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栃木県北密着型アイドルユニット ガールズq/b

今から数年前、各地でゆるキャラがブームになった頃
ご当地アイドルという存在が出現した。

 
AKB48が会いに行けるアイドルをコンセプトに活動したこともあり
アイドルは手の届かない存在から
身近な存在へと変化していった。

 
 
 
今から5年ほど前に某ご当地アイドルにハマった私は
アイドルライブにたびたび行くようになる。
ご当地アイドル(地下アイドル、ローカルアイドルとも呼ばれる)は 
メジャーアイドルとは異なり、集客数が少ない。

 
昔よりもみんながアイドルになりやすくなった分
ファンをいかに集めるかが各々の切実な課題になった。

 
ご当地アイドルはあまりワンマンライブをやらない。
週に2~3日の頻度でライブをやるが
ほとんどが対バンライブである。
集客ができないからだ。
対バンライブでさえ、ガラガラなことも珍しくない。

私はアイドルにハマる前からメジャーアーティストのライブに行っていた。
東京ドームや日本武道館、横アリ、たまアリ等
数万人を収容する会場にバンバン行っていたため
最初はご当地アイドルの集客数に大変ビックリした。

  
対バンライブは数十人が通常。
三桁いけば、かなりの集客。
会場にいたファンが一桁ということも珍しくなかった。

 
だから私は推しのライブに行けば行くほど
自動的に他のアイドルに詳しくなり、他のアイドルの楽曲も覚えた。
対バンライブの場合、一組のアイドル持ち時間平均は20分。
1曲5分計算で、大体4曲だ。

 
 
ご当地アイドルはオリジナル曲はあまり持っていなくて、カバー曲を歌うことも多い。

戦略である。

ファンやオタクにウケがいい、有名なカバー曲を歌ってまずは人を引きつけて
それからオリジナル曲を歌って人を引きつけられるか否か。
それがデビューしたてのアイドルの定番の動きだった。

人はよく分からないオリジナル曲よりも、知っている有名な曲の方が馴染みがあって、食いつきがよい。

   
対バンライブは長い。
3時間越えも珍しくなかった。

ファンがどのアイドル目当てで入場したかは入口でチェックされるし
集客数が悪いアイドルは次回の出演に制限はかかるだろうし
チェキと呼ばれる、ライブ後にアイドルとファンで写真を撮る行為も、人気のパロメータとなった。

 
アイドルは対バンライブをするアイドルと
常に比べられ、比べもし、意識し合う関係だろう。
仲良しかもしれないが
友達というよりはライバルに近いだろうし
同じグループ内でもメンバーによって、人気は差がある。

おそらく、内部では熾烈な戦いなのだと思う。

 
 
私がガールズq/b(キュービー)というアイドルと出会ったのは
今から4年前くらいだろうか。

推しのアイドルとよく対バンライブをしていたし
私の推しとガールズq/bのたのしいなちゃんが仲よさそうな様子が
Twitterやブログから伝わった。

推しと仲が良い子がいるグループ

私はそんな認識だったと思う。
推しの生誕祭に、ガールズq/bから花のプレゼントもあったから、嬉しく思ったのは覚えている。

 
 
名前を知ってから、実際にライブを見るまでには時間がかかっていて
確か3年前の冬に対バンライブで初めてライブを見た。 

巫女さん衣装を着た三人組で、一人側転する子がいる。

第一印象はそんな感じである。

 
 
 
3月にはたのしいなちゃん(愛称はしーにゃんなので、以下しーにゃん)の22歳の生誕祭ライブがあり
私は推し目当てで参戦した。
生誕祭ライブは対バンライブだったのである。

 
冬のライブは一部しか見ていなくて、この日初めてライブをじっくり見た。
ポップな曲を歌うイメージだった。

 
せっかく生誕祭まで来たし、初めて物販にも行こうかなと思ったが、一人のファンが何枚もチェキを撮影していたので、気持ちが萎えた。
待つほどの興味は、まだなかった。

 
 
その後、ライブ仲間から「しーにゃんは歌がめちゃくちゃ上手いんだよ!」と力説され、ライブの2部のDVDを見せてもらった。
生誕祭はライブが2部制であり、私は1部で帰っていた。
1部はガールズq/bライブがあり、2部はしーにゃんソロステージがあった。

 
なるほど、確かにソロはまた系統が違い、想像以上に歌が上手かった。

 
推しの友達アイドル、という認識から
推しの友達アイドルは歌が上手い、という認識に変わっていった。

 
 
 
4月にTSUTAYAでインストアライブ(対バンライブ)があり、私はまたも推し目当てでライブを見に行った。
そこに、ガールズq/bもいた。

しーにゃんの歌に感動した私はしーにゃんを意識しながらライブを見たが
私が特に気になったのは赤い衣装の女の子だった。
笑顔を絶やさない女の子で
ダンスのキレが良く
側転をしたり、ジャンプ力が人一倍だった。


 
ライブ後、初めて物販を覗いた。
確か松岡さん(運営の方)が物販の説明をしてくれて
メンバーにも話しかけられたと思うが
私はその日は特に何も買わなかった。

気になりつつも、私は何かを買うまでに時間がかかる。
それは推しアイドルに対してもそうで
推してからもライブに行くまでは時間がかかったし
推しのグッズを買うまでは更に時間がかかった。

 
そのTSUTAYAインストアライブでは
出演したアイドルが一列に並び
希望者は全員握手をしながら交流することができた。

通常、チェキを買わないとそれはできないので
異例の交流である。

 
私はそこで初めてガールズq/bのメンバーと握手をし、話したのだが
メンバーがみんな

「ともかちゃん!今日は来てくれてありがとう!」

と言ったので驚いた。
まだ物販で交流していないのに、彼女らは私の名前を知っていてくれて、しかも話しかけてくれたのだ。

ガールズq/bは人の名前を覚えることが早い。
そして、名前をキチンと呼んでくれるアイドルだった。

 
最初は私が女ヲタだから目立ったのかな…と思っていたが
周りから話を聞くと、他のファンも同様のエピソードを話した。

名前をキチンと覚えていて、名前を呼んでくれるアイドルは好感度が高かった。
私はTSUTAYAインストアライブで更にガールズq/bが気になった。

 
 
GWに、またまた推しとガールズq/bがイベントをやることになり
またもや推し目当てで私は参加した。
ライブだけでなく、一緒にいちご狩りやアイスを食べる交流イベントである。

その日、私は初めてガールズq/bの物販に行き
チェキを撮った。
しーにゃんかゆずぽん(ガールズq/bの赤色担当の側転する子。北柚涼)か迷い
私はゆずぽんと撮った。
チェキは一枚1000円。
なかなか、気になるアイドル全員と撮る、とはできない。

私はその日初めてじっくりゆずぽんと話した。
ダンスや笑顔を褒めたら、ゆずぽんは喜んでいた。その笑顔がかわいかった。

 
物販では、渡辺しあな(愛称はあなな)という青色担当の子が、無邪気に色々な人に話しかけていた。
あななは年齢が親戚と同じだけでなく、見た目や性格も似ていて、私は気になる存在になった。
愛嬌があって、無邪気なタイプに私は弱い。

 
その後、アイドルみんなと一緒にいちご狩りをやった際
私はいちご狩りはアイドルちゃんに任せて、遠慮した。
ファンはみんなアイドル第一であったし、参加人数も多いし、回転率をよくしようと思った。

そんな私を察したのが、ゆずぽんだった。

さり気に「手伝ってもらってもいいかな?」と言われた。
ゆずぽんに手伝ってと頼まれたら悪い気はしない。
そうして私はゆずぽんの配慮により、いちご狩りを体験した。
ゆずぽんはニコッと笑う。
露骨なストレートな言い方ではなく、さりげない気遣いが素晴らしくて
私は更にゆずぽんに惹かれた。
ゆずぽんは神対応で有名だった。

 
と言っても
それでも私は推し変するつもりは全くなかった。
あくまでそれはそれ、で
私は推しが一番好きだった。

 
 
だけどそれから一年もしない内に様々なことがあり
私は推しの現場に行けなくなった。
出禁になったわけではないし、仲間はみんないい人だし、仲間は「また現場においでよ。」と何度も誘ってくれて、本当にありがたかったけど
行くに行けない状態になった。

推しの歌やパフォーマンス自体はレベルが上がっているし、相変わらずかわいいが
それ以降、私はライブはほとんど行っていない。

 
 
 
ちょうど、推しの現場で色々あった頃
私は【moment in time】という、ガールズq/b単独イベントに初めて参戦した。

ガールズq/bはオリジナル曲やバンドにこだわったアイドルで
いつもライブ中はオリジナル曲しか歌わなかった。
だけど
【moment in time】はバンド演奏があるし、私服(衣装チェンジ)でのライブもやったし
各自ソロで歌うステージもあった。

アイドルライブは基本、バンド演奏はない。

 
ガールズq/bのファンの方(愛称はファミリー)とは顔見知り程度だったが
そのイベントでは皆さんがあたたかく迎え入れてくれて
会場は一体感があり、非常に雰囲気がよかった。

 
オリジナル曲やバンド演奏に重点を置くスタイルも私は素敵だと思ったし
ソロ曲披露の機会があるのも良いと思ったし
値段は安く、盛り沢山な内容のイベントで
私は月に一度の【moment in time】というイベントが非常に気に入った。

私に推しがいることを知っていたゆずぽんは、「私は二番目でもいいからね?♡」と上目づかいで言い
私が仕事で色々大変な時は
「ともかちゃんはよく頑張ってるって、ゆすずは知っている。」と慰めてくれた。

 
 
推し現場や仕事で色々あった時期だからこそ、私の心は自然とガールズq/b現場(以下、キュービー現場)寄りになった。

 
キュービー現場は居心地が良かった。

 
ライブは楽しいし、自然と笑顔になるし、癒やされるし
メンバーも松岡さんも優しかった。
ファミリーとバカ騒ぎして
みんなで美味しい物を食べたり飲んだりしながらしゃべった。
そうすると、イベントの数時間はあっという間だった。
濃厚な、幸せな時間だった。

 
毎日夜は日付を越える前に寝ようと思うから
普段は昼間や夕方のライブを中心に楽しんでいたが
毎月【moment in time】だけは特別視していた。
そのイベントは毎月、月一回、日曜日に開催され
私は欠かさず参加し
行くたびにパワーをもらった。

【moment in time】がある日は寝るのが普段より遅くなったけど
それでも心身はエネルギーで溢れていた。

 
 
いつまでもこんな日が続けばいいのに…と思うほど
キュービー現場は私にとって大切な居場所になった。
誰一人欠けることなく、日々を過ごしたかったし
それでいて新規ファンが増えていったらなお素敵だと思っていた。
私はファミリーの一員として、毎日が楽しかった。

 
だけど、この幸せが長くは続かないことが分かっていた。
ゆずぽんが、高校三年生だからである。

 
ご当地アイドルは、中2~3年生、高2~3年生は進路を見据え、卒業する人が多かった。
ゆずぽんの夢は女優だ。
女優をやるには、いつまでもアイドルではいられない。
私がもし女優を目指すなら、高校卒業を機に上京すると思った。

 
だから、ゆずぽんとはもう後一年もいられないと覚悟していた。

 
ゆずぽんが高校三年生の頃、東京芸能事務所に所属が決まったと発表された時
「すごいなぁ!本当に夢を叶えたんだ!」と思いつつ、「いよいよ、高校卒業までのガールズq/bだろう…。」と覚悟した。

 
だから、いつ卒業発表があっても悔いがないようにと
私はキュービーライブにたくさん行った。
だが、気になるのはゆずぽんのことだけではなかった。

 
あななのライブ出演回数が減っていたのだ。

 
あななとはライブ回数を重ねるごとに仲良くなっていっただけに、親しみを感じて早々に、不吉な予感しかしなかった。

下手したらゆずぽんより早く卒業するのではないか。

そう不安になった。

 
そして予感は的中し、12月の【moment in time】で1月の生誕祭をもって卒業、があななから発表された。

 
 
その年の年末年始はたくさんライブやイベントに行こうと思っていて
12月30日に、ガールズq/b単独の忘年会イベントに参加した。
やはりあななは不参加だったが、それでもしーにゃんやゆずぽんと過ごせて私は幸せだった。

だけど

その次の日、ゆずぽんは活動休止発表があった。
12月31日、今年最後のライブ当日である。

 
ファミリーの間には激震が走った。

 

まさか、昨日が別れになるなんて……そんな………

私は撮ったチェキを眺めながら、プルプル震えた。
昨日はあんなに楽しかったのに。
「また明日ね。」って別れたのに。

 
 
 
年が明け、あななの卒業ライブが1月にあった。

ゆずぽんの姿はその日もなく
しーにゃんとあななの二人のステージが
あななのガールズq/bとしてのラストだった。

 
 
あななとの別れに打ちひしがれている中、ゆずぽんの卒業ライブが発表された。
2月に行われた。

私はオイオイ泣いた。
あななの時も泣いたが、二ヶ月連続で別れがあるとは思わなかった。

 
 
 
泣いて泣いて泣きまくった冬を越え、3月は
しーにゃんの生誕祭があった。

生誕祭はおめでたいことだが
これからガールズq/bはしーにゃん一人だけだ。
解散もありえるかもしれない。

私は複雑な気持ちで、しーにゃんの生誕祭に参加した。

 
 
しーにゃんはいつもニコニコ笑顔だが、MCの時にポロッと本音をこぼした。

「去年の生誕祭が最後の生誕祭だと思っていたから、まさか今日を迎えられると思わなかった。」

 
……………。

 
 
しーにゃんは、ファミリーよりもずっと、内情を知っていて辛かったのだろう。

ガールズq/bは2014年に、栃木県北密着型アイドルユニットとして結成された。
結成時は四人であるが、後に一人抜けて、三人で活動を継続していた。
その後、新メンバーとして研究生が入ったが、正式メンバーになる前に抜けて
結局三人で活動を継続していた。

私が出会ったのは、この時である。

 
 
アイドルの寿命は短い。
ご当地アイドルの寿命は更に短い。

三年以内で解散も稀じゃないし、メンバーの卒業や脱退もめまぐるしい。
大手アイドルのように、誰かが辞めたからメンバーを補充し、グループ名を守る…というのは
並大抵のことじゃなかった。

基本的に、メンバーは辞めたら、新規メンバーはなかなか見つからない。
だから大人数アイドルであればあるほど、メンバーがどんどん減っていき
二人で活動したり、最終的にソロで活動したり、それをきっかけに解散は
よくあることだった。

 
しーにゃんは2018年生誕祭時点で23歳。
ご当地アイドルの中では、年上の方である。

ガールズq/bの中でしーにゃんは最年長で
一番先に卒業するのはしーにゃんだろう、と言われていた。
だからしーにゃん用にと、松岡さんは楽曲を用意していた。
アイドル曲ではなく、シンガー用の曲だ。

 
なのに、しーにゃんが最後まで残った。
四人…とはいっても、三人時代の活動の方が長いのに
先月、先々月と長年の仲間を失い
それでもしーにゃんは、今一人でステージに立ち、ファミリーを不安にさせて申し訳ないと
グループ代表で発言した。

 
私はその姿に自分を重ねた。

私も仕事で新規事業を立ち上げた時に、事業には四人職員がいたが
私を残して全員三年以内に辞めたからだ。
新しい職員が入職しても、私は一人打ちひしがれた。

私一人になってしまった…

あの残された思いは、残された人にしか分からないだろう。
「私は何があっても最後までここで戦ってみせる!」一人になった時、私は秘かにそう誓っていた。

 
 
しーにゃんも、同じだった。

しーにゃんは解散もソロも選択しなかった。

【例え一人になっても、ガールズq/bの名前を守る。歌い続ける。】

生誕祭でしーにゃんは、大勢のファンの前でそれを誓ったのだ。

 
 
 
と言っても

それは順風満帆な道…とは、なかなかいかなかった。

 
まず、ガールズq/bのホームである、ミュージックチャーチJIC(ライブハウス)が閉業した。
月のライブの内、1/3くらいの割合はそこでイベントを行っていた為
新たな会場探しが難航していた。

 
新たなメンバー候補として、二人研究生が入った。
しーにゃんはあくまでソロではなく、グループでの活動を切望している。
待望の新メンバーだと思ったが
二人共、三カ月くらいで辞めてしまった。

 
今までは対バンライブが中心だったが
諸々の大人の事情により
県内で対バンライブは少なくなったり、制限がかかるようになった。

単独ライブやワンマンライブは集客力が大切である。

 
大抵のアイドルファンは本命(推し)がいる。
推しがいるから対バンライブに行き、他のアイドルの物販にお金を落とすのだ。

だからガールズq/bだけでなく、他のアイドルも
対バンライブが減ったことは痛手であった。

 
ファンにとってもそうだ。

長年、どのアイドルが推しであっても、ライブのたびにみんなが一体となって盛り上がり
和気藹々として過ごしていた。

 
それなのに
なんでどんどんみんなバラバラになり
一緒に楽しめなくなっていくのだろうか?

 
ファンも、複雑な時代に突入した。

 
 
 
そんな中でも、しーにゃんはいつも一所懸命だった。

ご当地アイドルの中でも、ガールズq/bはライブ本数が多い。
県内だけでなく、県外ライブもガンガン行っている。

 
ライブで歌い、踊れることや
ファンがいることに驕ることはなく
しーにゃんは挨拶や感謝の気持ちや笑顔を決して忘れない。
一人一人を本当に大切にし、恵みに感謝をし続ける謙虚さもある。
他のアイドルさんへのリスペクトも強い。
人の良さに目を向けられるアイドルなのだ。
  
 
2014年にガールズq/bになってから
プライベートよりもアイドル活動を優先する生活だ。
公にはしていないが、バイトもしているだろう。

 
寝る間を惜しむ…ではないが
しーにゃんはひたすらに歌って踊り
SNSやブログを小まめに更新し
見ていないところではバイトもしていただろう。

一日睡眠時間は5時間もないと思う。

 
 
ガールズq/bは、ネット検索をかけると「ブス」と出てくる。

一般女性も容姿で判断される世界だから
顔や見た目をウリにするアイドルは、更にシビアな目が向けられた。

しーにゃんはダイエットだけでなく、ファッションやメイクを研究し、【かわいいアイドル】を追求し続けた。
香りもいいので、おそらく香水にも気を配っている。

手足は細く長く、かわいらしい顔なのに
更に更に高みを目指すしーにゃんは
アイドルの鏡だった。

 
しーにゃんはダンスレッスンも怠らない。
定期的にダンスレッスンをしているはずだが、そういったことをあえてツイートしないのがしーにゃんの良さだ。
とにかく裏で努力し、ステージで形として見せる。
しーにゃんはそれを意識している。


あまり公にはしていないが
しーにゃんはボイトレで愛知県まで毎月通っている。
栃木県から愛知県だ。新幹線を使っても数時間かかる。根性が凄まじい。

しーにゃんの武器はなんといっても歌で
常日頃、喉のケアも忘れない。

 
歌を何よりも優先しているのが、しーにゃんなのだ。
実際、しーにゃんの歌は泣ける。
なんでこんなに泣けるのだろうと思うくらい
しーにゃんの歌声は胸に染みる。

 
ガールズq/bが一人になってから
おそらく、しーにゃんの声質や表現力を意識して

【You Say Hallo】
【オレンジリウム】

を発表したが
曲調や雰囲気が違う曲もなんなく歌うのがしーにゃんである。
どちらも名曲である。

 
三人時代の時とダンスを一部変え、全パートをしーにゃんが担当しているが
ガールズq/b楽曲のイメージは今までと変わった。

それほどに、しーにゃんの歌のパワーや個性はずば抜けている。

 
 
 
 
2019年に、しーにゃんはお店の店長になった。
Cafe&Bar 47(シーナ)である。

元々しーにゃんは食べることが大好きで
なんでも実に美味しそうに食べることも魅力だった。
料理やお菓子作りも得意で、見た目も味もレベルが非常に高く
イベント時には手料理をふるまってファンを喜ばせていた。
その料理におばあちゃんが作った野菜やお米を使うところもまた、好感が持てた。
しーにゃんは家族と仲が良く、イベント時にはたびたび家族が見に来ていたし
アイドル活動をみんなが応援していた。

そんな経緯もあり、しーにゃんは作る側の興味も強く
ついにお店をオープンさせた。

 
普段はお店で働き、そのお店のステージでイベント時は歌うという
アイドルとチーフという二足のわらじ生活に突入した。

 
今までは毎日ブログを更新していたが
チーフになってから更新頻度は下がった。
忙しさは今までの比ではないだろう。

 
しーにゃんは、【栃木県北密着型アイドルユニット】として
栃木県…特に県北を盛り上げたり、力になろうと
毎日毎日走り続けていた。

 
そんな頑張り屋なしーにゃんに
私は毎日どれだけ力をもらったか分からない。

47はファンの憩いの場、ライブ会場
そして地域の皆さんに愛されるお店として
順調に一周年を迎えるはずだった。

 
 
 
 
2020年。
コロナウィルス感染拡大である。

 
他の飲食業と同じように47も客足は遠のき
営業に制限がかかり
テイクアウトも始めた。
他のアイドルやアーティストと同じようにライブにも制限がかかり
ライブの形態は変わった。

 
47の一周年を前に、切実な現実問題が目の前にあった。

 
 
【今、私にできることを!】

しーにゃんは今年の春、マスク寄付の協力を呼びかけた。
しーにゃんの人徳や人気でマスクはどんどん集まり、それをマスクが必要な人達に行き渡るようにとしーにゃんは施設や団体に寄付した。

 
こんなご時世で、真っ先にマスク寄付を呼びかけるしーにゃんを
私はファミリーとして誇りに思った。

 
 
 
47のお店は無事一周年を迎え
ライブは少しずつ形を変えて再開している。

そして、11月8日はガールズq/bの6周年記念イベントを予定している。

 
 
 
今から二年前、私はしーにゃんとツーショットを撮り
スマホの壁紙にしている。
万歩計を表示している画面だ。

しーにゃんは私に「ともかちゃんと私はよく似ている。」と言った。
ファッションもたびたびかぶるが(この日もたまたま色合いがかぶった)
お互いに、負けず嫌いなところや不器用なところや人との繋がりを大切にするところが似ているかもしれない。

大好きなアイドル…推しに、似ていると言われるのは素直に嬉しかった。

 
お互いに毎日色々あるし、SNSには全て書けないし、人生上手くいくことばかりではないけど
しーにゃんの頑張りや歌は
私の活力へと確かに変わった。

 
しーにゃんのキャッチコピーは【今日も一日たのしいな】
たのしいな、は本名である。
名前は本人を表し、また名前にも言霊は宿る。

こんな時代だからこそ
しーにゃんはよりみんなに必要だし
「今日も一日たのしいな」のキャッチコピーは
見たり、呟くだけで
私は笑顔になれる。

今日を一日大切に生き
一日の終わりに「今日も一日たのしいなだった!」と言える私でありたい。

 
そう思えるようになったのは
ガールズq/bに出会えたから。
しーにゃんと松岡さんとファミリーと過ごす時間が
私には宝物でしかないから。

 
 
昔も今も、しーにゃんは私の光だ。

ライブがない日も、会えない日も、しーにゃんに私は支えられている。

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