アジア地域最大級の広告祭Spikes Asia2024 現地視察レポート(前編)
クリエイティブにまつわるトピックスや、ユニークなソリューションをクリエイター目線でご紹介する「ユニクリ!」。
今回は、先月13日〜14日の2日間シンガポールで実施されたアジア地域最大級の広告コミュニケーションフェスティバル「Spikes Asia2024」の現地視察レポートを前編・後編の2回に渡ってお届けします。
「Spikes Asia」って?
カンヌライオンズの地域版フェスティバルとして、毎年シンガポールで開催されるアジア地域最大級の広告コミュニケーションフェスティバル「Spikes Asia」。
毎年シンガポールで開催され、授賞式やセミナー・交流会などが行われます。コロナ禍でしばらくオンラインでの開催となっていましたが、今年は4年ぶりの現地開催。シンガポールにアジア各国の受賞者が一堂に集まりました。
「Spikes Asia」では2024年から新たに「Creative Strategy」、「Gaming」の2部門が追加になり今年は合計24部門。総エントリー数は3189。
そのうち日本からは400エントリーがあったそうです。日本からは、49エントリーがアワード受賞、94エントリーがショートリスト入りを果たしました。
今回、弊社のアートディレクターの諸岡と島崎の2名が一般社団法人日本広告業協会主催の研修ツアーに参加し、視察を行ってきました。
(二人とも初の海外広告祭、初のシンガポールで少々浮かれ気味の写真も時折登場しますが、どうかご容赦ください。)
それでは、さっそく「Spikes Asia2024」。
現地ではどんな風に開催されていたのか、視察レポートをお楽しみください
久しぶりの現地開催!会場はこんな感じでした!
今年の実施会場はコンラッド センテニアル シンガポールホテル。
ホテルに入るとすぐに、ロビー中央に佇む螺旋階段の周辺に「Spikes Asia」のロゴがかかげられ、階段の手すりにはトロフィーのモニュメントが。
ホテルのエントランスがスパイクス色に染まり、到着早々ワクワクしてきました。
開場は朝の8時。朝早くからすでに多くの人でにぎわっていました。
まずホワイエで事前に登録したIDで当日の受付を行います。登録はすべてデジタル化。慣れないデジタル機器の操作、英語でのやりとりにドキドキしながらも無事に登録が完了。
スタッフの方からもらった入場パスを首にかけ、いざ中へ!
メインボールルームには中央にステージが一つ。
メインスクリーンの左右にもサブスクリーンが用意され、セミナー中はこれらのスクリーンに事例のムービーや、登壇者のスライドなどが投影されます。
会場では「PR」「Healthcare」「IndustryCraft」「Outdoor」「Design」「Direct」「Media」「Print&Publishing」の8部門のショートリストパネルが掲示されていました。
例年はもっとたくさんのパネルが並んでいたそうですが、今年は久しぶりの現地開催ということで規模も縮小されていたようです。それでも全てのパネルを見るにはかなり時間がかかりました。
セミナーの合間にはNetworking Coffee Breakという時間が30分ほど設けられており、みんな軽食やコーヒーを片手にショートリストを閲覧いたり、パネルを前にディスカッションしたりしていました。
(ちなみに、コーヒーブレイクの時に振る舞われたミニケーキ、見た目も可愛いのですが、味もすごく美味しかったです。さすがコンラッド!)
またお昼にもIndustry Networking Lunch(業界ネットワーキングランチ)が設けられ、ホワイエにビュッフェが並びます。立食でランチをいただきながら、業界の方達とコミュニケーションをとることが出来ます。
私たちも、日本の同業の方をご紹介いただいて名刺交換をしたり、著名な方ともお話しさせていただいたりと、様々なつながりを作ることが出来ました。
(ランチの食事もすごく美味しかったです!ピラフとビーフシチューが絶品でした♪)
受賞作品
続いて今年Grand Prix ( グランプリ ) を受賞した作品を一部ご紹介します。
01:MY JAPAN RAILWAY
まずは昨年のカンヌライオンズなど国内外でも多くの賞を受賞し話題になった日本の作品。JR グループ「MY JAPAN RAILWAY」です。
こちらは「Digital Illustration」「Use of Mobile&Devices」「Art Direction: Brand&Communications Design」の3部門でグランプリに輝きました。
会場でも多くの注目を集めており、海外の方もパネルの前でたくさん足を止めていました。
アートディレクターの立場からすると、企画のアイディアももちろん素晴らしいのですが、これだけの数のグラフィックをトンマナやクオリティーも揃えて制作したクリエイティブ陣の努力と熱意に脱帽です!
日本らしいものづくりの文化が垣間見える素晴らしい作品だと思います。
会場で代理店の方とお会いして、少しだけお話を伺いましたが、スタンプのデザインはまだこれからも増えていくとのこと。これから先の展開も楽しみですね。
02:FITCHIX
続いて、今回最も多くのグランプリを獲得したのは鶏専用の歩数計を開発したHonest Egg「FITCHIX」。オーストラリアの作品です。
こちらは、鶏の歩数計で計測した歩数を卵に印字することで、鶏の健康や自社の育て方を生活者へと伝え、その技術をオープンソースとして提供するサービスです。
「Brand Experience & Activation」「Creative Commerce」「Healthcare」「Integrated」「Outdoor」の5つの部門でグランプリを受賞しています。
|Honest Eggs Co「FitChix」(VML, Melbourne, Australia)
ブランディングだけでなくヘルスケアや社会貢献という様々分野にも言及していて素晴らしいアイディアですね!オープンソースとして提供することでソーシャルグッドな企画となっており、堂々の5部門グランプリだと思います。
03:#UNPLASTICINDIA
次はとても印象的だったこちらの作品。「Print & Publishing」でグランプリを獲得したインドの作品「#UNPLASTICINDIA」です。
「Still using plastic bottles?」(まだプラスティックボトルを使うの?)というコピーとショッキングなビジュアルが印象的な作品。インド人らしい直球なアプローチ手段と、クオリティの高いビジュアル表現で、見事「Print & Publishing」部門のグランプリを受賞されていました。
こちらの作品は他の部門のショートリストにも多くノミネートされており、会場でも大変目を引いていました。
その他の受賞作品の数々はスパイクスアジアの公式サイトに掲載されています。
ご興味ある方はぜひご覧ください。
|SPIKES ASIA CREATIVITY REPORT 2024
https://www.lovethework.com/work-awards/awards/spikes-asia
次回、後編では主にセミナーの内容を抜粋してお届けいたします。
お楽しみに♪