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家族仲がいい利用者

毎朝母親と歩いて登所している利用者がいる。
雨の日も風の日も歩いて登所している。

 
ある日、遠方に住むご家族が体調不良とのことで、母親はそちらに行かねばならず、利用者が送迎車を数日利用したいと話があった。
私はその利用者を迎えに行くことになった。

その利用者の家は細道で対向車が来たらバックするしかない。
送迎の前日、仕事終わりに練習でその道を通ったが
やはり改めて通っても狭かった。

 
次の日の朝、利用者を迎えに行った。
予定時間より遅く着いたけど、すでにおばあちゃんと一緒に外に立っていた。

その次の日も、またその次の日も。

何分前に行っても必ずおばあちゃんと外で待っていた。冬で寒いのに。

 
あぁ、愛されているんだなぁと思った。

 
お父さんは仕事の合間をぬって、朝や帰りに時折施設まで迎えに来たり、送ってきた。

連絡帳も母親に代わり、お父さんが毎日書いていた。

 
「娘がコーヒーを煎れてくれます。おいしいです。」

「帰ってくるとニコニコしています。毎日○○(施設名)が楽しいのでしょう。」

「毎朝着ていく服を自分で選んでいます。」

「送迎をしていただいて助かっています。」

「毎日色々な作業や活動をさせていただいてありがとうございます。」

 
筆まめなお父さんだった。
毎日たくさん書いてくれた。その文章や内容から、あぁ家族仲いいなぁ、愛されているんだなぁとしみじみ感じた。

実際初めて会った時に優しそうなお父さんだと思った。

 
 
きょうだい仲もいいのだろう。

母親が迎えに来られない時はきょうだいが迎えに来たり
母親と共にきょうだいが迎えに来たり
行事も母親ときょうだいが参加したり
きょうだいの方が出掛けたら、施設にお土産を買ってきてくれたりもした。

 
愛されているのだ。
家族仲がいいのだ。

そういう利用者や家族に触れると、ほっこりする。
力になりたいと素直に思う。


 

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