『改正増補珠算問題巻之三』の表紙に貼付されているブック・プレートに引きつけられて求めました。凝ったケイで囲まれている文字はこう読めます。
左上の四角い印は「兵庫県氷上郡公立赤城小学校」でしょうか。簡易小学校というのは次のようなものでした。
なかなか難しいものですが、とにかくこの珠算問題集は無料で貸し与えられた書物の一つだったと考えていいようです。
問題のなかに書物に関するものがいくつかあります。
乗法
加減乗雑題
22行15字組は横長な本ですねえ。「一枚」は「一頁」の意味のようです。書物が一部15円というのも、明治15年としては驚きの値段ではないでしょうか。おそらく当時の1円は現在の1万円ほどの価値はあったと思います。書物を写すというのは徳川時代以来の伝統的な勉強法でしたから、問題としてはごく自然なのでしょう。
計算問題集にも面白い発見があるので見逃せません。