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「ジャーナリズムと建造物侵入罪」第1回 相手が本気出したら前科10犯は軽くいく

一般公開施設に入って建造物侵入罪って

初転法輪記念館外観

▲一般公開されている幸福の科学の「初転法輪記念館」

 幸福の科学の一般公開施設に取材に入ったら建造物侵入罪だと言われて刑事被告人にされている藤倉でございます。刑事裁判にかけられている身ではありますが、罪を犯したとは思っていません。

 細かい説明は、「幸福の科学取材で刑事被告人にされた藤倉善郎氏を支える会」や、裁判支援のためのクラウド・ファンディングのサイトに譲ります。

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 ここでは裁判そのものの話ではなく、「建造物侵入罪」が濫用されると、ジャーナリズムが社会的な役割を果たせなくなるという話を、今回の事件とは別の取材事例を紹介しながら書きます。

 何回かに分けて、ぼく自身の取材で「建造物侵入罪」に関係ありそうな事例の紹介と解説。その後は、こうした取材の背景にあるジャーナリズムの理念や、それを取り巻く日本社会の危機的状況についても書きたいと思います。

 現時点でのプロットは全8回分になりますが、もしかしたらもう少し増えるかもしれません。掲載は不定期です。

「余罪」は2年間で9件!?

記者会見

▲司法記者クラブでの記者会見

 昨年12月にぼくの公判が始まったのですが、それに先立って東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見を開きました。その場で、ぼく自身の取材経験として「今回の事件が発生した2018年から現在までの2年間で、施設やイベントへの立ち入りについて取材対象者から反発を受けたケースが計7件あり、うち3件が警察沙汰になり、1件が今回の裁判、1件が不起訴、残り1件が送検された状態のまま放置されている」という趣旨の説明をしました。

 現時点で事件化しているのは3件ですが、仮に全ての取材対象者がSLAPP(恫喝訴訟)体質だったり、ものすごく怒っていたりして、本気で被害届や刑事告訴を行ったとしたら、ぼくは2年間で7件の建造物侵入罪容疑をかけられているトンデモない人間になってしまいます。

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