オンラインでどうやってコーチングするの?
「オンラインでどうやってコーチングをするのですか?」とよく質問されます。きっと僕が椅子などをたくさんつかってコーチングするから、そうきかれるのだと思います。(最大使った時は、後で数えたら100脚超えてた記憶があります)
そして質問してくれる方も、単に言葉だけを使うのではなく、身体に働きかけダイナミックに変化を生み出すようなコーチングをしたくて、どうやったらオンラインでできるかを知りたいのだと思います。
僕だって、椅子を使わないとコーチングできないわけではありません。別にZOOMだって、電話だって、ラインだってコーチングをすることは可能です。
対面でコーチングする場合だって、どうしてもそうする必要があるなら、じっと座って、言葉だけでコーチングすることができないわけではないのです。
でも、可能な限り対面で、椅子などを使ってコーチングしたいのです。なぜかというと、クライアントに色々な視点に立って考えてもらうのに、最も簡単で便利なのが、椅子をつかって行うコーチングだからです。
クライアントにとって、気づきが生まれやすい、効果が定着しやすいやり方なので、採用しているのです。
先日青森市で講演会に呼んでもらいましたが。そしてそのなかで公開コーチングをさせてもらいました。クライアントはなかなかに難しい親子関係をテーマに出されましたが、椅子を使って進めておかげで、何を指針にどんな風にコミュニケーションをとっていけばいいかにドンドン気づいておられました。
見ている方にとっても、コーチングの構造がよくわかるし、どうやって効果が出ているかが一目瞭然なので、教育的という点でもいい手法だとおもいます。
だから僕は対面しかも椅子を使うセッションにこだわっているのです。
①対面にこだわるのもあり
だから、僕はコーチングを依頼された場合、基本的には対面で受けてもらっています。飛行機や新幹線でも通って来られる方もいます。
繰り返しになりますが、オンラインでもできなくはないのです。でも正直対面のクオリティはオンラインでは再現できません。オンラインではクライアント側の情報も制限されますし、コーチからクライアントに働きかける手段も制限されます。ほぼ言葉しか使わずにコーチングするなら、大差ないかも知れませんが、僕からしたら、総合格闘家が口喧嘩してるみたいな感じ(例え下手くそか)で、とてもやりにくいのです。プロサッカー選手が、オンラインサッカーゲームで対決している感じ?それもちょっと違うか。でも、場合によってはそれぐらい違うゲームな可能性もありますね。
大抵のコーチよりも知識やスキルがあるであろうベテランコーチですらそんな状態ですから、むしろ初中級のコーチたちのほうが、いろいろな試みができる対面でのセッションを選択した方がクライアントの満足度があがる可能性もあります。(しつこいようですが、言語系のスキルのみ使うコーチはこの限りではありません)
オンライン全盛時代だからこそ、対面でのセッションが価値を生む可能性もありますから、その価値をしっかりと言語化した上で、対面でのみセッションをするという方向性もありだと思います。
最近はレンタルスペースなども増えているし、リーズナブルです。公民館やカラオケなども使えますし、カフェやラウンジだって、オンラインよりはできることは多いです。
②言語系のスキルで頑張るのもあり
なんらかの理由でオンラインでやりたい場合は、質問やフィードバックなど言語系のスキルだけで頑張ると決めるのもありです。
それだけでもできることはたくさんありますし、そうやって頑張れば、言語系のスキルが上達していくのです。
電話しかなかった時代にコーチをしていた人たちは、相手の声のトーンの些細な変化などを捕まえて、フィードバックしたりするのが上手でした。手段が制約されていたほうが、そこに特化したスキルが開発されるわけです。
言語系スキルのレベルが十分に高まれば、メールやメッセンジャーなど文字だけでのコーチングカウンセリングにも対応できる可能性があります。そのような方向性でも頑張りたいなら、こういった方向に進むのも良いですね
もちろん対面セッションを今後もする場合も言語系のスキルが高いのは良いことですから、オンラインでは言語系スキルで頑張ってみるのもありですね
③広い部屋で受けてもらう
たくさん椅子を使ったセッションがやりたいなら、クライアントに広くてたくさん椅子がある部屋でオンラインセッションをうけてもらうのもありですね。
レンタルスペースなどなくても、会社の会議室や公民館などどこの地域にもあるものです。理由を説明して、広い部屋でのセッションを受けてもらえば、コーチは遠方にいてオンラインであったとしても、タイムラインでもポジションチェンジでもやれるわけです。
言葉だけで的確に支持を出すスキルが問われたり、タイムラインや使っている椅子がカメラから見切れるなどのやりにくさはあるかもしれませんが、クライアントに協力してもらえたら、それなりのことはできると思います。
また、コーチも広いスペースにいれば、クライアントが並べている椅子を見ながら、自分の側でも同じ配置に椅子を置いてみることなどもできます。そうすると、コーチも一緒に体験しながら、コーチングを進められるわけです。
これは対面ではできない(やりにくい)やり方なので、オンラインならではですね。時間を決めて両方とも公民館からアクセスする。そんなやり方もありですね。とくにコーチ同士で練習する場合などは、こういったやり方はいいですね。
広い空間で椅子などのものを使って行うコーチングをやりたかったら、そのような場所を用意するしかないのです。別のやりかたでも近しいことをできないわけではありませんが、やはり同じようにはできないのです。
やはりサッカー選手になりたかったら、グランド借りて練習しましょう。グランド行って試合しましょう。という話なのです。
もしくはあなたがパーソナルトレーナーなら、基本的にお客さんにはジムに来てもらいますよね。お互い家にいながら、オンラインで指示出して、家でできるトレーニングをしてもらうこともできますし、お客さんには地元のジムに行ってもらって、オンラインで指示出しすることもできますが、やはり対面で関わるのとは違ってしまいますよね、という話です。
④オンラインで可能な限り工夫をする
次は、オンライン(比較的狭くて動きが制限される場所など)でも可能な限りの工夫をして、心身に働きかけるコーチングをしよとするパターンです。
これは先ほどのパーソナルトレーナーの例えでいうと、お客さんには自宅にいてもらって、自宅にあるものを使いながらトレーニングしてもらうようなものかも知れません。
だからこそ、トレーナーである我々は、ジムでの対面トレーニングの経験をしっかりと積む必要があるのです。専用のマシーンをつかって、正しいフォームで、しっかりと筋肉に効かせてトレーニングをする経験を積んでいるからこそ、遠方かつ代替品を使ってのトレーニングでも、なんとか筋肉に効くトレーニングになるのではないかと思います。
なので「オンラインでどうやってコーチングするのですか」への答えは、もしオンラインでもダイナミックなコーチングがしたいなら、まずは対面でのセッションで様々な経験を積んだ上で
「あの対面セッションのような体験を、どうやったらオンラインで一部でも再現できるだろうか」と考えて
その時々のクライアントがいる環境にあるものをつかって、その環境でできそうなことを探っていくということになるのです。
⑤簡易的にできること
とはいえ、家にあるものを使ってできる筋トレ方法があるように、簡単にできるやり方も存在します。
お尻半分ポジションチェンジ
ポジションチェンジは、椅子が一つしかなくてもできます。椅子の上で、お尻を右にずらしたり、左にずらしたりすれば良いのです。いま椅子に座っている方は、ためしに右側にお尻をずらしてみてください。そして左側を見て、そちらにいる自分を他人目線から見ているつもりになってみて欲しいのです。ちょっと自分を客観視する気持ちになるのではないでしょうか
この程度のことでも気持ちが切り替わるので、何もしないよりマシなのです。
CO「奥さんはあなたのことどう思っているのでしょう」
CL「そうですね。いい気持ちではないと思いますけど」
CO「ちょっと奥さんの気持ちになって、あなたのことを見てもらいたいので、お尻を椅子の右側にずらしてもらっていいですか」
CL「はい」
CO「そして左側を向いてください。そこにあなたがいます。どんな気持ちですか」
CL「腹立たしいですね」
これだけのことですが、普通に質問するのとは違う結果になることも多いのです。
そしてこれが成立するということは、椅子から立ち上がって、椅子の後ろにでも立ってもらえば、自分を俯瞰的な目線で見ることもできますね。
ちょっとでも椅子を前に出したり、後ろに下がったりすれば、タイムラインもできるわけです。
相手の机の上にあるものを使って、状況や人間関係を表してもらうこともできますね。紙とペンがあれば、絵や図で表現してもらうこともできます。
やろうと思えばできることはたくさんあります。クライアントだって、変化を作りたくて受けているわけですから、説明すればできる範囲で協力してくれるのではないでしょうか。
しかし、繰り返しになりますが、これらのワークを効果的に行おうとするなら、やはり対面セッションの経験を積んでおくことがマストなのです。対面であれば、何ができるのか。それはどうやったら実現できるのかがわかっていないのに、オンラインで対面セッションのようなコーチングができるということは起こりませんね。
とはいえ、オンラインでの身体をつかったセッションを見てみたいというかたもいると思いますので、そのうち作ろうかなとも思っています。
みなさん、頑張ってね!
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