『大正十三年 日本詩集 1925版』もおひさまゆうびん舎にて。どんな名前が詩人として認められていたのか、教えてくれるようでもあり、他にもいろいろな人がいるのになと思ったり。なお、このアンソロジーは大正八年から十五年まで八冊刊行された。「詩話会」は次のような団体である。
「序」にこう書かれている。
これはもちろん明治以降の「現代詩」に限ってのことではある。明治以前には漢詩の詩壇も俳句の結社も全国にわたって多数あったはずで(明治以降ももちろん存続していました)、その下地があっての上でのことのように思われる。まさに地方の代表みたいな宮沢賢治や中原中也が短歌からスタートしたように。
筆者などは詩壇にも詩の歴史にも明るくないため、このアンソロジーを見ても半分くらいは知らない名前である。「おやっ」と思ったのは萩原恭次郎の作品が三点採られていること。「生活」「旅行」「ヲンナ」。いずれも記号や罫線が視覚的な効果を発揮している意欲作である。掲載全作の写真を掲げておく。
そして本書と同じ年に刊行されたのが萩原恭次郎の代表作『死刑宣告』(長隆舎書店、大正14年10月18日)。奥付けだけから言えば、ちょうど半年後に出ている。復刻版だが、『死刑宣告』から、その見開きを三点ほどかかげてみると、上記の三作との違いがハッキリ分かる。半年(?)でかなりぶっ飛んだ。