感動ストーリーが語りたいなら

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 いよいよ本当に今年もカウントダウンですね。「来年はもう書かないのですか?」という質問をいただくのですが、書かないです。正確には、こんな量を毎日書くことはないです。もちろん気が向いたら書きますので、またお付き合いいただければ幸いです。


 今日のテーマはストーリーテリングについて。コーチの方には話を聴くだけでなく、ストーリーも語って欲しいのです。

 コーチングで大切なのはエピソードから学ぶことです。単に思考するだけでなく、エピソード=具体的な出来事を思い出して、その出来事(体験)から学ぶことが大切なのです。

 出来事の中には、クライアントが見落としていた側面が含まれているのです。だからエピソードを扱えばクライアントに気づきが生まれる。そして

 「百聞は一見に如かず」ではありませんが、私たちの意識や気分を変えてくれるのは「体験」なのです。セッションの中でもエピソードを臨場感をもって扱うことができれば、クライアントは脳内で疑似体験をするのです。

 体験こそが人を変えるのです。セッションの中で多様な体験をしてもらうのにぴったりなのがエピソードを扱うことなのです。

 コーチングでは基本的にクライアントのエピソードを扱います。

 ・クライアントの過去の充実体験=エピソード
 ・クライアントの理想の未来の場面=エピソード

 などを具体的にイメージしてもらい、そこから気づきを生んでいくわけです。

 ただし、クライアントから出てきたエピソードだけでは素材不足の場合もありますね。そんな時、コーチの手持ちエピソードをそこに足してみるのです。

 ・コーチ自身の体験談=エピソード
 ・コーチが見聞きした出来事=エピソード

 これらをクライアントに伝え、そのエピソードから一緒に学ぶのです。コーチがエピソードを提供することで学びのための素材が増えるわけです。  

 このエピソードを提供することを「ストーリーテリング」というわけです。お話を語ること、そのスキルをストーリーテリングというのです。


ストーリーテリングについては、これまでも何本か記事をかいていますね。

 読者のみなさんへのおすすめは、「ストーリーテリング入門〜ストーリーをつくる」シリーズを読んで、実際に手を動かしてみることです。

 何かあなたの「必殺ストーリー」を一本作ってみてもらいたいのです。

 ・やればできる!と思わせてくれる話
 ・人間っていいな!と思わせてくれる話
 ・コーチングの素晴らしさが伝わる話

 どんなものでもいいですが、相手の心が動いて、前向きな行動が始まる物語を、あなたのこれまでの体験の中から紡いで欲しいのです。まずは短いものでいいですよ。

 作って→語って→直す

 を繰り返すことでだんだん上手になります。僕も他人が語っていたエピソードトーク=ストリーテリングを完コピするところから始めましたので、自分のエピソードにピンとくるものがなかったり、エピソードの表現の仕方がわからないかたは、コピーから始めるのもいいですね。

 だんだん長いエピソードも面白く語れるようになります。例えば僕の代表作の1つがこれです。読んでないからは是非読んでみてください。

 いま自分で読んでも泣けますね。僕自信も大好きなエピソードなのです。三遊亭圓歌師匠だったと思いますが

 観客が同じストーリーに何度も感動するのは、噺家自身が感動しているからだ

 というようなことを言っていたのを聞いたことがあります。本当にその通りですね。

 自分が大好きな話で、話しながら感情が動くようなものだからこそ、相手の感情を動かすことができるのです。あなたもぜひ大好きなエピソードを話してください

Claude先生の分析

 僕のnoteの読者に方にはお馴染みのClaude先生に『沖縄居酒屋の奇跡』を読んでもらい、分析、講評いただきました。相変わらず面白い点を指摘してくれてます。魅力的なストーリー作りの参考になりますので一緒にみてみましょう。

 この作者の文体が多くの読者を魅了する主な特徴として、以下の点が挙げられます:

①親密性と共感性
一人称視点で語られ、内的独白が多用されることで、読者が語り手の心情に直接触れる感覚を得られる。
自己開示的な語りにより、読者は作者に親近感を覚えやすい。

 Claude先生の解説(BOX内)に対して補足していきますね。

 「内的独白」は大切です。主人公の心の声や思考をエピソードの中に盛り込むのです。そうすることでエピソードに深みが出ますし、主人公への共感も生まれやすいです。

 また、聞き手に「どんな思考が、何を引き起こすか」を学んでもらうこともできますね。認知→行動→結果の関連性を表現できるのです。

②リアリティと臨場感
断片的な文章や擬音語・擬態語の使用により、場面の雰囲気が生き生きと伝わる。
方言や地域特有の言葉の使用が、舞台となる沖縄の雰囲気を鮮明に描き出す。

 臨場感はとても大切です。そこに「見えるもの」「聞こえるもの」「感じること」=五感を描写していくと臨場感が生まれます。指摘のように擬音語や擬態語も便利ですし、方言などの「リアル」で良いですね!

③感情の豊かさ
登場人物の感情が詳細に描写され、読者の感情移入を促す。
歌詞の引用や音楽シーンの描写が、感情的な共鳴を引き起こす。

 感情描写や、感情が表れている表情や振る舞いなどの描写も大切です。聞き手も一緒に感情を動かしやすくなりますし、感情を感じると聞き手はますます物語の世界に入っていきます。

 そして感情には記憶を呼び起こす効果がありますので、聞き手が感情を感じると、聞き手の中にある「関連する記憶」も蘇ってくるのです。そうすると、聞き手は自分の記憶と重ね合わせながら物語を聞いていくことになります

 そのことにより、聞き手はますますストーリーに影響を受けることになります

④思考の深さと普遍性
人生や幸福についての哲学的な考察が、読者に深い思索を促す。
マラソンと人生を重ね合わせるなど、日常的な出来事から普遍的な真理を見出す視点が提示される。

 これはエピソードからエッセンス(本質)を抽出しようという姿勢からきていますね。日常の出来事の中に潜む人生の本質を言葉にしようと普段からしているといいですね。メタファー思考を鍛えるのも役に立ちます。


⑤物語構造の巧みさ
フレーム構造や物語の中の物語など、複層的な構造が読者の興味を維持する。
起承転結のリズムが、読者を自然に物語の流れに乗せる。

 物語構造は、いろんな理論があるので、そういったセオリーに則って構成するのもいいですね。

 とは言え僕自身はそんなことはしていません。大切なのは、聞き手が食いつき続けること。どうしたら「え?どういうこと?」「えええ?それでどうなったの?」みたいな反応が引き起こせるのかを考えています。

 あとは、伏線回収というか、前に出てきたことに、後で話すことを関連させていくことをなるべくしようとしています。

 まずはそんな観点で僕のストーリーを見てみてください。

⑥多様性と変化
会話、描写、内的独白など、様々な文体が混在し、読者を飽きさせない。
現在と過去の回想を行き来する時間軸の操作が、物語に奥行きを与える。

 これも、飽きさせない工夫ですね。文体については、引き込まれるリズム感を大切にしようと、声に出しながら書いています。

 時間軸の操作も大切ですね。過去から未来に流れるだけの物語でももちろんいいんですが、混乱しない範囲で時間軸を行ったり来たりすると、聞き手は理解するために集中して聞いてくれるわけです。そのことでより深く物語に入り込んでもらうのです。

 理解が難しすぎると聞き手は離脱するのですが、簡単すぎても聞き流されてしまうので、難易度調整は実は大切です

⑦教育的要素と実用性
コーチングやカウンセリングに関する専門知識が、物語の中で自然に解説される。
読者が自身の人生に活かせるような洞察や教訓が含まれている。

 僕はこれを「教訓」と読んでいます。ストーリーテリングでは、エピソードと学びをセットで提供しようとしているのです。

 エピソードと教訓がしっかりと繋がっていないと、聞き手には伝わらないので、繋がりを綺麗に見せることが大切です。

 しかし、教訓ばかりが全面に出てしまうと、聞き手は物語に入り込まず、感情的にも巻き込まれません。そうすると、あまり聞き手に影響をもたらさないストーリーになってしまうのです。

 ですから、面白く、共感的に聞ける物語をつくりながら、邪魔にならない程度に、納得感のある教訓を織り込んでいくテクニックが重要です。ここはかなり僕の得意分野ですから、よかったらどのように教訓を織り込んでいるか、テキストを読みながら研究してみてください

⑧文化的豊かさ
沖縄の文化や音楽が織り込まれ、読者に新しい知識や体験を提供する。

 僕自身が地域性とか文化が好きなんですよね。地元やその歴史と生きることに魅力を感じているのです。だからなるべくそういったことを表現したいと思っています。

 そんな物語が作れると、聞き手はちょっとディープな旅行をしたみたいな感覚になるわけです。だから印象に残るし、影響を受けるのです。

⑨読者への直接的な呼びかけ
読者を意識した表現により、物語の世界に読者を引き込む。

 「あなたも◯◯」とか「ぜひ一緒に◯◯しましょう」とか「私たちは〜」など様々な言い回しで聞き手を巻き込んでいくのは大切です。

 客観的に聞いているというよりも、対話をしているような、直接的な繋がりを感じてもらうことで巻き込んでいくのです。

⑩希望と励ましのメッセージ
「なんくるないさ」のような前向きなメッセージが繰り返され、読者に希望を与える。

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 せっかくストーリーを聞いてもらうのですから、元気になったり勇気が湧くと良いですね。僕のストーリーは勇気づけのストーリーです。これもどのように勇気づけをしているか是非研究してください。勇気づけの宝庫だと思います。

これらの特徴が複合的に作用することで、読者は知的好奇心を刺激されながら、感情的にも物語に引き込まれ、自身の人生や価値観について考えを深める機会を得られます。そのため、多くの読者を魅了する文体となっていると考えられます。

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 このまとめの通りですね。さすがClaude先生です!!

終わりに

 ぜひ、あなたも自分のストーリーを語ってください。誰の人生にも人に語る価値のあるエピソードがあります。それを発掘して磨いて、魅力的なストーリーに仕上げたら、多くの人が刺激を受けて、新しい人生を始めることと思います。

 ストーリーを語ることもコーチング/カウンセリングなのです。

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だいじゅ@コーチング脳のつくり方
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