朝日杯FS　血統解説❕🔥

こんばちわ！

先週の阪神JFではこの血統解説でA∔評価の最上位評価を付けたアルマヴェローチェが勝利！
個人的には最終的に本命を変えてしまったので悔しい思いをしましたが、参考にして下さった方がいるのなら幸いで御座います。

今週は同コースで牡馬メインの2歳G1。
同じようなポイントになるとは思いますが、先週に続き参考になればと思います！

それでは今週もよろしくお願い致します❕🔥

～～京都・芝1600ｍ、コース解説～～

2コーナー奥のポケットからスタート。外回りを使用したワンターンコースです。
向こう正面を抜けて3コーナーまでほぼ直線で700ｍ程あり、先行争いには十分な距離が確保されている。また、向こう正面の中ほどから京都名物の3コーナーを起点とした勾配に差し当る為、隊列さえ落ち着けば前半～中盤のペースは比較的緩みやすいと言える。

3コーナー過ぎから下り坂に差し掛かりピッチが上がる。ここで行き過ぎないようにしつつも、スムーズに下り坂を活かしてスピードに乗って行けるかは非常に大きなポイントになる。

直線は平坦のため、3～4コーナーで付けた勢いをそのまま活かしやすい。ここで付けた勢いを直線の加速に転化できるかどうかもポイントと言える。
また、4コーナーの形状的にも直線は馬群がばらけやすい分、ロスなく回ってこれる内目の枠の方が有利になりやすいと言えます。

マイル戦ながら、緩急のついた流れに対応できる機動力や加速力、下り坂を使った長く脚を使う能力や、折り合いなども求められるコースとなっています。

～～朝日杯FS・好走血統～～

✅タフ目な下り坂血統

✅タフ目な下り坂血統

今年は京都開催というイレギュラーな年になりますので、京都コースにフィットするように検討していきたい所です。

京都コースを検討する上で毎回触れていますが、3～4コーナーの勝負所にある下り坂をスムーズにこなせるかは非常に重要になって来る。
また、京都開催も終盤に差し掛かって来た事で、馬場もかなり荒れてきており、極端にではないが時計も掛かるようになってきましたし、馬力なども求められるようになってきている。

特に体力面が整いきっていない事が多い2歳馬達にとってはかなり厳しい条件になって来るだろうと思います。

そういった意味でも、下り坂血統の中でもやや重めで、体力面や底力と言った面も助長してくれる血統達は評価したい所。
具体的にはAhonooraやTom Rolfなどと言った所。更にはノーザンテーストを巻き込んだPrincely Gift系、付け加えるならサクラバクシンオーと言った所。これらを持ち合わせる血統達は今回の京都開催の同レースにおいて注視したい所です。

～～出走馬　血統解説～～

＊ここでは血統評価をA〜Dで評価していきたいと思います。たまにSが出てきます。笑
基準は下記の通り。　

①好走血統に沿っているか。
②そのレースで求められる能力に沿っているか。
③その馬が前走より血統的に条件が良くなるか。
④素質を感じる血統背景であるか。

の以上4点。加えて、そこからその他条件がついて回り、それが良い方に出そうか、悪い方に出そうか、その辺りを±を付けて評価していきたいと思います。

✅ミュージアムマイル

血統評価：S

黄菊賞1着から臨みます。

父がキンカメ後継でシーザリオの仔に当たる良血馬であるリオンディーズ、母父がトニービンを内包するサンデー系のハーツクライという配合。母はマイルで3勝を挙げたミュージアムヒルという血統馬で、母方を辿ると、名牝ロイコンに当たるので、同牝系にはマイルG1馬のシンコウラブリイやハッピーパス～チェッキーノ・コディーノ、タイキトレジャーなどがいる良血牝系出身です。
サンデーの3×4を持ち、主流条件向きの俊敏さを持ちつつ、シーザリオ牝系と相性の良いハーツクライを母父に持つ好配合。エフフォーリアなどと同様の互いのスピード源が刺激される並びの配合と言えます。
（Tom Fool≒Flaming Page∔Businesslike≒Revoked）
キンカメ系らしい万能さがありつつ、基礎スピードや仕上がりの早さに期待が持てる血統構成になっております。また、名牝系出身らしく底力もありそうな字面で、血統的にも弱点が少なく、様々なシチュエーションに対応できる血統構成と言えるでしょう。

前走の黄菊賞では、スタート後に両隣の馬に寄られて少し位置を下げる不利がありましたが、3～4コーナーの勝負所で外を回り進出し、直線で早々に抜け出して押し切り、後続には0.5秒差を付ける好内容のレース。
上がり重点の着差が付きにくいレースだったとも思っておりますが、そういった中でこの着差は評価出来る内容だと感じますし、後半の4Fが45.8で11.7 - 11.2 - 11.3 - 11.6と推移しており、同馬はもう少し早いタイムで上がっている事を加味しても相当に能力の高さを見せたレースだったと言えるでしょう。

血統的にも名牝系出身で、更に相性の良い好配合となっており、2歳戦からも活躍できる傾向にある血統をしている点など、ケチの付け所が無い。
主流条件であれば、評価すべき1頭と言えるでしょう。

一つ課題を述べるとすれば、前半から速い追走を求められるようなハイペースのレースを経験しておらず、更に距離短縮になる点。
ただ、明らかに短縮や速い追走がダメと言うタイプの血統でも無いので、一定程度対応できるだろうと思います。

血統的にもここまでの走り振りからも、弱点も少ないですしシンプルにここは高い評価を与えたいと思います。

✅アルテヴェローチェ

血統評価：S

サウジアラビアRC1着から臨みます。

父がRoberto系の中でも欧州血統を内包するモーリス、母父がディープインパクトという配合。祖母がアルゼンチンG1馬のクルソラで、母の全姉には桜花賞とオークスで好走したクルミナルがおり、同牝系にはククナ・アライバルなどもいる南米の良血牝系出身です。
サンデーの3×4を持ち主流条件向きの俊敏さを持ちつつ、欧州要素や体力のある要素が並び、タフで体力を求められるようなシチュエーションや後続持続戦にも対応できるタイプの血統構成と言えるでしょう。
同父×母父の配合にはジェラルディーナやディヴィーナ、アルナシームなどがいる、主流条件向きの好相性の配合で、クラシックな条件であれば幅広く対応できるタイプと言えるでしょう。

前走のサウジアラビアRCでは、降雨もあり稍重の馬場状態でしたが、後方から運び勝負所では外を進出し、上がり2位の脚を使って差し切る内容のレース。
少頭数だったのでスムーズな加速が出来て、更にハイペースになり後方勢に展開が向いた点など恵まれた所もある内容ですし、個人的にはタフな馬場も対応できるタイプの血統と見ていただけに、ここは及第点の評価としています。

評価したいのは2走前の新馬戦。
中団前目で運び、勝負所では外4頭目辺りを進出して早めに抜け出して押し切る内容。レースラップも上がりの3Fが12.1 - 11.6 - 11.5と加速ラップで推移しており、前には苦しい展開の中で押し切る好内容のレースだったと言えるでしょう。
ここで2着だったヒシアマンは次走で未勝利を圧勝して勝ち上がり、G2の京王杯でも少差の4着と好走しているように、高いパフォーマンスを示してくれたと思います。

能力の高さは証明済みですし、血統としても特にケチを付ける所が無く、高く評価したいと思います。
懸念としてはここまで揉まれるような競馬を経験していない分、スムーズに立ち回れるシチュエーションが欲しい所。それこそ先週の阪神JFのアルマヴェローチェのような立ち回りが理想かと思います。

スムーズに立ち回れるならば、好勝負必須な1頭だと思います。

✅アルレッキーノ

血統評価：A-

サウジアラビアRC5着から臨みます。

父がStorm Cat系の中でも芝向きなタイプであるブリックスアンドモルタル、母父がキングカメハメハという配合。母がオークス2着に実績のあるチェッキーノという血統馬で、半姉にはオークスを制しているチェルヴィニアがいる。更に母方を辿ると、名牝ロイコンに当たるので同牝系にはマイルG1馬のシンコウラブリイやハッピーパス～チェッキーノ・コディーノ、タイキトレジャーなどがいる良血牝系出身です。
父母間ではクロスが発生していないアウトブリードベースの配合で、基礎体力が助長されている並びになっている。父も母方も万能性のある並びをしているので、芝の条件であれば比較的様々な条件に対応できるタイプの血統構成と言えるでしょう。
牝系の格も高く、底力もあるタイプと言えるでしょう。

評価したいのは2走前の未勝利戦。先手を取り、直線でも余裕の手応えで加速し、そのままノーステッキで後続に7馬身1.2秒の差を付ける圧勝の内容。上がりの時計も1枚上の数字を出しましたし、2・3着馬も次走以降で勝ち上がっているようにレースレベルとしてもそこまで低くない。そういった中での圧勝は評価出来る内容だったと言えるでしょう。
新馬戦でも、東スポ杯を勝利するクロワデュノールの2着に好走しており、世代でも上位の能力を持っていると言えるでしょう。

前走のサウジアラビアRCでは5着に敗れましたが、初めて好位で控える形でレースをし、力むシーンもあった。血統的にもあまり揉まれない方が良いタイプですし、先行勢には苦しい展開だった事もある。度外視で良いと判断します。むしろ、控える形を経験できたことを評価しておきたいと思います。

展開を作る可能性もありますし、控える形での課題が克服できれば、好位でレースをする可能性もあるか。能力の高さや、血統的な質の高さは高評価としたい。
スムーズに自分の形で競馬できるかにフォーカスして慎重に最終評価をしたい1頭です。
その上で将来的には、揉まれずスムーズにゆったりと運べる中距離で力を発揮しそうな印象が強いです。

✅タイセイカレント

血統評価：B-

サウジアラビアRC2着から臨みます。

父がRoberto系の中でも欧州血統を内包するモーリス、母父がSadler's Wells後継の名種牡馬Galileoという配合。祖母が欧州の短距離重賞を制しているFire Lilyという血統馬で、半姉には交流重賞で好走経験のあるキャリックアリードがいます。
Sadler's Wellsの4×3を持ち、更にそれを強調するようにSadler's Wells≒Nureyevなども持ち合わせ、全体的に欧州指向なタフさや底力に富んだ要素が多く並んでいる。
ただ、3/4Northern Dancer∔1/4非Northern Dancer系を持ち、その他も豊富にNorthern Dancerを持つことで基礎スピードも助長されており、バランス自体は悪くない血統構成と言えるでしょう。

前走のサウジアラビアRCは後方から運び、直線の内目を伸びて脚を伸ばして2着に食い込む内容。個人的には後方勢に展開が向いた所や、力を要する馬場だった事も、底力やタフさがある血統の同馬に向いた側面もあり、内容としては及第点レベルと言えるか。
2走前の未勝利戦は2～4着馬が勝ち上がったハイレベル戦で、その中でも1枚上の力を見せており評価出来る内容だったと感じます。

前走でタフな馬場の中で脚を伸ばして来たように、基本的にはそういったタフなシチュエーションで強いタイプと言える。バランスの良さがある物の、良馬場での速い上がりや速い時計を求められるようなシチュエーションではやや劣る印象が強い。
今の馬場が荒れた京都コースがそういった意味でフィットしてきている可能性も十分ありますが、良馬場想定では1枚評価を落とすつもりで行きたいなと思います。

✅トータルクラリティ

血統評価：B∔

新潟2歳S1着から臨みます。

父がBlushing Groom系の凱旋門賞馬であるバゴ、母父がサンデー系の中でも揉まれ弱さを併せ持つスペシャルウィークという配合。母は短距離で2勝を挙げているビットレートと言う血統馬で、3代母がスルーオールなので同牝系にはスルーセブンシーズがいる米指向な追走力が助長されている良血牝系出身です。
ミスプロやHaloのクロスは持っておりますが、そこまで強調されていない並びになっており、シンプルに米指向な追走力が助長されたバゴ産駒というイメージの血統構成と言えるでしょう。
タフなイメージもありつつ、大箱コースで加速力を問われるようなシチュエーションにも対応できるタイプに感じます。

前走の新潟2歳Sは好位の外目を追走し、直線でも外から早めに抜け出した所を、2着馬のコートアリシアンに一時は差されますが、そこを差し返し勝ち切る好内容のレース
そのコートアリシアンに様々な課題（先週の血統解説で供述）があったとは言え、ラストまでしっかりと脚を伸ばして来た点は評価出来るでしょう。
新馬戦も加速ラップで勝ち切っており、能力の高さは評価出来る水準にあるだろうと思います。

その上で、ここまでの走り振りを見る限りは、バゴ産駒にしてはストライドがしっかりと伸びてくるタイプで、どちらかと言うと母方のイメージが強いように感じる。
故に、大箱コースの加速力を求められるようなシチュエーションでも、血統のイメージ以上に強い印象のあるタイプに感じます。そういった意味で、京都外回りのコースはフィットするだろうと感じます。

揉まれるようなシチュエーションになった際にそういった経験が無い事や、血統的にもあまり揉まれ強い方では無い点（特に母方の主張が強いタイプと見ているなら尚更）から、そういったシチュエーションになりそうな際は注意しながら評価したいと思います。

✅パンジャタワー

血統評価：C-

京王杯2歳S1着から臨みます。

父がミスプロ系の中でも前向きなスピードと底力を持つGone West系でパワーを持ち合わせるタワーオブロンドン、母父がサンデー系の中でもダート向きの馬力を持ち合わせるネオユニヴァースの後継であるヴィクトワールピサという配合。母のクラークスデールはダービー馬ロジユニヴァースの3/4同血の半妹馬という血統馬です。
父母間のSadler's Wells≒Nureyevを含めて、欧州指向な馬力や底力が助長されていますが、母方でMachiavellianのクロスを持っていたり、ミスプロ系らしい前向きなスピードが助長されている印象が強い血統構成と言えるでしょう。
早期からスピードを発揮できるタイプに感じますし、馬力もしっかりとしている印象で、タフ馬場や急坂にも強いタイプに感じます。

前走の京王杯2歳Sは中団の外目を追走し、直線でもスムーズに加速して外から差し切る内容のレース。
降雨の影響で馬場がある程度タフになって事や、前半～中盤にかけてある程度流れた事で差し脚を伸ばせる展開になって事など、やや恵まれた要素もあったと判断しています。

血統的には馬力とスピードのあるタイプの1頭で、個人的にも印を回したように前走のシチュエーションはかなりドンピシャだったと言えるでしょう。
今回がマイルへの延長になりますが、シンプルにマイナスになると感じます。
早期から動けるタイプである所はプラスに捉えたいですし、今の力を要する馬場になっている京都の馬場がプラスになれば前進可能に感じますが、血統的には控えめの評価としておきます。

✅ニタモノドウシ

血統評価：C∔

クローバーS1着から臨みます。

父はディープインパクト後継の中でも馬力に富んだディーマジェスティ、母父がSeeking the Goldの後継に当たるPetionvilleという配合。祖母が米重賞で好走経験のあるイスラコジーンなので、同牝系には皐月賞などを制しているイスラボニータなどがいる良血馬です。
父母間ではクロスが発生していないアウトブリードベースの配合で基礎体力が助長されている並びになっている。父系はどちらかと言うとパワーやタフさがあるタイプという事もあり、その面が助長されているタイプと言えるでしょう。

前走のクローバー賞は中団の外目を追走し、勝負所では外4頭目辺りを回り、早めに抜け出してそのまま押し切る好内容のレース。同コースの2歳レコードをマークしており、相手関係が弱かった中ではありますが、同馬単体では評価出来るレース振りだったと言えるでしょう。
2走前の新馬戦は1200m戦でそこからの延長ローテでしたが、やや力むシーンもありながら、折り合い面はしっかりとしていた点は評価したい。
今回も100mの延長ローテになりますが、問題無く対応できるだろうと判断します。

本来は小回りなどのコンパクトなコースで脚を伸ばす事に長けたタイプなので、直線の長い京都外回りは若干のマイナスに感じます。ただ、前走の脚の伸ばし方を見るにそこまで大きなマイナスにしなくても良いと感じますし、それ以上に洋芝でしっかりと脚を伸ばして来れた事を評価したく思います。
（先週のアルマヴェローチェが札幌からのローテだった事からも）

その上で、機動力や馬力を活かすためにも内目の枠が欲しい所か。
状況次第では十分チャンスがあるだろうと感じます。

✅アドマイヤズーム

血統評価：B-

京都の未勝利戦1着から臨みます。

父がRoberto系の中でも欧州血統を内包するモーリス、母父がトニービンを内包するサンデー系のハーツクライという配合。母は中距離を中心に4勝を挙げたダイワズームという血統馬で、同牝系には米G1馬のStrategic Maneuverなどもいる米ルーツの牝系出身です。
Haloを3本持っており、Halo由来の俊敏さや、米指向な追走力が豊富にある牝系出身とあり、平坦～下りのコンパクトなコースで能力を発揮できるタイプの血統構成と言えるでしょう。
また、晩成指向な所もありますが、祖母のラインのスピードから割かし早期からも動けるタイプになっているように感じます。

前走は京都マイルの未勝利戦。逃げ馬の外2番手辺りを追走し、直線で早々に抜け出して押し切り0.5差を付ける内容のレース。シンプルに卒なく回って勝ち切っており、派手さはありませんが無難に強い内容のレースだったと感じます。
新馬戦と併せて見ても、基本的には機動力や追走力、器用さがあるタイプの1頭で、コンパクトなコースで持続力を発揮しながら立ち回る事で力を発揮するタイプと言えるでしょう。
そういった意味では、同じ京都マイルでも外回りに変わる今回はマイナスになってしまうと感じます。

血統的には、本来は晩成指向なタイプでもある事から、現段階では控えめの評価としておきたい。
ただ、前走の走りから素質は評価したい。同馬の機動力や追走力を活かせるシチュエーションに戻ったタイミングで評価したいと思います。

✅ランスオブカオス

血統評価：C∔

京都の新馬戦1着から臨みます。

父がディープインパクト後継の中でも欧州的な馬力などを内包するシルバーステート、母父がSadler's Wells系の中でも俊敏さを併せ持つローエングリンという配合。母が芝の中距離で2勝を挙げたハイドランという血統馬。米ルーツの牝系出身で、同牝系には交流G1である全日本2歳優駿を制しているイイデケンシンがいる血統馬です。
米牝系出身馬ではありますが、Sadler's Wells≒Nureyevなどから、底力や持続力なども助長されており、一定程度のタフさを持つ並びの血統構成と言えるでしょう。
3/4Hail to Reason∔1/4非Hail to Reasonの好形配合になっており、俊敏さも助長されている。コンパクトなコースで長く脚を使って良さが出るタイプと言えるでしょう。

前走の新馬戦はスタートでやや後手を踏み後方からのレースになり、勝負所でも大外を回って進出。直線では早めに抜け出して押し切る内容のレースでした。
全体時計は平凡ではありますが、先行勢に有利な展開の中で後方から差し切っており、上がりの4Fも12.1 - 11.7 - 11.6 - 11.1と加速ラップを踏んでおり、優秀な内容だったと言えるでしょう。

今回は距離延長や、相手強化、多頭数替わり、斤量増、追走力を求められるシチュエーションになるなど、様々な課題がある。
ややハードルが高い印象はあるが、新馬で見せた走りから高い能力を持っているとは思いますので、ここでの経験が今後に活きればと思います。

その上で、1戦馬だからという事で極端にオッズが付くならば、1票入れたい気持ちもあります。
適性は及第点よりやや下のレベルでしょうか。

✅エイシンワンド

血統評価：C-

京王杯2歳S8着から臨みます。

父はStorm Cat系の中でも馬力や前向きなスピードなどの突進力に富んだディスクリートキャット、母父がサンデーを通さないHalo系の名マイラーであるタイキシャトルという配合。祖母に牝馬重賞で好走経験もあるタイキトゥインクルという血統馬で、母方を辿ると米ルーツの牝系出身でスピードや追走力が助長された一族出身です。
強烈なスピードを助長するIn Realityのクロスを代表に、米指向な前向きなスピード要素を多く内包した並びになっていますが、それと同時にTom RolfeやRobertoなどの馬力要素もしっかりと持ち合わせ、血統全体で突進力（パワーのある前向きなスピード）が助長されている血統構成になっています。

3走前の新馬戦は5分のスタートから良い二の脚で外2番手に付け、直線ではほぼ馬なりの手応えのまま並ぶと、残り200m辺りで鞭を入れて2着馬を抜き去る内容。
2着以降は6馬身1秒差を開けておりますし、接戦の2着だったクラスペディアも次走の小倉2歳Sで2着に好走しており、レベルも高いレースで力を見せたと言えるでしょう。

その小倉2歳Sではタフな重馬場の中ではありましたが、早々に抜け出して危なげなく押し切る内容。短距離では条件問わずにスピードを発揮できる所を見せたと言えるでしょう。

前走の京王杯は好位の内に付けますが、直線では伸びずに8着と敗戦。若干距離の壁があったようにも感じました。
それだけに、今回マイルへ更に延長になるのはマイナスになってしまうだろうと感じます。今の力を要する京都の芝は血統的にもフィットしそうに感じますが、ここではハードルが高い印象です。

✅ソードマスター

血統評価：B-

東京の未勝利戦1着から臨みます。

父がRoberto系の中でも大箱向きの素軽さを持つエピファネイア、母父がキングカメハメハという配合。祖母に牝馬重賞勝ち馬のデアリングハートがおり、更に母の全姉にはデアリングバードがいるので、3冠牝馬デアリングタクトとは同血に当たる良血馬です。
同父×母父の配合では、前述のデアリングタクトを含め、クラヴェルやソネットフレーズ、スカイグルーヴなど、比較的牝馬の活躍馬が目立つ配合の一つ。そういった意味では牡馬の場合は父の主張が強くなり過ぎないかが一つ懸念の配合ではあります。
その上で、サンデーの3×4を持つなど主流条件向きの俊敏さを併せ持っており、バランス自体は非常に良い血統構成です。

前走は東京の1800mの未勝利戦。馬体から発汗が見られるなど、ややテンションが高い中で、先手を取りに行きそのまま押し切る内容。直線では2着馬に並ばれるシーンもありましたが、そこからラストは0.1差を付ける地力を見せた内容だったかと思います。
ここまでのレース振り的にも、エピファネイア産駒らしく揉まれ弱く、ややテンションの高い所が見られるのが課題と言えるか。良くも悪くも、父らしいなという印象を受けます。

血統的にも能力的にも素質は認めますが、ここでは課題が多く、レース振りも難しい印象。評価は控えめとします。

✅ドラゴンブースト

血統評価：Ⅾ‐

デイリー杯2歳S2着から臨みます。

父がRoberto系の中でも欧州的なタフさを内包するスクリーンヒーロー、母父がFappiano系の中でも不器用さを併せ持つエンパイアメーカーという配合。祖母に短距離を中心に4勝を挙げたタイキメビウスがいる血統馬です。
母方で強烈なスピードを助長するIn Realityを3本持っており、そのスピード血統を重めの父でバランスを取っているような並びと言える。相性の良いミスプロ×Robertoという配合で持続力も助長されていますし、タフさもある血統構成と言えるでしょう。

前走のデイリー杯2歳Sは7頭立てと少頭数のレース。レースレベルとしても低めで、そこまで評価出来る内容ではありませんでした。このレースの勝ち馬であるランフォーヴァウが先週の阪神JFで11着と大きく負けている事からも、G1レベルでは能力的に劣る存在と言わざるを得ないと感じます。

適性的にも、京都外回りの速い上がりを求められるようなシチュエーションは向かないタイプだけに評価しにくい。
今の京都の馬場がマッチしているタイプだとは思いますが、ここでは評価しない方向です。

✅ダイシンラー

血統評価：D-

こうやまき賞5着から臨みます。

父がディープインパクト後継の中でも体力と俊敏さを併せ持つサトノダイヤモンド、母父がサンデーを通さないHalo系のタイキシャトルという配合。母方を辿ると欧州方面のタフさを豊富に持つ英国ルーツの牝系出身です。
Devil's Bagのクロスを含めてHaloを計5本持っており、俊敏さやパワーなどが助長されている並びになっている。基本的にはコンパクトなコースで、持続力を発揮しながら、俊敏に動くシチュエーションに強いタイプの血統構成と言えるでしょう。

前走のこうやまき賞は同馬にとって苦手な速い上がりや加速力を求めるレースになってし待ったのが大きいですが、それにしても負け過ぎな印象。
2走前も低レベル戦のデイリー杯2歳Sで3着に敗れていますし、ここでは地力で大きく劣る印象が強い。

適性的にも大箱向きのタイプではありませんし、ここでは評価できない。

✅クラスペディア

血統評価：B-

京王杯2歳S5着から臨みます。

父はStorm Cat系の中でも前向きなスピードを持つScat Daddyの後継に当たる新種牡馬ミスターメロディー、母父がサンデー系の中でもBold Ruler色の追走力が効いたアグネスタキオンという配合。祖母に欧州の中距離重賞を制しているオンブルリジェールを持ち、母の全姉には牝馬重賞を制しており、桜花賞とオークスで3着に好走したジェルミナルがいる良血馬です。
中距離指向な重さを持つ母方に、スピードのある父を併せてバランスを取ったタイプの並びになっていますが、米指向な前向きな追走力もしっかりとあるので、どちらかと言うと父らしいスピードタイプに出ている血統構成と言えるでしょう。

ここまで未勝利ながら、新馬戦では後の小倉2歳S勝ち馬エイシンワンドと僅差の2着。2走前がその小倉2歳Sで、再度エイシンワンドの2着に好走と能力を見せている。
前走の京王杯ではそのエイシンワンドよりも先着しての5着と、未勝利馬とは言い難いレース振りを見せていると言えるでしょう。

そのエイシンワンド比較にはなりますが、同馬の方が血統的に重さもしっかりとある分、マイルをこなす下地はあるように感じます。
相対的に見れば適性としては及第点レベルですが、少なくともエイシンワンドよりも人気が無い状態ならば1票入れる事も検討したい。

✅テイクイットオール

血統評価：C‐

京都2歳S6着から臨みます。

父がディープインパクト後継の中でもパワー指向なキズナ、母父がDanzig系の中でもより前向きなスピードが助長されたWar Frontという配合。母のトップソリストは短距離で2勝を挙げた血統馬です。
Seattle Slewなどから米指向な追走力も助長されていますが、欧州ルーツの牝系出身で、底力がしっかりとあるタイプの並びになっている。キズナ×Galileoという字面の配合を見ても、コンクシェルや交流重賞で活躍するキャリックアリードなどがいるように、体力やタフさを求めるシチュエーションに強いタイプの血統構成と言えるでしょう。

前走の京都2歳Sは好位の内を追走し良い形で直線を迎えましたが、馬場があまり良くない内に押し込められるような形になってしまい、伸びあぐねてしまった印象です。
ただ、パワー面がしっかりとしている血統だけに、もう少しこなして見せ場を作って欲しかったのが本音。地力面で劣る印象が強いと言わざるを得ないでしょう。

今回はマイルへの短縮となりますが、これもマイナスになる印象。新馬戦ではマイルを経験し勝利していますが、速い追走を問われると厳しいと感じますし、ここは適性外の印象。
もしチャンスがあるなら、積極的な競馬で体力を活かす方面か。

追々、タフな中距離戦で買うチャンスがありそうですが、ここでは控えめの評価です。

✅エルムラント

血統評価：D∔

葉牡丹賞12着から臨みます。

父がディープインパクト後継の中でも欧州方面のしなやかさがより助長されたフィエールマン、母父がDanehillの後継に当たるExceed And Excelと言う配合。母は芝の短距離で3勝を挙げたエクシードリミッツという血統馬で、母方を辿ると同牝系にはムードインディゴ～ユーキャンスマイルなどもいる欧州ルーツの牝系出身です。
Danzigのクロスを中心に、前向きなスピード色が強く、硬く締まったタイプの牝馬に、欧州方面のしなやかさのあるフィエールマンを付けてバランスを取ったタイプの並びになっており、基本的には晩成感が強いであろうフィエールマン産駒を早期からも動けるようにした血統構成と言えるでしょう。

前走の葉牡丹賞では大外枠から先手を取り、淡々としたペースを刻みますが、勝負所で早々に飲み込まれしんがり負け。高速馬場の影響もあったとはいえ、レコード決着となったレベルの高いレースだった事もあったとは思いますが、それでも負け過ぎな印象。
ここでは地力で劣ると評価せざるを得ないと感じます。

その上で、京都の外回りに変わるのはフィエールマン産駒と言う観点からプラスに感じます。
京都替わりでどれだけ上積みが見込めるかでしょう。

✅コスモストーム

血統評価：D

兵庫ジュニアGP5着から臨みます。

父がDanzig系の中でもより前向きなスピードが助長されたデクラレーションオブウォー、母父がキングカメハメハという配合。祖母には交流重賞を勝利しているスティールパスという血統馬で、母方を辿るとビリーヴなどを輩出したGreat Lady Mなどに当たる良血牝系出身です。
父母と母父が共に前向きなスピードが助長されるミスプロ×Nijinskyを内包しており、父系や牝系のイメージと併せても、前向きな速力に富んだ並びの血統構成と言えます。

前走は交流重賞で上位に食い込む走りを見せましたが、不利な大外枠だったとは言えもう少し見せ場が欲しかった印象。

今回芝替わり∔距離延長になりますが、どちらも血統的にはマイナスの印象が強く、ここは評価出来ない。

芝であれば、短めの距離の時計が掛かる馬場か、反対に超高速馬場のようなシチュエーションが欲しい所です。

～～まとめ～～

✅現状の印

◎ミュージアムマイル
〇アルテヴェローチェ
▲トータルクラリティ
☆ランスオブカオス
△アルレッキーノ
△ニタモノドウシ

現状の本命は◎ミュージアムマイルとさせて頂きます。前述の通り、現状の完成度の高さや弱点の少なさは評価すべきと感じました。血統的にもケチを付ける所が無く、マイルへの短縮や速い追走をこなせれば勝ち負けの確率高い1頭と言えるでしょう。

〇アルテヴェローチェもほぼ同率レベルで高い評価の1頭。前走のサウジアラビアRCよりも新馬戦の方が能力の高さはより示してくれたと思いますし、先週の阪神JFを見ても、洋芝で高いパフォーマンスを見せてくれた所は心強いと感じます。

能力の底がまだ未知数にも見える☆ランスオブカオスは経験値と言うハードルさえ乗り越えればチャンスのある1頭と見ています。

本日は以上になります！

最後までご覧頂きありがとうございました。