レイク・テカポ
11月10日、晴れ。
予報を見ると3日先まで晴れるらしい。そして12日は新月。星空観察をするなら月明かりのない新月だといわれているが、ベストタイミングだった。
ニュージーランドの道はそれほど多くなく分かりやすい。基本的に街から街までの道は決まっているし、開けているのでみんなスピードを出す。だいたいの車が90〜100kmあたりで走っているが、自分の経験からいうと、100以上出すと小動物を轢いてしまう確率が格段に上がる。何度か道路を横切る鳥を轢きかけてひやっとしたので、100km以上出すことはやめにした。
3時間弱走ったところでレイク・テカポに到着。
駐車場に車を停めて外に出ると、コンビニで昼食用にバナナとポークハムとクロワッサン、夕食用にソーセージを購入し湖の近くまで歩いていく。
ウッドテーブルで昼食をとっているとアヒルが
2匹餌を求めて近寄ってくるかと思えば、ウサギがすぐそばをあっという間に駆け抜けていく。
まるでRPGの世界だった。空気が澄んでいて山の輪郭がくっきりと見える。山々に囲まれるようにミルキーブルーの湖があり、手前に広がるみずみずしい緑の草原には、ルピナスの花が咲き始めていた。
景色に見惚れていると、あっという間に夕方が近づく。
車を動かして1km先の宿に向かい、チェックインを済ませてドミトリーの部屋に入ると、既に20代くらいの欧米人女性と中年の中国人がベッドでくつろいでいた。荷物を置いて部屋を出ると「Hey!」後ろから声がした。中国人だった。「Are you staying this room tonight?」「Yes」
荷物置いた時点でわかるのになぜ聞いた、絶対変人だ、と思いながら夕食をつくりにキッチンへ。美味しそうな夕食の準備をしているバックパッカーたち。その横でソーセージだけ炙ってロールパンと牛乳をつまむ。これが今日の夕食だ。本当に食料が高くて簡単なものしか買えない。その後宿を探検して少しゆっくりした後、午後9時半ごろにPENTAXを持って再び湖に向かう。最大の目的である星空を観に行くために。
辺りは街灯もほとんどなく、本当に真っ暗。あるのは天上に輝く星の光だけ。そのまま草原伝いに歩いて「善い羊飼いの教会」まで向かう。
満天の星空の下、山々に囲まれた湖のほとりにある小さな教会。その絵をスマホで写真を撮るのは不可能だった(暗すぎて)。