
道連れ 3
藤林邦夫の3分メッセージ(『生きる楽しみ』1991年版、pp.5-6。)
旅は道連れ、世は情け、と言いますが、人生の旅にも道連れが欲しいもの。
お酒を飲む人は酒飲みの友が欲しいもので、「お酒ぐらい飲めなきゃ、男じゃないぞ」と、無理矢理に飲ませます。
先日の新聞にも、ある大学の剣道同好会の新人歓迎パーティで、12人が急性アルコール中毒で救急車のお世話になった。うち数人は、意識を失って倒れていたとありました。
白目をむいてひっくり返っている人を見て、こんなになるまで、と隊員が言うと、
「いや、毎年そうなんです。ボクも去年は、もうろうとするまで飲まされました」と答えが返ってきたそうです。
また、タバコを吸う人は、「タバコがないと間が持てないぞ。商談にタバコは欠かせない」と誘います。
よく食べる人は、ダイエットしている人に、「これくらい食べても、大したことないでしょ!」と食べさせ、自分のようにしたい、という気持ちが働くようです。

箴言には
「よこしまな者の道に入ってはならない。
悪しき者の道を歩んではならない。
それを避けよ。それを離れて進め。
悪しき人の道は、暗闇のようだ。
彼らは何に躓くかを知らない」
と警告しています。
旅は道連れと、うかうかと悪友の誘いに乗り、人生の破滅を見ることのないよう、気を付けねばなりません。
北原白秋の作に、
「かなしきは人間の道、牢獄(ひとや)道、
馬車のきしみてゆく礫(こいし)道、
一列に手錠はめられ12人、
涙流せば 鳩ポッポ飛ぶ」
その行く末を思うとき、心して選ばねばならないのは、人生の旅の道連れであります。
上記の詩について、解説がなされているブログ記事。
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<著者紹介>
藤林邦夫 1935年(昭和10年)生まれ。日本純信聖書学院自主退学、京都福音教会で、35年牧師として従事。ホザナ園園長も務めた。1992年2月召天。
この一連のエッセイは、亡くなる直前に、4年間にわたり書き溜めたもの。
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