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哲学的思考をビジネスに活かすための10ヶ月

はじめに

株式会社GROWTH VERSEでPdMをしている陶山大輝と申します。現職に3月に入社してから10ヶ月の間、事業成長のために私の強みである哲学的思考をどのように活かすか考えてきました。その中で見えてきた課題と解決の方向性について共有できればと思います。

現職で実現したいこと

入社時、私は以下のように目標を掲げていました(参考:株式会社GROWTH VERSEに入社しました)。

  • 会社として

    • プロダクトと組織の両方を成長させながら事業を成長させること

  • 個人として

    • 哲学的思考を活かし、不確実性の高い経営の領域に関わること

端的に言えば、「哲学的思考を用いて事業を成長させること」が私の目標でした。

哲学的思考の強みと限界

しかし、実務の中でこの思考方法の限界に気づきました。プロダクトの将来像を描くような抽象的な思考は得意な一方で、個別の顧客対応などの具体的な場面で十分に対応できないのです。

具体的には、営業資料の作成時に抽象的な説明に終始し、顧客目線での具体的な価値提案ができないことがありました。また、顧客課題を十分に特定しないまま機能開発を進めてしまい、結果として提供価値の低い機能を作ってしまうこともありました。

そして、私が担当する事業では少数精鋭で開発を進めており、PdMとしての担当範囲も広いため、この思考の偏りがボトルネックになりやすい状況となっています。

思考からアクションへ

この10ヶ月間で再認識したのは、私の強みは「思考」であり、弱みは「アクション」であるということです。しかし、ビジネスの現場では、以下のようにアクションが求められます。

  • 「完璧な戦略」より「実践からの学び」

  • 「理想的な設計」より「動くプロダクト」

  • 「綿密な計画」より「顧客との対話」

このギャップを埋めるために、以下のような考え方が必要であると考えています。

  • アウトプットの粒度を細かくする

  • 早めのフィードバックを得る

  • 段階的な改善を重ねる

ギャップを埋めるための実践例

この考え方を、実務においては下記のイメージで利用できます。詳細な実践例に関しては、別の記事にて紹介予定です。

営業資料作成の場合

  • ストーリーの作成段階でのレビューの依頼

  • セクションごとでのイメージの調整

  • チェックポイントの段階的削減

顧客ヒアリングの場合

  • 仮説の簡易的な言語化

  • ヒアリング数の増加

  • 継続的な方向性の修正

機能開発の場合

  • 最小機能での仮説検証

  • 早期の顧客フィードバックの収集

  • 段階的な機能の拡充

最後に

この10ヶ月間で学んだことは、思考とアクションは決して対立するものではないということです。むしろ、両者を適切に組み合わせることで、より大きな価値を生み出せる可能性があります。

哲学的思考は私のアイデンティティの一部ですが、ビジネスの成功に繋げるためには、思考とアクションの適切なバランスが必要不可欠だと実感しています。

また、「思考とアクション」は、プロダクト開発でよく議論される「仮説思考と経験主義」の関係性と重なります。両者の類似性は、この記事の気づきをより普遍的な文脈で理解する助けになりました。

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Daiki Suyama
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