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初夢

大晦日の日、紅白を見終わった後、私は寝ようと思った。

毎年大晦日は母と紅白を見て、元旦は家族で初詣に行く。

「来年こそは結婚できますように。」と寝る前に母親にかまされた私は
現実から逃げるようにベッドに倒れ込んだ。

 
そして夢を見た。

私は教室のような場所で婚活パーティーに参加していた。
いつもと同じように、可もなく不可もない人しかいなくて、次には繋がらない。
そんな夢だった。

 
「現実は逆になるよ。」と母親が圧をかけてくるが
彼氏どころか好きな人もいなくて、恋愛も婚活も面倒くさいと思っている私に
勝機はないに等しかった。

 
初詣で引いたおみくじは大吉で
恋愛は「この人より他になし」
縁談は「多くて困ることあり」
となっていた。

一体誰のことを指しているのだろうか。

 
こうして書くと年末年始は落ち込んでいたように見えるかもしれないが
私は年末年始を楽しく過ごしていた。

 
秋からのハードな仕事から解放され
年末は久々に友達と会ったり、ライブ納めをしたり、年賀状を書いたり、大掃除をしたり、読書をしたり、レコ大や紅白を見た。

元旦はお雑煮やおせちを食べ、家族と初詣に行って、神社で好きなものを買って食べて、帰ってからは自宅でまったりする。
そんな日だった。

 
2024年元旦は朝から晴れてあたたかく、年の始まりにふさわしい希望の朝で
朝から芸能人の結婚報告が相次いだ。

 
そんないつもの元旦だったから、石川県付近を中心とした大きな地震があったと知った時は驚いた。

何が驚いたといったら、地震が止まらなかったことだ。

 
止まらない地震や津波は嫌でも東日本大震災を彷彿させる。
栃木は少し揺れたくらいで被害はなかったが
元旦から気持ちが暗くなってしまった。 

被災地にいる人達や状況を思うと
心配で悲しくなった。

 
そんな元旦の夜、私は夢を見た。

 
仕事の夢だった。
前の職場の人と今の職場の人が夢に出てきた。

問題があったから歯磨きをする場所を変え、みんながあちこちで歯磨きをするのだが
場所が次々に変わり、私は知らされておらず、困惑するという夢だった。

 
一富士二鷹三茄子と言うが
何も出てこない夢だった。

 
地震の影響で、私は夜中何度か目を覚ましてはスマホで情報を知り、また気が滅入った。
とんだ元旦だ。

 
今年の元旦は年に数回しかないラッキーな日のはずだったのに
龍の逆鱗に触れたというのだろうか。
丙辰は波瀾万丈、と父が言っていた言葉を思い出す。

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