ロンドンのリトル・ベトナム
新型コロナウイルスの影響で、海外旅行に行けなくなった今、楽しみは一つ!
そう、世界の食!!!特に私はアジア料理を欲する日々です。元々外食をするときはアジアンに行きがちでしたが、ここに来てその欲に拍車がかかりました。笑
ロンドンはエリアによって各国の料理屋さんが集まる場所が分かれています。例えば、和食屋さんは西側に多いとか、パディントン付近は中東系のレストランが多いとか。
・歩くだけで雰囲気一変なイーストエンド
今回ご紹介するのはベトナミンの激戦区、ホクストン!
古着屋さんやアーティステックなエリアで知られるショーディッチから1駅北上したところです。
リバプールストリート駅からオールドスピタルフィールズマーケットにかけては、ポッシュでオシャンな雰囲気ですが、そこからブリックレーンに進んで行くとウォールアートが至るところに描かれており、ごちゃごちゃした雑多な空気感に一変。さらにホクストンに進むにつれ、ちょっと汚さが増す下町に。ベトナム料理屋さんが多いからなのか、私はノスタルジーを感じます。笑
新しいビルも多く、オシャンなオールドスピタルフィールズ付近。
お店の看板も統一されていておしゃれだわ。
ブリックレーンにやってきた。ここまで徒歩10分くらい
落書き?がびっしり壁に書かれている中、ちょっとおしゃれ臭のするカフェ。
・ベトナム人とホクストンの歴史的関係
この日はリバプールストリート駅から30分くらい歩いてホクストンに到着。Kingsland Roadは「Pho Mile」と呼ばれており、ベトナム料理屋さんが多いというのが名称からも感じ取れます。
ホクストンにベトナム料理屋さんが多い理由、すごく気になりますよね?調べてみました!
話は、1955年に始まったベトナム戦争にまで遡ります。これは、米国を盟主とする資本主義・自由主義陣営(ベトナム共和国、南ベトナム)と、ソ連を盟主とする共産主義・社会主義陣営(ベトナム民主共和国、北ベトナム)との間で、第二次世界大戦後に生じた対立、つまり冷戦を背景とした代理戦争と位置付けられています。
南ベトナムには日本や英国、西欧諸国などいわゆる自由主義を掲げる国が支え、北ベトナムの勢力には中国や当時ロシアの息がかかっていた東欧諸国が名を連ねていました。(当時の西ドイツが南側、東ドイツが北側についていたのも面白いし、スウェーデンが北陣営なのも私個人としては異色)
戦争が起こる前はベトナムはフランスの植民地だったり一時的に日本の支配下にあったりと覇権国に運命を左右されていました。第二次世界大戦後を機に、ホー・チ・ミンが独立を宣言。ハノイを首都とするベトナム民主共和国(北ベトナム)を樹立し、共産主義国家建設を目指します。これがざっくりとしたベトナム戦争のきっかけ。
戦争は20年にわたって続きました。最終的に北ベトナムがサイゴンを接収したことで共産主義陣営による南北ベトナム統一が決定的となり、北ベトナムが勝利した格好となりました。
敗北した南ベトナム側。人々は国外に逃亡しようと試みます。その逃亡先はもちろん北陣営側の国々で、その中の一つが英国です。1990年代までに英国に到着したベトナム人は1万9,000人だったと言われています。
こうした人々は船で国外脱出を図り、「ボート・ピープル」と呼ばれました。当時の英政府は、彼らが一つの地域に住むのを認めず、ベトナム人はバラバラに孤独を感じながら暮らさなければいけませんでした。仕事も住む場所も、仲間もなく、過酷な生活を強いられていたそうです。
ロンドンの中でもハックニー(ホクストンなどを含むエリア)は当時、低所得者層が集まるエリアでした。お金もないベトナム人は、ボロボロの空き家や雨をしのげる場所で生活をしていました。
こうした中、ハックニーにベトナム人コミュニティーが設立されました。これを機に、多くのベトナム人が同団体を頼りにこの地域に集まったそうです。
また、失業率がとても高かった英国。もちろんベトナム人が職に就くことなんてできませんでした。レストランやネイルサロンといった個人店を営み、生計を立てるようになりました。
こうした歴史が今のホクストンを形成したんですね。
・一番の有名店、緑の看板が目印
わかりますかね、ベトナム料理屋さんが軒を連ねています。
ここもちょいおしゃれなベトナム料理屋さん
そんな激戦区のホクストンで、かなり定評が高いレストランがあります。それが
緑の看板がなんとも目立つSons Que Cafe
すみません発音はわかりません。ですが、美味しいベトナミンを検索すると上位に必ず入ってくるかなりの有名店です。
メニューの種類が多いし、かなり安い。そしてこうしたレストランの多くは自分たちで外部からお酒を持ち込むことができちゃうのでさらに安上がりになります!
縦になっちゃっていますね・・・。一目でわかる通り、メニューが豊富!お通しのえびせんは安定です。
タイガービールで乾杯。普通に美味しい。
絶対頼みたい生春巻き!このピーナッツが入ったソースがめちゃくちゃ美味しい。エビも大きくて立派。
パイセオ。外はパリパリの卵と小麦粉の生地で、中にはもやしと鶏肉の炒めたものが入っています。フランスのガレットみたいな感じ?
大好きな空心菜のガーリック炒め。ほんと美味。
レモングラスとナンプラーってベトナム料理に多用されていますよね。そんな調味料をふんだんに使っているであろう豚肉と野菜の炒め物。
こちらはフォーではなくスープのない麺料理、ブン。フォーのような平たい麺ではなくて春雨みたいな形状をしています。野菜がモリモリ入っていてとっても美味しい。
麺がスープで伸びることを心配しなくても良いからそれも嬉しいポイントです。
こんだけ食べて1人25ポンドくらい。英国にしてはとっても安い!間違いなく頼みすぎたのでお持ち帰りして翌日も食べました〜。
ホクストン駅はオーバーグラウンドしか通っていないので、場所によってはリバプールストリート駅からてくてく町並みを散策しながら歩くのもアリだと思います。