「産業医が見る過労自殺企業の内側」を読んで
産業医の大室正志先生の存在は、Newspicsユーザーの中にはご存知の方もいらっしゃるかと思います。私もNewspicsで大室先生のコメントを読んだり、動画配信を見たりして、大室先生の存在を知り、なんて面白くキレのある、けれど優しいコメント、且つ知識量がハンパない方なんだろう!とすっかりファンになったのですが、今回はそんな大室先生ご著書を読んでみて、知れてよかったと思うところをまとめてみました。
・長時間労働による睡眠不足が長期間続くと、脳は判断能力を低下させる。
・産業医とは内科や精神科などとは違った独立した職業。
・産業医として大室先生が大事にしているのは「社会の相場感覚」。
・世の中というのは多かれ少なかれ理不尽な部分を内包しているので、ある程度の理不尽には慣れていたほうが社会生活を送りやすい。(※社会や会社がその理不尽さに居直ってしまうことは問題)
・人間関係の「近さ」は、関係性が壊れないというよく言えば安心感、悪く言えば甘えから行われている態度
・過労自殺を防ぐには、ハード面での仕組みが有名無実化しないための 運用こそが重要。
・予防医学は「言うは易し、行うは地味」な分野であり、大事なのは継続的な運用。
・脳も使いすぎると壊れる。
・反射的に「大丈夫です」と答える人は危ない。
・キツイ時にしっかりとそれを伝えることが出来るということは自らをメンタル不調に追い込まないために重要なスキル
・理性の部分に無理やり感情まで一致させる必要はない。 「少し面倒だけど、しょうがない、やる。」でいい。
・感情を抑えることではなく、感情の存在を肯定し、その表出の仕方を コントロールすることが心身の健康を保つ上で重要。
・うつ病は「人間が活動するエネルギーの充電が切れた状態」
・謙虚でその実非常に頑固なタイプが心に葛藤を抱きやすい。
・「自己愛傾向が強く、しかも頑固な人」はどこかでそのブロックを 外さないと心の大ケガに繋がる可能性があるので要注意。
・人とのコミュニケーションはそもそもすごく精神的コストのかかる疲れること。
・万人にとって理想的な職場というものはあり得ない。
・「バランス」を考える上で万人に共通する条件というのは、人間も動物だということ。
などなど、知っておくと社会生活が楽になる知識が満載でした。
大室先生とリンクアンドモチベーションの麻野耕司さんが対談されている、「職場の治療室」というVoicyチャンネルが私は好きなのですが、そのチャンネルが好きな理由の一つが、「白黒つけないスタンス」だから、ということです。
(以前の私のnoteにも書いていたのですが、このご著書でも、大室先生が「白か黒か」「敵か味方か」で物事を単純化して見ることは好みじゃない。と書いていらして、私が好きな理由は的を得ていたぞ!!と嬉しくなったという余談です。笑)
以前は私もこの本に出てくる「理不尽に慣れていない若者」であり、「ありのままでいること」が大事だと思っていた若者の一人でした。けど、年をとるにつれてか、育児というものがあまりにも理不尽の連続だからかw、「ここで折れないでも自身が損するだけだから、ここは流そう。」という力が昔よりも格段に身についてきました。そのほうが、生きていく上で断然楽なんだよなぁ。なんであんなに尖ろうとしていたんだろう、過去の自分を思い出すと恥ずかしくて穴に潜りたい。。。これが年を重ねていくということかなぁ。そう考えると、年を重ねていくことは悪いことでもないかもなぁとしみじみな32歳な今日この頃です。
長文お読み頂き、ありがとうございました(^^)
先生のこのご著書の内容が、Voicy「職場の治療室」でも聞けるので、メンタルヘルス、人事・労務関係にご興味がある方にはこのチャンネルは本当にオススメです!
知識の宝庫であると同時に、お二人のやりとりがすっごく面白いので、毎週火曜日の配信は私の楽しみの一つです!!私はVoicyラバーであると同時に、活字ラバーでもあるので、ご著書を併せて読めて理解がより深まりました。
知ると心が軽くなるTips満載なこのチャンネル、ご著書と併せて是非是非チェックしてみてください!