老木は色々な微生物が入り込んでいると思います。その傍にたくさんのタニギキョウ。
川辺の倒木にはオオワライタケの一種。
例年この時期から生えてくるきのこです。普通のオオワライタケは大きな株になり、きのこも大型ですが、この種類は小型で株になりません。新種と考えられています。
道端の朽木の周りには、アオミノアシナガタケと思われる種類も見つかりました。現場では青色がわかりませんでしたが、家で写真をじっくりみると傘が部分的に青いのがわかります。
柄の表面は白く粉をふいているように見えますがこれは胞子が堆積しています。種類が正しければ非常に貴重な発見です。
今回のきのこたちは、木材などを栄養とする腐朽菌でした。これからは樹木と共生する共生菌もたくさん見られるようになると思います。梅雨に入りましたが、潤った森はきのこや変形菌、虫に動物に楽しい季節になります。光るきのこにも出会えるかもしれません。ぜひ大山の森をいろんな目線で楽しんでください。
クラブ以外にも毎週ツアーを開催。ツアーの報告はこばガイドのインスタやFacebookなどで報告が上がっておりますので、ぜひチェックしてくださいね!
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