見出し画像

左官塾最終回in米澤邸


子だくさんの我が家。

夫婦で週末に出かけるには、子どもたちの色んなことへのサポートをお願いしなければならず。
でもどうしても行きたくて、実母にしつこくお願いして子どもたちを託し、左官塾へ参加!

あっという間に最終回!
全日居たかったけれどそれはできずに、最終回の中日に参加させていただきました。

話では聞いていたけれど、わたしが参加した時には壁がなかった建物に壁ができている様子を目の当たりにして感動!♡

そして、初回1日しか参加していないのに見覚えのある顔には安心感をおぼえ、「左官塾」「古民家修復」というキーワードで集まった初めましての方々とも一気に楽しさを共有できる喜びがまたたまらない♡

まず最初に目についたのはピカピカの鏝たち。
大きさや形がビミョーに違っていて壁の塗り方や材料によって使い分けるようでした(たぶん最終回初日に説明があったようです)。一流の人が使う道具って、なんだかちょっとオーラをまとっていますよね。いい仕事してくれる感が出ていました。

やはりどんな業種でも、道具を大切に扱う姿は変わらないのですね。
鏝はぴっかぴか!!
そして、それぞれ大事にカバーに包まれて、岡持?に収納されていました。すぐ感化されるわたし、岡持が欲しくなりました。(入れるものないけど笑)

写真が暗すぎた笑


道具の持ち手が木や竹で可愛い。


昔から受け継がれる工法は力強くもありとても繊細でもあります。
夫が大工として、何気なく判断しているあれこれ、わたしにとっては非日常すぎて「すごー」と感動するのですが
天候や湿度、風の通り方、作業のスピードと丁寧さに気を配りながら進める様子は土壁塗りも同じなんだ!と知れて感動!!

やっぱり、湿度があると壁塗りには適さないみたい。
関東産まれで新潟県在住のわたしとしては、新潟の冬は病むくらい、ずーっと暗くてお日様の顔を忘れてしまうような空模様。もちろん湿度も半端ない。
そんな湿度満載な新潟県の冬に土壁を塗る作業って、どうしたんだろう?とか(昔は今より雪の量がたくさんだったらしいので、そもそも家を作るとか修復するとかは考えなかったのかな?)、気候的にも左官技術が発展しやすかったのは関西地方だったのかな?とか、今まで考えることがなかったようなことに知的好奇心が向かい始めています。笑

代表もプロの仕事をガン見!

「土壁」とひとくくりに言っても、いろんな種類の塗り方があるようです。
○○塗り。みたいなことは素人の私でもどうにか今回の左官塾で知り得てきましたが
なんと○○塗りではなく「磨き」という仕上げ方もあるらしい!!塗るのではなく磨くってどーゆーこと!?と素人庶務は興味津々。

今回は大津壁のなかの最高級仕上げ「大津磨」を一流の左官職人さんから見せていただきました。「魅せて」と書く方があっているかも。

先に感想を述べてしまいますが
大津磨のスペシャリストである小沼充氏がものすごい速さで、全ての瞬間が美しく繊細な土壁を仕上げる様子はまるでショーのようでした!!
繊細な作品とは反対に、均一に体重をかけて何度も押さえていく行程はものすごい体力を要するTHE肉体労働!なことが、傍目でも一目瞭然。
鏝が壁に接している間は、謎にわたしも息をすることができないくらい集中して尚且つ力んで見ていたのですごく疲れました。笑
見ているだけでもこんななのだから、小沼氏にはものすごい負荷だったのだろうなー。
収めた動画を、帰宅してからも代表と観ては感動しています。

何度もふるいにかけて細かいスサのみを使用する


鏝を押さえるタイミングの見極めやスピードなどはとてつもない技術が必要だと思うし
それ以前に、壁を塗るための材料についても経験と知識と地道な作業が必要になることを知り
改めて脱帽…

大津磨きの壁

ちなみに「大津磨き」は日本壁の中で最高級というか、もはや別格な仕上げ方法だそうです。鏡面仕上げ。と言ったらわたしのような人たちにもわかりやすいかな。
写真でうまく伝わらないのが悔やまれるのですが、表面がつるつるぴかぴか、艶があり、なんと鏡のように映るのです。それでいて深みもあるのです。

土壁と言われなければ素人にはわからない。というか、わたしは作り上がる様子を見ていたけれど、見ている時からずっと「え、これ土壁なの?」「絵の具じゃない?(失礼なやつ笑)」と脳の解釈が追いつかないほどでした。

何度もふるいにかけて材料を選別し、さらにそれを空間の環境に合わせて配合してゆくことだけでもすごい労力ですが、昔から「坪一人持」と言われていたそうで、これは、職人さんが朝から夕方にかけて1坪(3.3㎡)を受け持ち、作業を完了するという意味だそうです。(…と言われても素人すぎて3.3㎡がピンときませんが笑、とりま今回見せていただいた規模はあの短時間で見れるものではなかったんだなと言うことだけはわかりました。)そのくらい難しい技法なのですね。

ベンガラ

ちなみに壁の色は弁柄を混ぜて出していました。
他にも黄土や白土を使って色を出す方法もあるみたい(今調べました笑)!
そしてそして
黒色もあるのですよ。そちらもまた違う職人さんが見せてくださいました。

黒大津

赤く塗るのには弁柄を使用しましたが、黒く塗るには油煙を混ぜているそうです。
グランドピアノのような重厚感のある艶が出るとのこと。土壁なのに不思議!!!

左官職人さんが塗り上げていく様子を贅沢なまでにただただ見入ってからは超絶素人のわたしも荒壁塗りに挑戦!
もう、一流の職人さんがまるでケーキのスポンジにするするとクリームを塗り上げていくような手技を見ていたのでイメージは存分にわいていたけれど
いざ鏝を握り、鏝板を抱えると「重た…」となり、鏝にふわふわクリームのような土(に、確かにさっきまで見えていた)をのせるが、まず乗らない笑、そしてやっぱり重たい。
最終的には壁にもふわっと乗らずべちゃんと地面に一直線!もはやひとりで爆笑するしかない事態でますます職人さんへの尊敬が高まりました!

夢中すぎて写真がない

そうそう!
今回は「フレスコ画」という世界にも触れることができたのです。が、「今回はフレスコ画を描いていただくことになりました」と聞いても、フレスコ画がなんなのかわからずソッコー検索!

みなさんご存じでした?

調べてみて「あー、そーゆーのフレスコ画っていうのか!」とまた賢くなってしまいました♡笑

色を重ねていく様子から完成を想像してワクワク

ちなみに小沼氏が塗った珪藻土の壁に描いています。一瞬で真っ白な壁が出来上がってびっくりでした!

絵を描く洞谷先生も真っ白な壁にどんどん書き進めていて、建物全体の色のバランスを見ながら使う色を選択している様子に感動。
土壁についても全く知らないのに、さらには絵の世界までを間近で体感させていただき本当に楽しかったー♡♡♡
洞谷先生が、家に絵を飾るように、壁にフレスコ画を取り入れる方が増えたら嬉しいとお話ししていて、そんな世界線もあるのか!と色々刺激的な1日となりました。
絵も米澤邸の修復作業も翌日が最終日。
我々は都合がつかず中日のみとはわかっていたけれど、最後まで参加したかったぁぁぁぁ

後ろ髪ひかれる思いでしたが、
大津磨きを目の前でみることができ、そこでの感動はプライズレス!
今日来れてよかったね!と帰路の車中はひたすら代表と感動を分かち合いました。

素敵な企画をしてくださった、しなの長沼お屋敷保存会の皆様、サポートしてくださった方々、古沼さんを筆頭にした左官職人の皆様、場を共有してくださった全国各地老若男女すべての方々に感謝です。

この会だけで終わりではなく、全国各地にいただいたご縁を大事にしてこれからも応援したりされたりして日本の素晴らしい技術や感性を豊かに醸してゆけたらなと思っています。

長野県はどこを見てもりんごの木があって、新潟とはまた違う風景で楽しかったー。
果物がとっても美味しかった♡♡♡



いいなと思ったら応援しよう!