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被災地でのトライアスロンレースが私に教えてくれたこと

先週末の日曜日、九十九里トライアスロンに出場してきました。
今回はミドルディスタンスのレースだったので、swim1.9km bike90km run21.2kmのレースでした。

まず、今回台風の被害を受けながら私達選手を迎え入れてくれた会場となる市町村の皆様に感謝を申し上げたい。

まだまだ復旧しきっていない地域も多い中で、生活することすら大変な状況の方もいる中で、私達をボランティアとして支えてくださったことには、感謝以外の気持ちはありません。

そして、私は千葉県で育った人間です。地元は千葉市なので、台風被害の大きかった房総半島の方面の人間ではないのですが、子供のころからよく遊んでいた場所ですし、今でも遊びに行かせてもらっている場所。

今回、大会を開催してくださるということで、自分が泳ぎ、漕ぎ、走る姿をボランティアや住民の方々が見て少しでも勇気を、元気づけられるようなパフォーマンスをする。いつものトライアスロンレースより特別な気持ちでした。

ところが、いざレースが始まると、ボランティアの皆様に助けてもらうことしかできない。給水や沿道からの応援が無ければ、トライアスロンという競技は成立しないものです。小さい子供からご老人まで、『頑張れ!!』『あとちょっと!!』と声をかけながら、私に給水を手渡し、頭に水をかけてくれる。涙が出そうになりました。

私は助けてもらうことしか出来ていないと思っています。でも、ボランティアや住民の皆さんからは意外なことを言って頂けるのです。

『選手の皆さんが頑張る姿が活力になる』
『大きくなったら絶対トライアスロンをやりたい!』
『レースを見ていたら暗い気持ちが少し晴れたような気がする』

私の気持ちとは裏腹に、間違いなく、私達が必死にゴールを目指す姿で千葉の皆さんを元気づけることが出来ていたんです。開催都市とアスリートが良い影響を与え合う、トライアスロンというのは本当に素晴らしい競技だなと心から思いました。

『自分の力で成し遂げた』は大いなる勘違い

トライアスロンという競技は、並外れた努力を必要とする競技です。何かの大会で優勝できたとしたら、それは間違いなく本人の努力の賜物です。
が、それだけではないのです。

どんなに努力を重ねた人間でも、給水が1つも無ければ絶対にゴールにたどり着けません。ライフセーバーが見守ってくれなければ海を泳ぐことは危険です。交通規制なしでバイクコースを作ることは出来ません。

トライアスロンという競技で栄光を掴むという事。それは、本当に多くの方々の努力と献身が無ければあり得ないことなんですね。その上で、本人の努力があり、成り立つものなのです。

どんなに努力して成し遂げた偉業であっても、それは絶対に、自分の力で成し遂げた事ではないです。気付いていなかったとしても、見えなかったとしても、誰かの献身がある。

『みんな』の力が合わさることでしか、何かを為すことは出来ない。今年の九十九里トライアスロンは、そんなことを教えてくれました。

私はこれからもトライアスロンという競技を通じて、自分自身を成長させ、周りの人達、開催都市の皆様に少しでも良い影響を与えられるような存在になれるよう、努力を重ねていきます。

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