サザンオールスターズ/よどみ萎え、枯れて舞え 【ゲイに刺さるシティポップとは?】
サザンオールスターズです。
もう老若男女知らない人はいない、スーパーバンドですよね。
この人たちのジャンルレスなサウンドと、桑田佳祐の言葉遊びは
日本国民の8割くらいがファンなんじゃないでしょうか。(?)
当時大ヒットしてた沢田研二「勝手にしやがれ」とピンクレディ「渚のシンドバッド」をくっつけって
「勝手にシンドバッド」というふざけた楽曲でデビューしたのが1978年。
その後もふざけた「お祭り野郎集合体」だったバンドの
ターニングポイントとなったアルバムがこの「よどみ萎え、枯れて舞え」
が収録されている1984年リリースの「人気者で行こう」です。
ジャケットのビジュアルもかなり洗練されててかっこいいですよね。
ちなみにカメラマンは半沢克夫さんに、スタイリスト北村道子さん。
うなる〜〜〜〜〜〜。
このアルバムに収録されているシングル曲「ミス・ブランニュー・デイ」
に代表されるように、この頃にはサザンは、社会風刺・体制批判を
展開するバンドに成長していました。
しかもそれが桑田佳祐の言葉です。一筋縄ではいかない。
サウンドもYMOなどでマニプレーターを務めていた、藤井丈司を起用して、よりデジタルサウンドとの融合を図った、意欲作。
「ミス・ブランニュー・デイ」なんてジャパニーズテクノポップのベスト10に入るんじゃなかろうか。
LPのインサートにも直筆の歌詞が書いてあって
本人の造語とかに注釈とかが入れてあって、
ささいなことだけど、桑田さんが大衆向けにきちんとコミュケートしたいんだなーと思った記憶があります。
不思議な友情もなんの
愛情もケセラ・セラ
夏の雨に都会が笑う
Tokioの貞操は
変な情操[ じょうそう]にゆがめられ
風の中に独りきり
胸元最高に
Shyな妄想で高なれば
忘れかけた危険な目醒め
恋人・愛人は
何の抵抗もなく抱かれ
人恋しさ舞いあがる
秘密がバレそうな時
On and On and On
思いがけぬような Woo…
気まずくよどむ
Atomosphere[ア ト モ ス フ ェ ア]
涙も見せずに
You & Me I love You You to me Warnin'
chap,chap,chap woo
いつも心に 愛倫浮気症 [アイリン・ブーケ・ショウ]
Mm…逢えば深みにはまり
爪跡 妖艶に
妙な中傷の的となり
言葉数[ことばかず]は無に等しい
良からぬ噂で 夏
Eye to Eye to Eye
思い掛けぬような Woo…
黄昏色[たそがれいろ]の Atomosphere[ア ト モ ス フ ェ ア]
今さら夢のよう
You & Me I love You You to me Warnin'chap,chap,chap woo
Can't you hear me baby? woo woo I didn't mean to hurt you
Can't you hear me baby? woo woo I didn't mean
よくある感情で
体のいいような世迷言[よまいごと]
隠しきれぬ疑惑の日々よ
寄りそう緊張がチョイと
情報をさえぎれば
闇の中へ消えてゆく
You & Me I love You You to me Warnin' chap,chap,chap
80年代の歌詞って不倫モノが多いですよね。
アイドルの歌なんで半分くらい不倫だったと言っても過言ではない。
(んなことはないw)
そもそも作り手がエロ親父ばっかの業界だったんじゃ(字余)
まあそれだけ、世相を反映していたんだと思います。
ちょっとコガネもっちゃった大人が年下の女の子を食い物にする。
相手の子だってそんなの承知の上ですよーだ。
そんな世の中を桑田佳祐なりに憂いた末のこの歌詞のなのかな。
最近、不倫すると何かと謝罪させられてますが
1984年にサザンオールスターズはこんなに素敵な音楽で
それについて警告してたんですね笑
まだ子供だったのでそこら辺は時代感としては実感に欠けるんだけど、
80年代の後半にユーミンが「純愛3部作」とかつってアルバム出してて
「は?だっさ」と思った記憶があるけど
今思えば、80年代の東京って打算的な恋愛で満ち溢れてたのかもしれないですね。
サザンオールスターズって時代性をサウンドにも歌詞にも最も反映してるバンドだと思うんだけど、
このアルバムはそれが顕著です。
日本だと爆風スランプとか米米クラブとかも最初はふざけて出てきたけど
立派に伝説的なバンドになってますが、やっぱり今聴くと時代性、凄い反映してる。
海外だと、古いところだとKISSやThe Rolling Stones、80年代でもU2とかStarshipやZZ TOPでさえ、クラブ系サウンドに傾倒した時代があります。
長い目で見た時に、時代に合わせてカメレオンにように変貌自在な方が
長く愛されるのかもしれないですね。
このアルバム、「人気者でいこう」は、
シティポップという範疇ではないかもしれないけど
和とレゲエの融合「Japaneggae」とか桑田流ブルース「女のカッパ」とか
やインストルメンタル「なんば君の事務所」や最後の壮大なバラード「Dear John」など捨て曲なし。
もともとは「海」がシングル候補だったらしいんだけど、より時代に合わせて攻めていこうということで「ミス・ブランニュー・デイ」になったとか。
世の中的には、この次に出した「KAMAKURA」がビッグヒットだったんだけど
俺的には「人気者で行こう」をお勧めします。
ロックが苦手な人にもすんなり入ってくる、名盤です。