大学軟式野球出身のプロ野球選手   ~相原雅也さん~≪前編≫

こんにちは、「大学軟式野球という選択肢」の著者の田村です。

私が大学軟式野球をやっていたのは25年前。その当時と比べると大学軟式野球の露出はかなり高まっています。しかし言葉で表すことがなかなか難しいのですが、硬式野球と軟式野球の格差というか、人の見方というものはあまり変わっていないように感じます。どうしても軟式野球というとレベルが低いと見られてしまいます。近年高校野球のトッププレイヤーが大学軟式野球を選択してくれるようになりました。私はこの動きはある程度、大学軟式野球が市民権を得つつあるのかなと思っています。

このタイミングで、ここまで大学軟式野球の歴史を築き、次世代へ襷を繋いできた関係者の皆様を一人でも多く伝えていくことが出来ればなと思い、WEBマガジンを書くことにしました。

一人でも多くの方に、この記事をお読みいただき、「大学軟式野球」を選択する一助となれれば幸いです。

さて前置きが長くなりましたが、記念すべき第一弾にご紹介させていただきたいOBは、大学軟式野球のレジェンドといっても過言ではない相原雅也さんです。

相原さんは、クーニンTVを始めとするYouTubeやネット記事などで目にすることも多く、すでにご存知の方もいらっしゃると思いますが、かつては高知ファイティングドッグスで最多勝を上げたこともある元プロ野球選手です。

現在は、肩や腰など関節部のバランスや動作改善を目的とした健康器具を開発、販売する会社であるホグレル株式会社の取締役専務で同時に硬式野球部の監督として将来的には都市対抗野球出場を目指し活動しています。

ホグレル

前編では、相原さんの略歴を簡単にご紹介したいと思います。茨城県取手市に生まれた相原雅也さんは、小学三年生で野球を始め、元々は投手志望でしたが、身長が足りなかったこともあり、中学・高校では主に内野手としてプレーしていました。入部した藤代高校硬式野球部は、文武両道の学校で、今でこそ甲子園に出場する強豪校ですが当時の最高成績は県ベスト8だったそうです。しかし、高校二年の冬に転機が訪れます。竜ヶ崎一高で長年指揮を執っていた持丸修一監督が就任したのです。後に、藤代、常総学院、専大松戸を甲子園に導いた名将です。
二年の春までは、内野手としてスタメン出場していた相原さんでしたが、三年時に、監督を慕って入部してきた有能な一年生の入部により、ポジション争いが激化、徐々に出場機会が減り、当時バッティングピッチャーをしていた経緯から、ピッチャーに名乗りを上げます。
当時、「球速はなかったけど、コントロールには自信のあった」相原さん。監督の後押しもあり、試行錯誤しながら投げる意欲を高めていきました。
しかし現実は厳しく、春はエース番号を付けるものの、球速は、MAX125キロ止まり。変化球で交わすピッチングにも限界があり、最後の夏は、背番号11番で、3回戦敗退で終えます。
高三の夏休みも終わり、進路を決める段階で、相原さんは、中央学院大学に進学し、硬式野球から軟式野球への転向を決めます。

「野球は続けたいと思っている反面、あのきつい練習を四年間やる覚悟がなかった。自己評価の中で、自分は大学で硬式をやる器ではない、野球は続けたいので軟式野球を選択した。」

大学では、投手として活動を始めたが、どこかで気持ちが切れていました。練習もそこそこに試合に出るといった悪循環で肩を壊してしまいます。
野球の不調はそのまま生活面にも影響し、のらりくらりと過ごしていた大学生活になりかけていたとき、同学年のチームメイトとの会話が事態を一変させます。
このチームメイトもまた全く同じ境遇でした。
「このままの状態で大学生活を続けるのか?何かひとつ形を残して、硬式に負けないくらいの結果を出そう。」
その言葉に奮起した相原さんは、それまで週2回しか行っていなかった全体練習に加えて、二人で自主練を始めます。さらに高校時代の持丸監督の教え子でつながりのあった方が経営するジムに通い、初めてウェイトトレーニングを取り入れます。
そのウェイトトレーニングの成果が表れ始め、球速も130キロ台後半にまで伸びるなど効果が明確に表れ始めました。
 
「もっとうまくなりたい」

再び、忘れかけていた野球への情熱を取り戻した相原さん。得意の制球力に磨きがかかり着実に結果を残していきます。
その熱意が他のチームメイトにも相乗効果を生み、二年生・三年生の時に、東日本大会を連覇。相原さんもエースとして、50イニング無失点記録を達成するなどチームとしても全国に名を轟かせます。

相原さん_大学時代

そういった活躍が認められ、相原さんは大学軟式野球日本代表にも選出されます。後編は、日本代表として聖地アメリカの地を踏んだご経験を語っていただきました。次回もお楽しみに!!後編へ続く。

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