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十二人のイカれた男女

 先日、ハーバー・ビジネス・オンラインで、毎日新聞の捏造報道問題について書きました。

ハーバー・ビジネス・オンライン:毎日新聞がツイッター社への抗議活動について意図的誤報。主催者「もう活動したくない」

 さらに、この記事に対する「C.R.A.C(対レイシスト行動集団)」の野間易通の反応が頭悪くてクソすぎという話を前回、この場で書きました。

note:野間易通、さすがにそれはクソがすぎる

 その後、野間の煽りに乗っかるかのように反差別界隈の人々が明後日方向の祭りを始め、さらに意味不明な展開を見せたので、今回はそのまとめです。

 結論を先に書いておきます。前回noteで、〈ぼくは野間の運動についても、野間の頭の悪さを理由に全否定することはしません〉と書きました。しかし野間は頭が悪いだけではなく(それは前から知ってた)、根拠もへったくれもなく他人を中傷する卑劣な人間であり、野間に煽られた周辺の人間たちが群れになって「市民運動」風の装いで不公正な行動を取るということが、今回よくわかりました。こんな連中の運動なんて、過去にどんな功績があろうとも、ろくでもないセクト運動にしかならないので、否定することにします。もちろん、反差別運動そのものには賛同しますが、野間に煽られるような集団じゃダメだねということです。

前回までのあらすじ

 細かいことは上記のハーバー・ビジネス・オンライン記事に書いてあるので、ここではざっくりと。

 発端は、6月6日に東京・京橋にあるTwitterJapan社の前で行われた抗議活動でした。じょばみさんという関西の女性が呼びかけたもので、抗議の趣旨は2つ。Twitter上でヘイトスピーチ投稿が放置されている問題と、差別を批判する側のアカウント(著述家・菅野完氏やC.R.A.C等)への不当凍結への抗議です。

 ところが現地で毎日新聞の後藤由耶記者が主催者の女性にインタビューした際、抗議の趣旨等で全く登場していなかった「プロレスラーの木村花さん」の件を持ち出して質問。木村さんは5月下旬に死去しており、ネット上で誹謗中傷されていたことがその背景にあると指摘されていました。

 毎日新聞はその日のうちに、じょばみさんが主催した抗議活動がさも木村花さんの死について抗議する趣旨であったかのような記事を掲載しました。この記事をSNSでシェアし、「他人の死を利用する反ヘイトの方々」(山口貴士弁護士)などと抗議主催者や参加者を中傷する人々まで現れました。

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 山口弁護士は、自分が根拠にした記事が捏造記事であることを知った上でもなおこのツイートを削除していません。とにかくもう、こういう運動をする人たちを意地でもくさしたくて、事実関係なんかどうでもいいという類の人間なんですね。

 こういう態度は、カルト問題に取り組む上でも非常に問題があると思いますが、本稿の本題ではないのでまたの機会に。

 後日、抗議主催者であるじょばみさんに詳しい事情を聞きました。じょばみさんは毎日新聞の記事掲載前のコメント確認時に、木村さんに関する部分は抗議の趣旨ではないので使わないで欲しいと後藤記者に伝えていました。しかし後藤記者から「他の人のコメントで差別問題に触れる」「デスクがどうしても(このコメントを)取ってこいと言った」と言われ、修正してもらえなかったといいます。

 ぼくが毎日新聞にこれらの事実関係の確認と見解を求める取材を申し入れると、その翌日に同社は問題の記事を削除。こちらの質問には一切答えませんでした。

 抗議の趣旨と関係ない質問をして答えさせ、事実と異なる記事にするという、誘導尋問的な取材に基づいた捏造報道です。この経緯をまとめたのが、冒頭でも示したハーバー・ビジネス・オンラインの記事です。

ハーバー・ビジネス・オンライン:毎日新聞がツイッター社への抗議活動について意図的誤報。主催者「もう活動したくない」

 記事掲載後に、ぼくは自分のFacebookで記事をシェアしたのですが、そのコメント欄にC.R.A.Cの野間が投稿してきました(以下、SNSのキャプチャ画像にはSNS上の現物の投稿へのリンクを付けてあります。クリックすると現物の投稿に飛びます)。

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 野間は、このやり取りをC.R.A.CのFacebookページでもシェアしてアピールしました。

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 上記の投稿からわかるように、後藤記者は野間にとって大切なお仲間のようです。そのお仲間を擁護するために、事実関係を無視して「行き違い」で片付け、問題提起した側を「サヨク的糾弾体質」などと中傷する。

 これが前回noteで記事を書いた時点までの経緯です。

 この時点では「野間が騒いでいる」だけで、周囲の群れがそれに呼応して騒ぐかどうかは予測できませんでした、なのでぼくはnoteで〈野間の頭の悪さと卑劣さと害悪を「しばき隊」とか「C.R.A.C」とか「暴走する自警団」とか「野間信者」とか「反差別カルト」みたいな一括りで云々することは控えます。飽くまでも今回の件についての野間個人への評価です〉と書きました。

 しかしその後、これは野間個人ではなく野間周辺の「群れ」の問題に発展します。

「反ヘイトクラスタ」を煽る野間と神奈川新聞・石橋

 ハーバー・ビジネス・オンラインでぼくの記事が掲載されたのが6月12日。野間がぼくのFacebookに凸ってきたのも同日。そして翌日、神奈川新聞の石橋学が参戦してきます。

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 抗議活動の趣旨と無関係なことを質問して答えさせ、それを抗議活動の趣旨のように扱う記事にすることに「違和感はなかった」と言い放つ新聞記者。恐ろしいですね。

 ちなみにこの石橋は、現場で問題のやり取りにも立ち会っていたかのような物言いをしていますが、後藤記者が主催者であるじょばみさんに木村さんの件を持ち出して質問した場に、石橋はいませんでした。主催者がその質問に対してかなり長い時間をかけて答え、最後の最後に木村さんの話につなげた辺りで周囲に石橋を含め報道陣が集まり囲み取材状態になりました。

 少なくとも現場にいたぼくの認識では、石橋が立ち会ったのは、じょばみさんが答えている場面だけです。石橋自身、後藤記者がどのように質問したのかについては言及していません。「誘導尋問」の質問部分を抜きに、尋ねられた側の答えだけ云々して問題がわかるわけがありません。

 もっとも、ハーバーの記事には後藤記者のやり口の証拠映像も載せているので、石橋がその場にいたかどうかは後藤記者のやり口に関する事実関係を左右しません。ただ単に、石橋という新聞記者は後藤記者の取材手法や記事の作り方に問題を感じない無能だということがわかるだけのことです。

 石橋の闘いぶりはこれだけではありません。石橋のツイートに対してはハーバー・ビジネス・オンライン編集部も反論ツイートを行ったのですが、それに対して石橋は、毎日新聞社にハーバー・ビジネス・オンラインやぼくに対する法的措置を取らせることも含めメッセージを送ろうと煽り始めたのです。

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 ぼくはブロックされているので、この石橋の投稿に限っては元投稿へのリンクを貼れません。キャプチャ画像のみです。自分が非難する相手をブロックして直接の反論を封じ、言論ではなく「法的措置」を煽る。ただでさえ卑劣な行為ですが、よりによって「言論」を生業とする新聞記者がこれです。

 さらに、この石橋の投稿を野間が自分のFacebookでシェアしました。

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 野間はもののついでに、〈「藤倉という記者」と何度も出てきますけど、この人別に記者でもなんでもなくただのサブカル野郎ですから笑〉と、ぼくの職業が何であるかを勝手に決めて中傷するオマケ付き。

 そう言えば何年か前、ぼくは日本共産党からも「フリーライターとは認めない」などと勝手に職業を決められて取材拒否されたことがありました(【参院選】親鸞会信者推薦の共産党、機関紙では親鸞会を“カルト”扱い=本紙の取材に逆ギレ)。「ライターだから」と差別された経験も多いですが、ライターなのに「ライターではない」と勝手に決めつけられて中傷されることもたまにあるのが、この職業の悲しいところです。

 ですがサブカル野郎だと記者ではないかのような野間の物言いは、ライター差別というよりサブカル差別ですかね。野間自身がやっていることも、とうていメインカルチャーには見えませんが何様なんでしょうか。野間様ですか。そうですか。

 ぼくは2009年に「やや日刊カルト新聞」を創刊して、カルト問題を笑い交じりで取り上げたりしょうもないデモを企画したりしてきた正真正銘のサブカル野郎です。しかし、そうなる前からライターをやっています。カルト問題についても雑誌等でずっと真面目に取材して記事を書いてきて、カルトへの社会的関心を高めようと「やや日刊カルト新聞」というサブカル志向のメディアを作ったにすぎません。「やや日刊カルト新聞」創刊後も、一般メディアで真面目にカルト問題を取り上げる仕事は変わらず続けています。

 事実を確かめもせず人様の職業をあげつらう卑劣な人間には想像すらできないことでしょうけど。

意味不明なハッシュタグ祭りへ

 野間や石橋の煽りを受けて、Twitter上では同調する人々が「#ヘイトと闘う後藤記者を応援します」というハッシュタグを投稿する「運動」を始めます。石橋が主張したのと同様に、毎日新聞社に意見を送ろうと煽る投稿も散見されました。

 何が問題なのか、皆さんわかってますか? 毎日新聞と後藤記者が誘導尋問的な取材を行い、抗議主催者の意に反していることを承知の上で、事実と異なる記事を書いて配信したことが問題なんです。後藤記者が日頃ヘイトと闘っているかどうかなんて全く関係がありません。ヘイトと闘っている記者だったら捏造記事を書いてもいいんですか?

 この点について、ハーバー・ビジネス・オンライン編集部のTwitterアカウントが、石橋への反論として言及しています。

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 一方で、野間はFacebookで、こういう煽り方をしています。

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 ちょっと何を言っているのかよくわかりませんが、「ネトウヨレベル」と書かれた事実が、「ネトウヨ」と書かれたという事実に脳内で変換されている感じなのでしょうか。こうして野間は、ぼくがTwitter社前で抗議した人々全員と敵対する者であるかのように偽って犬笛を吹き、石橋が鉄砲玉よろしくSNSで騒ぎ、信者たちが「#ヘイトと闘う後藤記者を応援します」といういろいろ噛み合ってない後藤記者擁護キャンペーンを始めた、という流れです。

多数のメディア関係者たちまで……

 何より衝撃的だったのは、「#ヘイトと闘う後藤記者を応援します」という意味不明なハッシュタグを投稿した人間の中に多数の報道関係者がいたことです。野間周辺の反差別運動の中では「ごく一部」であっても、それなりに影響力を持つ人々です。氏名と所属を列挙します。

朝日新聞社経済部記者・藤崎麻里
朝日新聞社カメラマン・高橋雄大
共同通信社カメラマン・原田浩司
神奈川新聞川崎総局編集委員・石橋学
神奈川新聞経済部キャップ・田崎基
沖縄タイムス社記者・阿部岳
中日新聞社水戸支局長・佐藤圭
週刊朝日記者・松岡瑛理
ジャーナリスト・安田浩一
ジャーナリスト・西岡研介

 リツイート等だけの人間は除外しています。自らの手でハッシュタグを投稿した報道関係者だけで、この数と顔ぶれです。

 Twitter社への抗議活動の趣旨と関係ない話題を誘導尋問的な手法で主催者から引き出し、事前のコメント確認の際に主催者が拒否したにも関わらず修正を拒み、さもそれが抗議の趣旨であったかのように報じる手法に問題を感じないと。ならば、こつらの取材を受けるとじょばみさんと同じような目に遭わされる可能性もあるということです。恐ろしいですね。

 報道関係者に限らず、野間にせよ、ハッシュタグ祭りに参加した他の連中にせよ、じょばみさんが異を唱えたにも関わらず毎日新聞が修正を拒み記事を掲載したという事実を踏まえて主張している人がほとんどいません。上瀧浩子弁護士やひわき岳・杉並区議会議員(立憲民主党)らも同様です。

 今回のTwitter社前抗議の主催者はC.R.A.Cでも野間でもなくじょばみさん個人でした。毎日新聞という組織ぐるみの加害者である後藤記者を自分たちの仲間だからといって事実関係を無視して守ろうとし、立場が弱い個人として被害を受けたじょばみさんの存在は綺麗サッパリ無視。じょばみさんだって、C.R.A.Cのために抗議活動を主催してくれた仲間であるはずなのに。

 これが、野間とその周辺の群れがとった行動の構図です。

 自分たちの都合で仲間を選別し、加害者である仲間だけを守って被害者である仲間を見捨てる。さらに、その問題を提起した記者やメディアの方をこぞって中傷する。その理由が、加害者である後藤記者が野間たちの活動を報じてくれる「大手メディアの反ヘイトクラスタ」だからだということは、野間の言動から明確です。

 つまりこれは、セクト的利害に基づく行動です。C.R.A.C界隈では「カウンターは個人だ」とか「C.R.A.Cはクラウド」だとか、組織化された固定的集団ではないかのように称されているようですが、実質的に「野間セクト」です。

 仲間を選別し加害者を守って被害者をないがしろにするという構図は、ここ1年ほどぼくが敵対している「日本脱カルト協会」理事会と同じです。「前の晩に勉強していたところがテストに出た」みたいな気分です。

狂っているのはごく一部でしょうけど

 あのハッシュタグは、野間周辺に放り込まれた「バカ発見器」でした。これに引っかかったのはごく一部で、C.R.A.Cの運動に関わったり賛同したりしている人たちの中にも特段意思表明をしない人も多い(むしろその方が多いのかも)印象です。ハッシュタグ投稿は決して少なくはないですが、一般の人々の興味を引くほどには広まらず、数日ほどで沈静化してしまいました。

 野間界隈でもマトモな判断力を持った人は大勢いることがうかがえて、その点だけはまあ良かったとは思います。もっとも、黙り込んでいるだけで相互批判しないのでは、こうしたイカれた行動への抑止力にはなりません。

 有害な「がん細胞」は集団の中のごく一部であっても、自浄能力がない集団はその全体が「がん細胞」の栄養分でしかありません。「がん細胞」を除去できたとしても、新たな「がん細胞」が出現すれば同じことを繰り返します。

 日本脱カルト協会は実際、この状態にあります。オウム真理教ですら、殺人を犯した信者は「ごく一部」です。

 理屈が通じない、事実関係やものの善悪が判断できない集団というのは、積極的な害悪が「ごく一部」であろうとも「マトモ」な集団にはなりえません。C.R.A.Cでも「反ヘイトクラスタ」でも呼び方は何でもいいんですが、野間界隈に集まる群れもまた、こういう類なのだということがよくわかりました。

 野間のような頭の悪い卑劣漢の影響下にある運動なんて、ろくなものではありません。

 野間の知性を「ネトウヨレベル」と評した流れで言うなら、野間に煽られて騒ぎ立てた連中は「ネトウヨと逆方向を向いたネトウヨレベルの集団」です。まごうことなき「どっちもどっち」

 レイシストを罵って中指立てて見せる分には、どうせ相手は野間と同レベルのクズなので、まあ続けたらいいんじゃないのとは思います。しかし、この群れにそれ以上の価値は感じません。

 しかも大手メディアも含めた10人以上の報道関係者たちと弁護士や政治家までもがこれに賛同し守ろうとしているわけですから、もう絶望しか感じません。

 差別の根絶は、よりよい社会にするために必要ないち要素です。しかし差別に対抗するために、カルト宗教並みに理屈が通じないバカの群れをのさばらせるようでは、本末転倒です。早く、マトモな反差別運動が主流になるといいですね(絶望したので、代案も建設的提案もありません)。

「サブカル野郎」以下の「記者」たち

 報道関係者たちの存在は、野間やその周辺の群れがマトモになることはないであろうと思える大きな要因です。

 間違ったことをしても、批判するどころか、こうやって無理やり正当化して擁護し応援してくれ、今後も記事で取り上げてくれるであろう大手メディアの関係者。ここまで甘やかしてくれる存在があったら、あの群れは反省する必要がありません。マトモにならなくても、マトモであるかのように露出させてくれる心強いお仲間がいるわけですから。

 繰り返しますが、今回の問題は、後藤記者が抗議主催者の意に反していることを承知の上で、意図的に事実と異なる記事を掲載したというものです。ハッシュタグで騒いだ群れは、この事実関係と問題点を完全に避けて通っています。10人の報道関係者も同様です。

 特に報道関係者に関しては、事実関係と問題性を認識できないのであればその人自身も後藤記者と同じような問題を起こす可能性があるということです。報道人にとって、事実に対する誠実さの欠如は深刻な致命傷です。

 前述の通り、野間によるとぼくは「記者」ではなく、ただのサブカル野郎なのだそうです。そのサブカル野郎が今回、取材をして事実確認をした上で記事を書きました。それに対して上記の報道関係者10名は、事実確認もせずに勘違いした騒ぎ方をしています。「記者」というのは、サブカル野郎より取材スキルが劣る人たちのことを言うんですかね。

 取材しない豚はただの豚。

蛇足:「読点問題」について

 石橋学は、ぼくやハーバー・ビジネス・オンラインへの批判の中で、毎日新聞の記事の文章にある読点の位置について云々しています。その内容は、日本語や新聞記事の技術論としても的外れなものでした。なぜそれがおかしいかという話は、完全に「日本語講座」「新聞記事講座」的な内容になるので、以下有料。

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