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今日、職場で陰翳礼讃の話題になりふと思い出したので10年前にFBに投稿したネタを掘り起こしてみました。
味噌汁椀でコーヒーを飲んでみる
身近なところでデザインの実験(2012/8/15)
■【デザイン=機能×感情】
湯呑でコーヒーを飲むと違和感を感じる。紙コップで飲むワインは美味しくない。液体を口元に運ぶ道具でも、やはり我々は機能と同時に“何か“を期待しているようです。
【デザイン=機能×感情】
実験をしてみました。
『モーニングコーヒーを汁椀でいただく』
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・実験開始
いつも使っているコーヒーカップと味噌汁椀にいれたてコーヒーを注ぐ…
やっぱり変な気分。なんだか悪い事をしているみたいだ。
・みてみる
まず気がついたのは色の違い。
そういえばコーヒーカップは相場が白。コーヒーの濃い赤茶色とコントラストで、確かに「ブラック」と言っても良いほどだ。
一方の味噌汁椀は、漆塗りの赤とコーヒーは、どちらかと言うトーンinトーン。
椀に注がれたコーヒーは、紅茶のように見える。コーヒーは意外や澄んでいる。
コーヒーの色は黒っぽいと思い込んでいた事にあらためて気づく。
コーヒーは全然黒くない!
・飲んでみる
味噌汁腕を掌で包む。
椀の軽さとコーヒーの重さ、ほのかに伝わる温もりは、何かの汁をいただく時と同じ感覚。。
心なしかコーヒーの口当たりが柔らかに感じるのはなぜだろう?
これでは目覚めのコーヒーになならない。
・結論
味噌汁椀でコーヒーを飲んだら、美味しくないだろう。と思ったのですが、やってみるとそうでもない。
コーヒーはコーヒーだ。
ただし、やはり感覚的には違う。
明らかに目覚めのモーニングコーヒーではなくなる。濃いめにいれたコーヒーが、なぜかまろやかに感じる。
そして、色については発見。
漆塗りの赤は、ひょっとすると食材の色を良く見せるための知恵なのかもしれない。そういえば、谷崎潤一郎氏の陰翳礼讃(いんえいらいさん)で漆器と闇について考察していたのを思い出す。
白い西洋の陶器は、料理の色を引き立てるものだと思うが、漆器の沈んだ赤も、醤油や味噌といった澱んだ色を美味しそうな色に引き立てる。
ちょっと良い漆器が欲しくなってしまいました。
しかし、我々の食や環境(キッチンはLEDや蛍光灯ですっかり明るい!)は随分と変わりました。汁椀も変わる?!
とはいえプラスチック椀は嫌だなぁ。
追伸
このネタは2012年のものなので10年以上経過してるが、このコーヒーカップは今でも毎朝使っている
ドイツに住んでいた2000年頃から使っているのでもうすぐ25年‼︎ほぼ毎朝使っている。。愛着の品物ですね
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