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大学軟式野球~ボクらのパッション~#1植田信照(慶應義塾大学)≪前編≫

大学で野球をやる選択肢って意外と視野が狭くなっていると思います。高校野球をやっていた選手は、硬式や準硬式でスポーツ推薦での進学ができない選手は大半が高校野球で野球人生を終えてしまいます。しかし不思議と野球をやってきた選手は草野球などでまた野球に戻ってくる率が高いのです。

先日大学軟式野球日本代表に選出された選手のコメントを読んでいて印象に残った記事がありました。その選手は、軟式野球で日本代表を狙うという明確なビジョンを持ち、大学では硬式野球を選択せず、軟式野球を選択しました。もちろん誰もが日本代表選手になれるわけではありませんが、大学軟式野球を選択する一つの考え方を明示してくれたと思います。

前置きが長くなってしまいましたが、なぜ大学で軟式野球を選択したのか?大学軟式野球の先輩OBたちの思いを一人でも多くの方々へお伝えすることが出来ればと思い、連載に踏み切りました。

題して、「大学軟式野球~ボクらのパッション~」。第一弾は、慶應義塾大学OBで日本代表経験もある植田信照さんにお話をうかがいました。

慶應

植田信照さんは、慶應義塾大学時代は投手として名を馳せたプレイヤーでした。「慶應の植田」ときいてピンと来る軟式野球プレイヤーも多いのではないでしょうか。あの人気You Tubeチャンネル「トクサンTV」でも特集された選手です。前編では植田さんの球歴や軟式野球を選択して良かった点、野球人生において影響を受けた出来事などを語っていただきます。


∥野球を始めたのは、本場アメリカで∥

植田さんは、4歳の頃、アメリカ・ニュージャージー州に住んでいたころ野球を始めました。帰国後も地元の少年野球チーム、中学校で野球を続け、高校では慶應義塾志木高等学校の軟式野球部に入部しました。慶應義塾大学では體育會軟式野球部に入部し、3、4年時には大学軟式野球日本代表に選出されました。
現在も慶應OB他、六大学の選手を中心に構成されている軟式野球クラブチームChuyans+に所属しており、都大会、天皇杯出場を目指して活動中です。

「付属高校で軟式野球部に入っていたこともあり、大学で硬式に転向する選択肢はありませんでしたね。準硬式と軟式で悩みましたが、軟式野球部で投手が不足していたこと、少数精鋭で部員間の仲が良さそうな雰囲気に魅かれ体験初日に入部を決意しました。」

∥軟式を選択して良かった点は?∥

「大人の指導者が不在で学生主体だったため、部活でありながら運営や勧誘活動、練習メニュー、試合組みなど全てを選手自身で考えて行動に移す必要がありました。結果、自然と考える力がつき、社会人になっても大学時代の経験やスキルが大きく役立っていると感じますね。
また、慶應大学では準硬式に比べ部員数が少なく、1年生の頃から試合での出番を多く与えて貰えました。そのおかげで投手としての経験値をたくさん積むことができ、4年間で選手として大きく成長できました。
六大学の有志チームによる台湾遠征や、日本代表の選考会、グアムでの活動など他大学との活発な交流を通して全国各地に友人ができたことなど軟式野球部を選んで良かったと感じています。」

∥野球人生で影響を受けた人物や出来事はありますか∥

「幼少期アメリカに住んでいた頃、野球以外にもバスケやテニス、サッカーなど色々なスポーツをしていましたが、休みの日の父親との練習は野球ばかり。今思えば、休日によく訪れたヤンキーススタジアムで松井秀喜選手やイチロー選手の活躍を現地で見て、幼いながらも日本人が世界で戦えるスポーツとして野球を認識していたことが大きかったように思います。
現在では野球YouTuberにも影響を受けています。大学4年時にトクサンTVで特集を組んでいただいたことをきっかけに存在を認知しましたが、プロ野球以外でも野球人気に大きな影響を与えられる職業、手段があることを知り、衝撃を受けました。現在は野球YouTuberと同じ舞台で戦えることが週末の草野球のモチベーションの1つになっています。」

私が植田さんと出会ったのは連盟主催の立食パーティーでのことです。端正な顔立ちとルックス、まさに慶應ボーイという名にふさわしい好青年でした。やや細身な体系から繰り出すストレートは140キロを超し、今後天皇杯で見られることを期待します。後編では、大学軟式野球の可能性や果たすべき役割、今後の展望などを語っていただきます。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。次回の記事もぜひ期待してください。


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