今話題の【サル痘】について
皆さん、こんにちは!
新卒現役保健師の @タミ です。
本日は、【サル痘】についてお話していきます。
現在、サル痘は欧米などで感染者が相次いで発生しており、連日ニュースなどでも取り上げられています。
しかし、【サル痘】という言葉は聞きなじみがないし、正直何が危険なのかわからないですね。
僕も、感染症について大学で勉強してきましたが、言葉しか聞いたことがなく良くわかりませんでした。
ですので、今回は、現段階で国が公表している情報をもとに、僕なりに分かりやすくまとめてみましたので
ご興味ある方は、読んでみてください。
サル痘とは?
サル痘とは、サル痘ウイルスによって感染する急性の発疹性の病気の事です。
皮膚にぶつぶつができている映像や写真をニュースなどで見たことがあるのではないでしょうか?
あのような、皮膚にぶつぶつができるのがサル痘の特徴です。
主な症状
サル痘の症状としては、上記でも挙げた、皮膚上にできるぶつぶつ(発疹)と発熱が主な症状です。
その他にも、頭痛、リンパ節の腫れなどが5日ほど続き、発熱後(1~3日後)に発疹が現れるのが、典型的なパターンとされています。
多くは、2~4週間ほどで自然に回復すると言われていますが、小さな子ども、高齢者などでは重症化し、死亡するという報告もあるみたいです。
感染経路
人から人への感染はめったにないと言われています。
従来は、サル痘ウイルスを持った動物に噛まれたり、その動物の血液や体液、皮膚の発疹(ぶつぶつ)に触れたりして感染することが確認されています。
ですので、感染拡大のリスクは高くないはずなんです。
しかし、現在話題のサル痘は、感染が拡大していて、20か国以上の国で、200人以上の発症者がいるようです。(WHOの報告より)
※リネン類(衣類やマット、シーツなど)を介して感染する報告も
あり、接触感染、飛沫感染があると考えられている。
流行地域
サル痘は1970年に現在のコンゴ民主共和国で初めて報告されました。
それ以降は、アフリカの中央部から西部にかけて主に発生しています。
2022年には、アフリカの国々で発生が持続していて、2022年1月から現在までで55例の死亡が報告されているとか。
アフリカ以外にも、流行地域からの帰国者で発症が報告されている例もあり、
日本も6月から、海外の旅行者の入国の緩和が進められ、海外の渡航者が多くなると予想されます。
そのため、日本でもサル痘をはじめとする、輸入感染症の危惧が心配されているということです。
治療法
それでは、サル痘にかかった場合、どのように治療すれば良いのか、治療法はあるのかを解説していきます。
日本では、【痘そう】という感染症のワクチンが【サル痘】には有効であるとされています。
元々日本では、【痘そう】という感染症が流行していて、その当時はワクチン接種を行っていたという歴史があります。
しかし、日本では1976年以降、【痘そう】の発症が減ったことから【痘そう】ワクチンの接種は行われていません。
しかし、痘そうワクチンには、
サル痘ウイルス曝露後4日以内に接種:感染予防の効果
曝露後4-14日で接種:重症化予防の効果
があるとされています。
また、厚生労働省によると、この痘そうワクチンは国内に備蓄しているということです。
日本も対策は進んでいるなと感じますね。
予防方法
主な予防方法は、マスク着用、咳エチケットを守り、手洗いなどの手指衛生を行うことです。
とても基本的なことで、新型コロナウイルスの影響でかなりこの習慣は定着しているため問題ないのかなと思います。
そして、もう一つ、上記でも説明した通り、リネン類の管理が重要になります。
サル痘を疑う(発疹がある)方のリネン類を扱う際には、手袋などを着用し、直接皮膚に接触することを防いでください。
そして、そのリネン類は密閉できる袋に入れるようにしましょう。
取り扱い後の手洗いも忘れずに!!
※医療従事者さんへ
病院等で、サル痘を疑う方がいる場合、原則として空気感染対策での対応になります。
これは、サル痘自体は飛沫感染、接触感染で予防できますが、サル痘の症状は、麻しんなどの空気感染対策が必要な疾患と類似しています。
仮に、麻しんであった場合、院内感染を引き起こしかねません。
そのため、サル痘を疑う患者さんがいる場合は、麻しん等空気感染対応でお願いいたします。
おわりに
今回は、サル痘についてお話させていただきました。
現在、サル痘については、厚生労働省が対応を検討中とのことで、詳しくは、追って通知が来ることになっています。
サル痘自体は、新型コロナウイルスほどの感染力はないため、外出の禁止や活動抑制などの処置が起こることはないと思います。
しかし、サル痘をはじめとするたくさんの感染症は、いまだに解明されていないことがたくさんあります。
重症化するケースもあるかもしれませんし、生死にかかわるような感染症の発生もあるかもしれません。
是非、感染症自体(日本だけではなく、海外も)に少しでも興味を持っていただいて、感染症に対するリテラシーが高く、健康で楽しく暮らせる日本になったらいいなと思います。
本日も最後まで、お読みいただきありがとうございました!!
【参考文献】