2歳児が無人の空間に指をさして「だれ?」と聞いてくる

頭脳労働に打ち込んだだけじゃ飽き足らず肉体労働にも勤しんで何かの搾かすみたいになってる脳味噌で今日の最後の創作活動をしよう。

多分2歳児あるあるなんだと思うんだけれど、うちのも最近やり始めていて。

「んほ?だれ?だれ?だれだ?」

と突然空間に向かって問いかけはじめる。

おやと思って一応こちらも振り返ってみるが、当然だれもいない。

台所、廊下、物置…。

雰囲気あるからちょっとやだわ笑

築年数けっこう経ってんすよ。
それなりにこう、ね、そういう、ね。

そんな大人の事情など知らぬムッスメはただただ見つけては問いかける。

「だれ?」

「ね、だれ?」

由緒ある城下町の由緒ある八幡宮のすぐ近く。1000年近い歴史をもつお寺もすぐ近くにあるよ。ムッスメ。きっといろんな由緒があるよ。ムッスメ。

まだ満足に喋れないし、生命体になってからまだ2年しか経ってないし、この世とそうでない世の境もあいまいな時があるのだろうよ。

ムッスメよ。

それはもしかしたら見てはいけないものかもしれないし、見ていいものかもしれないし、もしかして「あれ何?」の語彙が足りなくて「だれ?」になっているのかもしれないし。

本当のところは知らないけれど、君がまだその曖昧な足場を残しつつ、見たものを伝える術を身につける(この二つはきっと両立しない。なぜなら、言葉を身につけるということは、言葉を嫌う世界を閉ざすことでもあるからだ)その一瞬の刻に運よく居合わせたなら、それがなになのか教えてくれよ。

「ねぇ、あれ、だれ?」

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浅沼大樹
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