【詩】 無垢の雄叫び 酒と煙草1 少年と老人
酒に意識は清められ
頭蓋骨に押し込められた願望が
いまありありと心臓の扉を
ノックする
いつまで眠り続けねばならないのだ!
脈打つ鼓動のひと波に全身が騒めく
最も純粋な願望以外はすべて麻酔に
呑まれ、少年がただひとり瞼の裏で
ひっそりと佇む
まだ、そこにいたのか!
見よ、おまえは疾うに老い朽ちて
誰の目にも留まらぬ浮遊物と成り下がった
いつまでそこにいるのだ!
もう何者にもなり得ぬ 遅いのだ
常識の泥沼に自らの決断で足を突っ込み
ただ、そこで生を耕す、不毛な耕作者と
なったのだ
見よ! この常識にまみれた手を
たまに、空を眺めて幸せだと
自分自身に呪いをかけるような人生を
他ならぬお前が決めたのだ!
不自由の奴隷よ
お前の肺はすっかりと煙草の煙に焼かれ
声もすっかりとしわがれた
もう、やめてくれ!
お前は疾うに死んだのだ!