
日本の新しいM&Aの形~ニデックTOBから学ぶ~
今日はわたしが注目しているM&Aについてお話していきます。
その注目のMAとはニデックが牧野フライスに同意なきTOBを仕掛けようとしているというもの。MAとTOBはほぼ一緒の意味で、MAは広義の定義で、TOBはMAの協議の定義と認識してもらえれば問題ない。(以後、MAとTOBをほぼ同じ意味として使っているので留意してください!)TOBとは、Take over bidのことでいわゆる株式公開買い付けのこと。(株式公開買い付けがあんまピンとこないよって人は簡単に言えば、市場で取引されている会社の株式を取引価格の30~40%くらいのプレミアムを上乗せして市場から買い付けることをいうって覚えてもらえれば大丈夫。例えるならば、築地の朝市である特定の魚“=これを会社と捉えてもらえれば分かりやすい。”が1匹1000円という一律の値段で築地の各所で売られていたものを全ての店舗から1500円で買い付けて、買い占めちゃうみたいなイメージ。)
そのTOBをニデックは牧野フライスの許可なしに実施しようとしている。従来の日本のTOBは事前に同意を得てからやるのが普通だった。しかし今回は事前に同意を得ていない。ここにおれが注目した面白さが詰まっている。日本は今まで同意を得てからTOBを実施していたため意思決定が遅く、海外ファンドなどに先にTOBされていたり提携を結ばれていたりしたケースが非常に多かった。それは日本企業の成長にはもちろん悪影響で、以前から改善すべきとの声が上がっていた。しかし保守的な日本企業たちは変化を嫌った結果、なかなか同意なきTOBに踏み切れずにいた。しかし最近は少し様相が違う。ニデックは2022年にも工作大手のTAKIKAWA(会社名はあってるか忘れた笑)に同意なきTOBを仕掛けた過去がある。さらに最近、第一生命HDがベネフィット・ワンに対して対抗TOB(=同意なきTOBと似ている。簡単に言えば元々TOBを実施する予定であった会社よりも高いTOB価格を提示してTOBを実施してしまう強奪TOBのようなもの。日常で例えるなら入籍直前の女の子に、その彼氏よりも自分がハイスペックであることを示して略奪してそのまま結婚するようなイメージ。)を行った。このように日本企業のMAスタイルは今、変わろうとして来ている。決してこのような敵対的TOBが国民の目にはよく映らないのはわかっている。ただし、これは企業の成長には必須のプロセスであり、これからもどんどん実行されていくべきであるとおれは思っている。
皆さんは敵対的TOBについてどう思われますか!