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初夢

『家族と二人暮らしの利用者Aさんは今日も普通に登所していた。
主任から聞いた話によると、そのご家族とやらは今心肺停止だという。

「今すぐAさん、帰宅した方がいいんじゃないですか!?」

私は掛け合った。

 
そんなやりとりをして間もなく、息を引き取ったと連絡が入った。
同じ事業部のみんなと協力し、私達はその人を家に送ったり、法事のため家に行った。』

  
利用者は今の職場の利用者で、同僚は前の職場の方だった。

今年の初夢はこんな内容だった。
富士も鷹もなすびも何も出てこなかった。

 
 
前の職場の人達が出てきたのは、夢を見る前日に主任の家の前を通ったからだろう。
また、年末年始に前の職場の人達からLINEや年賀状が来たからだろう。

 
そして、家族と二人暮らしの現利用者が夢に出てきたのは、自分の家族を重ねているからだろう。

家族一人でも欠けたら、介護環境が変わってしまう。

 
 
時々、未来がどうしようもなく怖くなる。

父親が認知症になったら?父親まで身体障害者になったら?
母親が認知症になったら?母親の身体機能が今より低下したら?

私が心身健やかでなかったら?
働けなくなったら?
結婚をしたり、一人暮らしをして家を出たら?

 
考え出してもキリがなかった。

 
 
 
“人生なんとかなる。なんとかする。
何が起きるか分からないし、考えても仕方ない。”

 
夜、不安になるたびに自分で自分に何度も言い聞かせる。
無理矢理布団をかぶって、夢も現実も見ないようにする。

 
 


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