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周到なことばの群れにわれわれは取り囲まれている


金澤一志『小説集 サリとリサ』(Hitoshi Kanazawa, 2024)

金澤一志『小説集 サリとリサ』(Hitoshi Kanazawa, 2024)が届く。小説集という冠が付いた作品集。表紙が何とも素敵だ。もちろん本文にもさまざまな工夫が凝らされており、こんな文字組見たことない、という驚きの連続。

個人的には読めそうで読めないくらい(拡大鏡を使えばちゃんと読めます)小さな文字で四角く組んである文字列が気に入った。雪のように降り頻る文字が何ページにもわたって続くのも風情があっていい。詩(小説?)は文字の形がすべてではないか、などと極端なことを考えてしまう。

金澤氏にはこんな発言があったのを思い出す。

《つまりいまならば「詩かデザインか」の論議が有効で、実際に周囲を見回してみると詩ともデザインともとれる、またはデザインによって詩でありえている、周到なことばの群れにわれわれは取り囲まれている。》(金澤一志「もうひとつの戦後詩」、現代詩文庫243『新国誠一詩集』解説)


金澤一志『雨の日のあたたかい音楽』(七月堂、2022年)
https://sumus2018.exblog.jp/30188600/

金澤一志『ミステリと詩人』
https://sumus2018.exblog.jp/30316151/

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