フィヨルドランド国立公園ケプラートラックⅠ
2024年6月26日現在、アフリカのある国でこの記録の続きを書いている。
ニュージーランド南島に渡ったのが2023年11月のことだ。もうあれから半年以上がすぎ、正直いうとあの時のの新鮮な感覚はすでに失われているかもしれない。それでも完全に消え去るうちに記録として残しておこうと思う。
NZには数多のトレッキングコースがあるが、中でも政府管轄の自然保護省DOCが指定する9つの自然遊歩道は「グレートウォークス」と呼ばれている。日本を発つ前からこのグレートウォークスの1つは必ず歩くことを決めていた。
グレートウォークスを歩くうえで注意したいのは、事前にDOCのwebサイトでキャンプ場もしくは山小屋の予約を行っておかなければならないこと。最も有名で人気のあるミルフォード・トラックなんかは少し特殊で1年前からその予約がいっぱいになっている。
そこで今回、ミルフォード・トラックにも近く知名度も高い、予約も比較的入れやすいルートバーン・トラックを歩くつもりで、NZ到着時から天気予報と予約サイトを見比べながら毎晩吟味していた。
しかし道中も予報はコロコロと変わり、結局ルートバーン・トラック辺りはずっと雨模様。そんなこんなでインバーカーギルに着いた頃あたりに、南西テ・アナウの街近く、「ケプラー・トラック」にトレッキングコースを変更したのだった。ケプラートラックは周遊コースなので、出発地点に戻ってこられることを考えるとレンタカー旅行者には都合もよかった。
ケプラーは本来3泊4日コースで、それに合わせてキャンプ場や山小屋に宿泊するのが一般的だ。
しかし今回はスケジュールと宿泊代の節約の関係で、1泊2日でこのコースを歩くことにした。上のマップで右からスタートし、マップの真ん中のあたり、ちょうど30kmほど歩いた先のアイリスバーン・ハットにあるキャンプ場で宿泊する。このまわりにしたのは、単純に2日目、つまり後に楽しみを残しておきたかったからだ。地図を見ても分かる通り、2日中1日はほとんど平地を歩くことになる。
そしてテ・アナウの宿に2泊滞在した翌日の9時ごろ、ケプラー・トラックに入山した。