見出し画像

女一人旅三日目②~因島(ポルノグラフィティ ラッピングバス)~

2024年夏、因島では島ごとぽるの展というイベントを一ヶ月半近く行っていた。
私は行けなかったが、行けた人が非常に羨ましい豪華なイベントだった。

 
そのイベントの際、ポルノグラフィティのラッピングバスがあったのだが、なんとそのラッピングバスは年内まで運行するという。
私が乗る予定の8:15尾道駅発のバスもそのラッピングバスだと告知されていたため、私はずっと前から楽しみにしていた。

 
因島行きのバス停に着いた際、念のために近くにいた方に因島行きのバス停はここでよいのか確認した。
合っているという。よかった。
後に気づいたが、この時聞いた人も私とお仲間(ポルノファン)と思われた(ポバスの撮影の様子から察する)。

バスを待っている間、私は「あ!」と声を上げた。
時間より早くポルノグラフィティラッピングバスが尾道駅を通過したからだ。
慌ててスマホをカメラモードにしてパチパチ撮る。

どうやら回送中のようだ。

早起きは三文の得というが、私からしたら三文どころではない。
なんせ年末になり、ラッピングバスは本数がグッと減ったのだ。
見られたり、乗れるのは非常にレアである。

早めにバス停にいた私、グッジョブだ。偉すぎる。

 
 
興奮が冷めないまま、ホクホクワァワァした気持ちでいると、今度は私が乗るバスがやってきた。
完全に油断していて、気がついたらもう目の前に来ていた。

!!!

先ほどと違うデザインのラッピングバスだ!
やったぁ!
しかも一番乗りたかったデザインだ!

 
因島全体がデザインされつつ、島ごとぽるの展の企画やポルノの曲のモチーフがふんだんに描かれている。

 
内心ワァワァワァワァしながら、バスに乗り込む。
今回のバスはSuicaが使えた。
左列一番前に座る。

 
車内の撮影をしていると、運転手の方から、発車までまだ時間があるから後ろの席まで行って撮影してもいいと言われる。

神だ。神がいた。

お言葉に甘えて、バァーッと早足気味に車内を見つつ、撮影をした後
急いでバスから降りて前方と後方を撮影。
普段は愚鈍な私だが、この時は実に俊敏な獲物を狙うハンターそのものだった。
終点の土生港まで行けばそちらでもじっくり堪能できるらしい(こちらも運転手さんが教えてくれた。優しい。)が、私は因島北インター入口のバス停で降りるため、今の時間を有効活用するしかない。

 
バス車内の様子。
ポルノの曲タイトルや歌詞がモチーフになっている。
ラバッパーなら何の曲かすぐ分かるだろう。むしろ我々を楽しませるというより、分かるかどうか試されている気分にさえなる。

 

 私の席から見ると逆位置に見えた文字。バス前方に位置。後方席からは正しい位置で楽しめるはず。

 
 
車内撮影後は再び外へ。前方・後方・全体を素早く撮る。撮る。撮る。

見よ、この無駄のないデザインを。
このデザインの軽自動車があれば愛車にしたいくらい完成度が高い。かわいすぎる。

 
興奮により息切れし、(マスク着用により)メガネを曇らせた怪しい女に対し、神である運転手さんは、整理券を続けて七枚引くとコンプリートできることも教えてくれた。
…そういえば、整理券をたくさんもらったとツイートしている人を見たことがある。こういった仕組みか。

仏だ。この方はもはや仏だ。

私はこの神であり、仏である運転手さんに命と魂を委ねて因島へと向かうのだ。
あぁもう何も怖くない。どこにでも行ける気がする。
もはや道中で命を落としても悔いはないくらい満たされた。

これから始まる今日はまだまだこんなものではないのか。
私はこのままどこまで意識を飛ばされてしまうのだろう。

 
まだバスが走り出す前から、私の気持ちは前のめりに全速力していた。

 
 
 
いよいよバスは、ゆるやかに出発した。

 
私がカメラを構えるより一足早く、右側一番前に乗っている女性が撮影していた。

で、できる人だ…!

おそらくラバッパーであると思われるが、極めて冷静に撮影ポイントをおさえている。プロだ。ガチだ。因島行きは何回目のベテランだろうか。

 
アドバイスを乞いたい気持ちと仲間意識から話したい気持ちよりも、一分一秒無駄にできない気持ちが圧倒的に勝り、私は車窓から見える尾道や因島の景色に釘付けになった。

17年前にも確かに見た景色のはずだが、見覚えがない景色ばかりだった。
素朴な街並みだが、私にとって見る景色全てが尊く、輝いて見えた。
確かあの時は右列後方から二列目に親友と座った。それは覚えている。

 
撮りのがしたが、途中でカナデビアの縦看板を見掛けた。
カナデビアといったら、ポルノが今CMソングを担当している企業だ。
さすが因島に近づくと、こんな素敵すぎる看板にまで出くわす。 
 
 
途中で高速道路に乗るため、シートベルト着用のアナウンスが入る。
宇都宮のバスではありえないそれにドギマギする。 
駅から移動手段で乗るバスで高速道路に乗ることもシートベルト着用も不思議過ぎる。

 
因島大橋が見えてきた。
写真では上手く伝わらないが、白くて美しい巨大な橋だ。

 
窓からは海が見える。
右側席だと灯台等も楽しめた様子。
なるほど、隣の女性が右側席に座ったのはこれを知っていたからか。

…私も帰りは座席列を気をつけよう。

 
ここは、島ごとぽるの展の時に昭仁さんや晴一さんの仲間内が作った横断幕が惜しみなく飾られた場所。
今は島ごとぽるの展が終わったため元の景色に戻ったのだろうが、当時Xでその様子を見て、「(君は)本当いっしょうけんめい愛されてるね♪」と思ったものだ。

 
私以外のポルノファンとおぼしき女性(複数人いた)は因島大橋のバス停にて下車し、私はその次の因島北インター入口バス停にて下車した。
乗車時間は30分。

走り去るラッピングバスを動画を撮りつつ見送った後、レンタカー屋さんとはその近くのローソンで待ち合わせのため、私はローソンに向かった。

 
 
私は因島でやりたいことがあり、その内の一つが自分への手紙を出すことだった。
因島の消印の手紙がほしかった。そして一人旅の記念を残したかった。

欲を言えば、因島で買った絵葉書に当日手紙を書きたかったが、余裕がない可能性もあったため、事前に用意をしておいた。

 
ポストに手紙を投函し、トイレを済ませると、レンタカー屋さんから「駐車場で待ってるよ。」と連絡が入った。

私は息を弾ませながら、足早に扉を開けた。

いいなと思ったら応援しよう!