あなたがコーチであるなら、コンサルではなくコーチを使うが良い

残り27記事

 「コーチングを仕事にしたい場合は、やはりコンサルとか受けた方がいいんでしょうか」

 そんな質問を結構受けます。あなたならどう答えますか??

 これ「答えられない質問」なのね。何についてきかれてるのかも、どんな状態なのかもよくわからないから、本当は「答えられない」。

 別に「コーチングで何らかお金を得ること=ビジネス」なのであれば、それはそんなに難易度が高いことでないです。人にあって、コーチングして、有料プランの説明して、「やろうよ」って言えば、一定確率でYESが返ってきます。ただそれをすればいいのです。それで売れないなら、もうちょっと商品としてのコーチング(そして、商品としてのあなた)のレベルを上げるために努力してみたらいい。それだけです。

 「いやぁ。そういう行動ができないんだよね」って人はまず、コンサルではなくコーチをつけましょう。コーチとゴール設定して、ゴールを達成するためのやり方を考えて、勇気づけしてもらって、行動していきましょう。そのコーチと3ヶ月でも6ヶ月でも努力して、まったく結果が出ないなら、コーチを変えましょう。これで大抵うまくいきます。

 「僕は、効果検証済みのノウハウが欲しいんです。それを粛々と実行していきたいんです。失敗とかしたくないもんで」

 って人は、正直コーチング向いてないかも知れない。だって、あなたがコーチとして、クライアントと一緒に取り組むプロセスは、別にどっかから持ってきた効果が約束されてるものではなくて、仮説を作っては壊し、作っては壊しを繰り返しながら、自分たちでつくっていくものだから。

 そう言われた時に「あれ、コーチ向いてないのかな?」と思った人は、例えばコンサルになるべく頑張ってもいいのです。コーチングもできるコンサルって素晴らしいですよ!!僕のスクールにも大手で戦略やってる人から、一人で個人向けサービスやってる人まで、たくさんのコンサルが学びにきてます。彼らにもコーチングセンスが求められているのです。

 話を戻すと、可能な範囲でコーチと一緒に努力してみた上で、コーチ&クライアント2人だけのリソースでは実現できないビジネスを実現したいとしましょう。そのときに必要を感じるならコンサルの人に協力してもらえばいいじゃないですか。それって普通のことですよね。でもその時には、漠然とした「コンサル」ではなく、◯◯の専門家の人の協力を得るって感じになるとは思いますけども。。

 「コーチングを仕事にしたい場合は、やはりコンサルとか受けた方がいいんでしょうか」

 の残念さって、解像度の低さなのです。だからまずはそこを考えてみるといい。

・コーチングを仕事にするって何のこと?どうなったら成功?
・あなた自身は、いまどんな状態なの?何はできてる?何はできる?何が必要?
・コンサル受けるって、何のために、何してもらうこと?他にはどんな選択肢があるの?

 多分こういうことが本人的にも不明確なんだと思う。まずはそれを、自分で考えてみるなり、コーチング受けるなりして明らかにしてみたらいい。そうしたら、自ずとどうしたらいいか見えてくるのではないかな。

なんでも自分でやるべきだ

 そうすると「やっぱり、そんなことにコーチもコンサルもいらなくないですか?」という人も出てきます。

 そうなんです。世の中的には「コーチやコンサルを使わなくても成功したケース」のほうが圧倒的に多いのです。だから別にいなくてもいいのです。

 自分で考えて、どんどん行動する。周りからアドバイスもらったり、励ましてもらったりしながら、さらに進んでいく。ほとんどのことは、そうやって実現していけますし、実際にほとんどの人はそうやって進んできたのです。

 これって朗報ですよね。

 別にコーチやらコンサルやらいなくても、なんでも自分で成し遂げられる!

 でも、別に「だから使うべきでない」「使う奴はヘタレだ」とか言う話でもないので、必要を感じたら使えばいいのです。単にリソースですから。迷った時には、指針を明確にするのをコーチを使ったり、具体的手法のアドバイスをしてもらうのにコンサルを使ったりしてみたらいいのです。

 とは言えです。この考え方だと、コーチになるのはちょっときついかも知れない。次にそのことを考えましょう。

コーチになりたきゃ、コーチをつかえ

 「僕はコーチを使わずに自分自身で夢を叶えました。なのであなたは僕をコーチとして使って夢を叶えませんか?」

 これってどう理解したら良いのでしょうか。同様に

 「私はコンサルを使って夢を叶えました。なのであなたは私をコーチとして使って夢を叶えませんか?」

 も解釈に苦しむわけです。。。

 やはり相手にとって理解しやすいロジックは

「僕はコーチと一緒に夢を叶えました。なのであなたも僕をコーチとして使って夢を叶えませんか?」

 なわけです。「自分が愛用していて、効果があった商品」を売るのが普通じゃないでしょうか。自分が使ってない商品を売ろうとしているコーチは、コーチングをなんだと思っているのだろう。。。。

 「スクールに行って、コーチングという商品を仕入れたから、自分は使わないけど、必要そうな他人に売って行こう」

 もちろん、こんな考え方も成立するのもわかります。ただこのようなコーチの勿体なさは、コーチ自身が自分の枠を超えることがないってことだと思うのです。

 こういうコーチは優秀なので、自分で大抵のことはできてしまうのです。そうすると、別に自分にはコーチは不要なのです。けれどそうすると、コーチングを使って、自分の枠(限界)を超えていくという体験はないままになってしまうのです。

 コーチングは、コーチから挑戦を受け続けるプロセスでもあります。

「本当にそれでいいの?」「そんなもんなの?」「全然別の可能性もあるんじゃない?」

 コーチがそんな風に関わるから、トップエグゼクティブでも、メダリストでも、自分の枠をさらに枠を超えて変化していくのです。

 なんでも自分でできてしまう優秀な人ほど、良いコーチをつけて、枠をどんどん超えていき、想像の外側で活躍して欲しいと思うのです。そしてそんな人が、誰かのコーチにもなってくれるなら、そんなに素晴らしいことはないですね。

悩んだときにもコーチを使う

 僕も定期的にコーチングを受けていますが、それとは別にコーチングを受けることもあります。ちょっとした悩みなら、妻にお願いしてコーチングしてもらうこともあります。

 妻は僕の話をしばらくきいて

 「気になっていることは何?」「大樹さんが大切にしたいことは何?」「じゃあ、本当はどうなったらいいんだろう?」「だとすればどうしたらいいと思う?」「それをしたらどうなる?」「何があったらうまくいきそう?」

 くらいの質問をしてくれます。これだけと言えばこれだけですが、信頼する相手に話をきいてもらい、思っていることを喋れたら、案外すっきりするし、「よし。その方向で動いてみるか!」ってなるわけです。

 案外深刻な問題も、このくらいの妻の関わりで変化することもあって、誰かに話をきいてもらうってすごいな、と思います。人は誰かに話をきいてもらうと心も落ち着くし、視野が広がるのです。

 もっと大変な問題でもとりあえず、コーチに相談してみることにしています。僕にとってコーチは、目標達成をサポートしてくれる人というより、「自分の気持ちに気づき、今後の指針を決めることをサポート」してくれる人だからです。

 だから、お医者さんや弁護士さんに相談するような案件であっても、まずは短時間でもコーチと話してみたい。そう思うのです。まぁ緊急手術前とかだと難しいでしょうけど、本当はどのような治療を選択する/しないもコーチに話をきいてもらって、考えたいわけです。

 「この人と話すと、いい状態になるし、視野が広がる。そして本当に大切なことに基づいて判断ができる」

 そんな相手がコーチなのです。そんなイメージでコーチを使ってない方は、自分もそうやってコーチを活用してください。そうすると、クライアントのもっと様々な悩みに対して、自分も関わることができるのだと知るでしょう。

 コーチは医者の代わりには慣れないし、弁護士やコンサルの代わりにもなれません。でもどんな人相手にも、どんな時でも役に立てるのがコーチなのです。

ティーチングは最小限のスタイルで

 コーチとして生きていく上では、自分が受けるティーチングの量について意識してみると良いかも知れません。

 特に今は生成AIも発展していて、どんどん「それっぽいアイディア」を出してくれます。「教えてもらうこと」「アイデアをもらうこと」のコストが激減しているのが現代社会なのです。

 そうすると人間は考えなくなりがちです。一方、コーチは「答えは内側にある」と信じて、自分の心の声を聴き、頭をフル回転させ、自分の身体を使って検証していくことの価値を信じているのです。

 そうやって生きていくことで、自分の可能性を最大限開花させ、自分らしく幸せな人生を手にすることができる。

 そんな可能性を信じているのがコーチなのです。

 もちろん、僕もアドバイスを受けることもありますし、毎日生成AIにもアイディアをもらっています。

 でも、それらは自分で考え、自分で自分の思考の枠組みを広げようと努力した上でもことです。

 そうでないと、別の可能性に気付かないまま、誰かからもらったアイディアに振り回されることになりかねないからです。とは言え、一人で思考の枠を広げたり、視点を上げていくのは限界があるので、コーチに関わってもらうのです。

 「コーチはコーチングのプロフェッショナルであり、クライアントは自身の人生のプロフェッショナル」

 という言葉があります。クライアントである自分自身にしか分からないことやできないことがあるのです。それが最大限に引き出されるように関わるプロフェッショナルがコーチなのです。

 コーチの協力のもと、自分のリソースをしっかりと引き出すことを前提に、それを補う形で、ティーチング(外部からの知識を入れること)をしていくのが誰にとっても理想だと思います。

 そして、コーチングを提供する私たちコーチは、一層そのことについて意識を向けると良いのではないかと思うのです。

僕たちとクライアントの可能性を最大限に引き出すコーチングがしたい方は


いいなと思ったら応援しよう!

だいじゅ@コーチング脳のつくり方
お気持ちありがとうございます。資料入手や実験などに活用して、発信に還元したいと思います。