Daiki Hayashi

Daiki Hayashi

最近の記事

#27 がんじがらめの

-こっちじゃない、こっちじゃない、すると- いつからか かなしばりというものが起こるようになった。 深い睡眠に入る直前くらいになることが多い。 僕は昔からなかなか寝付けないことはなく あまり時間が経たないうちに眠りに入る。 だが、かなしばりが発生する時は ふわーっと眠りに入ろうとした瞬間、なんだか怖い気持ちになる。 怖い気持ちというのは 例えるなら、もし今部屋の隅に女性の霊がいたらとかよくある心霊的な怖さだったり、なんだか分からないけど怖い、恐ろしいという気持ちにな

    • #26 探し物は何ですか?

      -ちゃんと手を使って探すんだよ- 最近よく物をなくす、忘れる。 正確に言えば昔からだが。 スーパーで買い物をして レジでお会計を済ませ 意気揚々と袋詰めしようとマイバッグをリュックから取り出そうとしたら、ない。 探せども探せどもない。 ある一日を終え、自宅で財布をリュックから取り出そうとしたら、ない。 探せども探せどもない。 今日は乾燥してるなぁと、カフェでポケットからリップクリームを取り出そうとしたら、ない。 探せども探せどもない。 これがここ数週間で起きているの

      • #25 緑とりんごとエトセトラ

        -電気のせいか、いやそれ以外の何かによって明るいのだ- 某カフェに行くのは何年振りか。 そのカフェは世界いろんな所にあるカフェで 僕から見るといわゆる意識が高そうなお客が利用しそうな場所。 りんごのマークが入ったPC片手に入りたくなるような。 もはや通行証なのではないかというくらい店内でそのPCを開いている人を見かける。 自意識過剰、被害妄想満点な僕にとっては いつからか一人で行くにはハードルの高い場所になっていた。 誰かと一緒に行く分には問題はないのだが。 そもそも

        • #24 母つよし姉たくまし僕追いし

          -いってらっしゃい、いつ帰ってくるの?- 先日、母が誕生日で 過ぎてしまったものの僕と姉の二人の三人でお祝いをした。 ちょっとしたサプライズで どこに行くか告げず 外食をし、欲しいと言っていたものをプレゼントする。 ひと月くらい前に 姉No.2が急にLINEのグループを作り なにかやろう!と言い出した。 でもまぁ、話は逸れるわ、ふざけるわ、プレゼントは決まらないわ、値段で揉めるわ、いくつになっても3バカトリオなのである。 筆頭にふざけていたのは言うまでもなく僕なのだが

          #23 寝転びながら鼻すする

          -おて、おかわり、おすわり、できるわけないか- 小さい頃から 動物が身近にいた。 ヒトだって動物だろ、ホモ・サピエンスがどうたらこうたらという動物学的な話ではない。 かといってライオンやキリン、ゾウみたいな、いわゆる動物園にいる類のものでもない。 主によく家で飼われる動物たち。 実家では 猫、犬、ハムスター、インコなど。 よく一緒にいた記憶があるのが 猫である。 名前はもちろんある。 実際今も実家に二匹いる。 あまりカウントするのも心証が悪くなりそうだが今までに

          #23 寝転びながら鼻すする

          #22 なぜナビなびかれナミダ後編

          -かゆいのよ、かゆい- 兎にも角にも 急がねばならない。 ドライバーのおじちゃんも悪い人ではない。 片手でハンドルをきり、もう片方でナビの画面をタッチする。何度も、何度も。ざっくりと。 スロースピードで進む車。 その隣を自転車が通り過ぎる。 むなしい。 タクシーの真価を発揮してくれ。 このままでは地獄のような時間が続く。 ひとまず提案してみよう。 「一回停まって、エンジンかけ直すとか、ナビの電源落とすとかしたら直るんじゃないですか?」 焦りで叫びたくなる気持ちをお

          #22 なぜナビなびかれナミダ後編

          #21 なぜナビなびかれナミダ

          -そこがいいとこで、悪いとこで、なにものでもないとこなんだよ- 仕事に向かうため タクシーに乗る。 その日は朝6時に都内某所に集合。 当たり前のようにタクシーに乗ってるが 当たり前じゃない。 タクシーとか贅沢よ、贅沢。 なぜ乗ることになったか。 言い訳あるあるベスト10に入るであろう 「1回家を出たけど、忘れ物思い出して取りに帰ったらとんでもない時間になってしまった。」 振り返ってみよう。 朝、家を出てしばらく歩く。 目指すは最寄り駅、ではない。 その日は朝早

          #21 なぜナビなびかれナミダ

          #20 インザギンザ

          -そのタイルは綺麗に並べられている- この前、とある展示を見るために銀座へと向かった。 歩き、電車に揺られ、銀座へ到着。 普段全くと言っていいほど、銀座へは来ない。 用がないのはもちろんだが、どうも、こう、なじめない。 ごめんなさい、銀座。君は何も悪くないのだよ。 それはこの街自体にステータスのようなものを感じているのは一つある。 街を歩けば海外の名だたるブランドが立ち並び、美食家が集いそうな隠れ家的飲食店がある。 いい歳の大人の僕が おとなのまちだなぁ、きゃは。 と心

          #20 インザギンザ

          #19 スッとすっ飛ばしたわけ

          -歩けども、そこに辿り着かなかった- ついにやってしまった。 note毎週更新はやくも途切れる。 忘れてたわけではない。 頭のどこかにはnoteの存在はあった。 それくらい、大事にしてる。 今回はなぜ更新をすっとばしたか その言い訳のオンパレードの回である。 とくと楽しんでいただきたい。 まずはじめに 寝ちゃう。 シンプルにこれ。 仕事が終わり家に帰り、ごはんをたべ 寝てしまう。 あーnote書こう...そして夢の中へ... この繰り返し。 あとは Netfl

          #19 スッとすっ飛ばしたわけ

          #18 あしたはシアター

          -ふわっと明るくなったとき、僕の脳裏には- どんな偶然か。 最近各所で 一番好きな映画作品はなんですか? とアンケートだったりで聞かれることが多かった。 たまたまにしては 全く別の場所で同じような質問をされると驚く。 だが、この質問はなかなか困る。 ナンバーワンと言われると決めるのが難しい。 いつ見たか、その時どんな体調だったか、どんな見方をしたか、もうその時の状況で印象もだいぶ変わる。 最高だ! と思ったものが次見た時 微妙だったな... と変わってしまうものもあ

          #18 あしたはシアター

          #17 耳をふさげば

          -かすかに、届いている気がする- 家でよく映画を見るのだが 音量をとてつもなく気にしている。 去年、今の家に引っ越してから 隣人の生活音が以前の家より多少だが聞こえるのだ。 ならば自分の家の音も相当聞こえるはずだと思い、テレビの音を下げるようにした。 もちろんテレビだけでなく大音量で歌うなり、大音量で音楽、ラジオを流す、一人で思いきり暴れてみるのも避けている。 暴れたことはないんですけれども。 小学生の頃、自分の部屋の上は父親の部屋だった。 父親も映画を観ることが好きで

          #17 耳をふさげば

          #16 全員参加型遊戯

          -いち、に、さん、し、ご- 僕はゲームに疎い。 正確には疎くなってしまった。 この前、友人と久々にゲームをした。 ニンテンドースイッチのマリオカート。 面白い。久々にやるとほんっとうに面白い。 友人は隣にいる僕がここまでマリオカートに感動してるなんて知る由もないだろう。 しかし、ゲームというものをやらなくなって何年経つだろうか。 もともと親も姉もゲームをやる人で 僕が生まれた頃から家に何かしらあったであろうゲームは珍しいものではなく、日常的なものだった。 僕の家庭用

          #16 全員参加型遊戯

          #15 時をかける症状

          -あれは鈴の音か、彼はどこか先を見ていた- もう年末ともなると 今年一年を振り返ることが多くなる。 しかし今年は 振り返ることをあまりしていないのだ。 いや振り返りたいのだが 先のことばかり考えてしまっていたのと たぶん振り返りたくないこともある一年だったのだろう。 思えば毎年そうなのかもしれない。 人生いろいろだ。 ------ なんて書き出しで 年末に書き始めていたら それこそ目まぐるしくやってくることに追われ 気づけば年を越してしまった。 少し時期がズレてし

          #15 時をかける症状

          #14 覆うようにして応じて

          -見えないからこそ、見えてくるものもあるのだろう- 僕が子供の頃 マスクをする、なんて概念はほぼなくて 給食当番や風邪をひいたとき布製のマスクをした記憶があるくらい。 いつからか気づけば使い捨てのマスクを一般の人も当たり前のようにつけるようになる。 それでも花粉症の人、体調悪い人など一部の人が限定してつけていた。 僕もこの仕事をするようになってから マスクをよくするようになった。 のどの乾燥を防ぐとか周りから風邪などもらってしまわないようにとか お前ごときが俳優さんみた

          #14 覆うようにして応じて

          #13 続コンポタ娘とカフェラテ男

          -吸い込まれるような、その目を見た僕は気づけば- その場を立ち去った。 電話する予定などないのに。 国道沿いをまっすぐ歩く。 しかし頭にはさっきのことがグルグルめぐる。 あの子がまた別の人に声かけ そいつがいい人のフリして 実は危ないやつだったら... その子はどうなる? なんのためらいもなく自宅とか言おうとしちゃってるし。 片手に持ったカフェラテを飲むと少しぬるくなっていた。 まだ稽古開始まで時間はある。 今からここを引き返してダンボールを運んでも間に合うだろう。

          #13 続コンポタ娘とカフェラテ男

          #12 コンポタ娘とカフェラテ男

          –両手でそれを包むように持つと 手のひらにじわじわと血が巡るような感覚が広がる– そうそう。 僕は今 稽古中なのだ。 そんな日々のなか この話は 稽古場へ向かう道中から始まる。 はじめに書いておくが 先週本当にあった出来事だ。 決して妄想ではない。はて。 今の現場の稽古場は駅から少し離れているため バスで向かっている。 早い時間に稽古場へ到着しそうになった僕は 降りる予定のバス停の2つ前であえて降りてみた。 散歩がてら身体を動かすがてらコンビニであったかい飲み物を

          #12 コンポタ娘とカフェラテ男