彫刻家の船越桂氏が亡くなった。直接は存じ上げないが、1988年の銀座西村画廊での個展は印象深く、今もはっきり思い出すことができる。
1988年11月、ちょうど私も銀座の中央画廊で個展をしていたので世田谷の友人宅に泊まって毎日銀座へ通っていた。当時の日記にこうしたためている。
西村画廊を出て銀座の街を歩いていると、まさに、彫刻と同じようなスノッブな男女が闊歩している、そんな時代の空気をつかんだ、リアリティがその頃の船越氏の作品には宿っていた。
銀座の画廊がまだまだ元気だったことが分かる。バブルの絶頂ということもあったのかもしれないけれど。