【詩】 徒花
おまえは私にどっしりと根を張らせ
背骨に絡みついてはもはやこの肉体から
抜き去れそうもない
おまえは初め私の背骨に
心地よく寄り添っていた
ところが
いまや我が物顔ですっかりと居座り
背骨に成り代わって
私の芯となっている
わかるのだ
昔はその白さに全身を
明るく照らし出し
心の臓も健やかだった
軽やかだったのだ
歩めばその歩調に
背骨はよく歌いだしたものだ
それがいまやどうだ
まるでこの世界で歩くのを
断固として拒むように
潤滑油の途切れた機械のように
軋みだす始末!
悪魔でさえ
この背中を掻っ捌くのは
御免蒙るだろう
その傷口から目を抉るような
びっしりと敷き詰められた
徒花の大木を
私自身でさえ
もう目にしたくはないのだから